『予告をすることの大切さ』保育士がおすすめする親子のつながりを深める言葉⑦
今回は「予告」についての記事です。
保育士になってから
この「予告」を意識して
子どもに接したり、
活動を保障したりするようになりました。
この技術は家庭生活においても有効なので、
今回は「予告」について、
3つの項目に分けてお伝えします。
予告をしないことのデメリットと
予告をすることのメリットを知ることで
生活のなかに無意識に使っていた言動を
振り返ることにつながります✨
予告とは何か?
予告をしないことのデメリット3つとはなにか
みていきましょう。
🧩Ⅰ【予告とは】
予告とは、
『事前に相手に伝えること』ですね。
子どもに言葉をかけたり
援助をしているときに、
自身がどのようにふるまっているか
意識をしていますか。
そのなかで
「予告すること」は
意識していますか。
予告をせず
(子どもからしたら)急に
「そろそろ帰るよ!」
「もう片付けなさい!」
「いつまでやってるの!」
ということはありませんか?
子どもが
予告がない援助や言葉かけをされることでの
3つのデメリットを挙げます。
🌱デメリット1
自分の生活が大人の都合によって
急に中断されることになる
夢中になって遊んでいる子どもと
大人の見通しが共有できていない場合
大人の都合に
子どもが振り回されることになります。
その回数が増すことで
心理的な負荷がかかってきます。
🌱デメリット2
不安やストレスのもと
子どもは大人から突然に
大きな変化を告げられ
自分の世界を切り離されてしまいます。
この回数が多いほど、
不安やストレスを感じるようになります。
また、自分が思っていたものと違うことを
急に大人に言われたことで、
子どものなかの予定が大きく狂い
癇癪(かんしゃく)につながります。
🌱デメリット3
常に大人が主導で生活で力関係ができて
自分で生活する力が弱くなる
子どもが予告なしに唐突に
自分の生活が変わるスタイルに
慣れていくと、
力関係で優位な大人の
いいなりにならざるをえず
自分で提案をしたり、
願望が叶わなくてもあきらめることに
つながっていきます。
⬇️はトップ画の別れ道です。
旅をしていて分かれ道にきました。
あなたは右と左どちらの道に行きたいですか?
事前に曲がる方向を決めておきたいですか?
それとも看板までたどり着いたら決めますか?
看板に来たときに
急に影響力を持った人が
自分の想定と真逆の道に進まないといけないと
言い出したら…?
それが従わざるを得ない相手だったら?
自分の見通しが大きく崩れ
不安やストレスにつながりますね。
仮に旅の事前に道の方向を伝えられていたら…
心構えは大きく変わっていきます。
今度は予告をすることで
どんな効果があるのか
みてみましょう。
3つの予告することのメリットをあげます。
🧩Ⅱ【予告の効果】
予告することのメリットはなんでしょうか。
一緒に考えてみましょう。
🌱メリット1
『子どもの心の安心・安定につながる』
予告をすることで、
自分は次になにをされるのかが
わかります。
なにをされるのかがわかると、
心の安定や安心感につながります。
1歳未満の大人の手が必要不可欠な乳児にも
積極的に予告をしましょう。
「うんちがでたから
オムツを替えてすっきりしようね」
と、予告のひとことあるだけで
いきなりオムツ替えをされて
体位を大きく変えられる不安ではなく
大好きな人から、ゆったりとした
言葉と思いが添えられることで、
大きな安心が得られます。
また、大人も声をかけることで、
自分の行為を復唱することにつながり、
リラックスして援助をすることができます。
🌱メリット2
『子どもの生活に見通しがつく』
「あと5分したら、かたづけしようか」
「お家に帰ったらまずお風呂入ろう」
「今度の休みの日には海へ行こうか」
普段の日常の何気ない一言ですが
予告があることで、
子どもたちは
まだそこにはない「未来」に
意識が向かいます。
未来を予測する力は
大人の方がたけています。
子どもにその力をわけるイメージで
スムーズにそこに迎えるように
導いていくのも予告の力です。
🌱メリット3
『子どものコミュニケーション力がつく』
大人から予告を受けたとき、
子どもは自分がそのときどうしたいのか
提案する時間が生まれます。
例えば
「今度の休みに海に行こうか」
と言われたときに、
「海じゃなくて山がいい」と
自分の思いを伝えて
未来を変更する余地が生まれます。
山の魅力について一緒に考えたり、
海でなにをするつもりだったのかの
話を聞いたりするなかで、
大人と子どもの意見交換の余地ができ
お互いが納得する未来へ向かうことができます。
また、この経験が積み重なると
逆に子どもの方から提案する機会も
多くなっていきます。
最後に生活のなかに
予告を取り入れていく
3つの実践例を紹介します。
🧩Ⅲ【生活のなかに予告を取り入れる】
子どもに混乱が生じそうな場面には
あらかじめ予告を入れておくと
円滑にいきます。
実践に使える3つの展開を紹介します。
🌱実践1
事前に伝え、無意味な混乱をおこさせない
【お菓子好きな子どもの例】
子どもと一緒にスーパーに買い物に行く際
予告がない場合は、
スーパー=お菓子を買える
という見通しができているので、
突然買わないことを告げられると、
その見通しが
大人によってくつがえったことになり
子どもの癇癪につながっていきます。
子どもと一緒に買い物に行く前に
「今日はこれから
カレーの材料を買いにスーパーに行くけど
お菓子は買わないからね
帰ったらカレーを作って食べよう」
と伝え子どもが同意したうえで、
スーパーに行きます。
するとスーパーに行く目的は
『カレーの食材を買いにきたこと』になります。
子どもが「お菓子が欲しい」と主張しても
「今日は買わないってさっきいったよね」
と、毅然とした態度で接しましょう。
「だだをこねたら買ってもらえた」
ではなく、
「事前に話した内容をおこなった」
という経験をくりかえすなかで、
見通しがついた生活が
できるようになっていきます。
🌱実践2
大人の時間の見通しを言葉にして伝えておく
子どもとの生活を保障するために、
大人は日常生活で、
時間を逆算して
大体この時間に寝るためには
何時にお風呂に入って、
何時にご飯を食べ始めて…と、
無意識に大体のスケジュールを
頭に描いているのではないでしょうか。
その大人の逆算を
言葉に出して子どもに伝えてみましょう。
「ごはんができるから
このパズルが終わったらおしまいにしようか」
「家に帰ったらまずは汚れた体を
きれいにするためにお風呂に入ろう」
大人の想定を子どもに伝えることで、
子どもは大人の思いを共有することができます。
そのなかで、
「このパズルだけじゃなくて
あっちのおもちゃでも遊びたい!」や
「いや、先にテレビが見たい!」など
子どもの見通しも知ることができます。
事前にお互いの思いを
共有し合っておくことで
『ならどうするか』という目安が経ち
交渉したり、譲歩したりするゆとりが
”事前に”生まれます。
子どもの交渉する余地のある
タイムスケジュールの逆算は
子どもの未来を想定する力もついて
効果的です。
🌱実践3
意外と言ってしまいがちなNGワード
「また今度ね」
最後はNGワードについてです。
「じゃあまた今度にしよう」
子どもの気持ちを切り替えるために
この言葉をつかったことはありませんか。
言ってしまいがちですがタブーです。
その今度同じになるシチュエーションは
保障されているのか、
子どもにとってはわかりません。
「また今度」と同じ場面になったときに
再度「また今度ね」と言われたら
子どもの見通しは大きく崩れます。
子どもは
自分との約束は聴いてもらえないのに、
大人との約束は絶対ということに
理不尽を感じてしまいます。
「また今度ね」は使わない。
使う場合は、
しっかりと次回の機会を保障しましょう。
「こないだ『また今度ね』っていったけど、
次のお休みの日にできそうだよ
楽しみだね✨」
と、ここでも予告を入れると
子どもはそれを期待して
その日までの時間をすごすことが
できますね。
まとめにはいります。
🧩この記事のまとめ
【今回の記事のまとめ】
🌱予告しないことの3つのデメリット
1「自分の生活が、大人の都合によって急に中断されることになる」
2「不安やストレスのもと」
3「常に大人が主導で生活で力関係ができて、自分で生活する力が弱くなる」
🌱予告する3つのメリット
1「子どもの心の安心・安定につながる」
2「子どもの生活に見通しがつく」
3「子どものコミュニケーション力(交渉・提案する力)がつく」
🌱生活に取り入れる際は
1「事前に伝え、無意味な混乱をおこさせない」
2「大人の時間の見通しを言葉にして伝えておく」
3「また今度ね」はNGワード
いかがだったでしょうか。
子どもだけではなく、
大人も予告をされることで
安心することはありますよね。
この色を使って
「予告」をしていたのはお気づきだったでしょうか?
予告があると、
人は自分の未来を予測できて
それが安心につながります。
反対に自分の想定していた世界から
急に予定を変えられることの
不安やストレスは大きく
どちらも子どもも同じです。
言葉を掛けるまえに
子どもにどう影響があるかを
考えてみるのもいいですね。
最後までお読みいただき
ありがとうございました🍀✨
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