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『 ”あなた言葉”と”わたし言葉”あなたはどっちを使っていますか?』 保育士がおすすめする親子のつながりを深める言葉言葉④

🧩子どもに注意するときは...?

子どもを注意するときに
どのように言葉をかけていますか?

無意識にあるいは意識的に、
あなたの口から出る言葉は
どのような言葉になっているでしょうか。

もしかしたら以下のように声を掛けることはないでしょうか。

🌱例えば…
「やめなさい!」
「いい加減にしなさい!」
「何回言ったら分かるの!」

これらは全て”あなた言葉”です。

🧩”あなた言葉”とは?

文字通りにはなりますが、
あなた(You)が 主語になっている言葉を指します。

🌱上記の例で言うとそれぞれ
「(あなたは それを)やめなさい!」
「(あなたは もう)いい加減にしなさい!」
「(あなたは)何回言ったら分かるの!」


という省略が入っています。

これらは全て命令の言葉です。
命令とはここでは
”上のものが下のものに対し、
行動や禁止を命じること”
を指しています。

この命令の言葉が繰り返されることで、
子どものなかで親という存在は、
絶対的な権力を持っている存在、
逆らえない存在
という
印象や記憶が蓄積されていきます。

命令が繰り返されることでは、
子どもの理解を得る、
懐柔させることにつながらず、
逆に反発心や反抗心が心の中で育っていきます。


上記の例に挙げたものは
非常にあいまいな命令で、

例えば、
”いい加減にしろ”

という”いい加減”というものは、
親の感情の測度でしか測ることができず、
子どもにはどこまでが”いい加減”なのかの
理解や線引きの見極めが困難です。

”何回言ったら…

の”何回”も
5回なのか2回なのか、分かりませんよね。

子どもが、この見極めをするためには、
親の顔色をうかがう行為をするしかありません。
反対に、
子どもが親に気に入られようとする
不自然な行為が増えていく可能性があります。



また、子どもへの行動批判が続くことで、
”自尊心”や”自己肯定感”という、
子どもが自らを肯定する力が
無くなっていくことにつながっていきます。

一度低くなった自己肯定感は、
自らの力で回復させることは難しく、

”自分は愛されている”

という実感を
その子が抱けるような安心できる
親以外の理解者
(友人、恩師、パートナーなど)に出会い
ありのままを受け入れられる経験をするまでは
克服は難しく、
克服しきれていないまま大人になっていく方も
多いことと思います。

可能な限り、親が子の最大の理解者であり、
安心できる存在であり、
自己肯定感を育める存在であることが望ましいですね。

🧩”わたし言葉”とは…

それでは、どのように言葉をかけるのか。

これまであなた(You)だった主語を
わたし(I)に変えていきましょう。

すると…

「わたしは それをあなたにやって欲しくない」
「わたしはあなたに いい加減にして欲しいと思っている」
「わたしは 同じことを何度も伝えているよ」

上記のような言葉になりますね。

これらの言葉を子どもに伝えるとき、
今一つ具体性が欠けていて、
その理由や親の内なる願いが
子どもに伝わりにくいことに
お気づきになるでしょうか。

改めて先に例に挙げた命令が、
端的であいまいな指令を
発しているだけだということがわかりません。

「おもちゃが床に落ちると
 おもちゃも床も傷ついて
(わたしは)悲しくなるから、
 あなたにおもちゃを投げて欲しくないな」

「わたしは あなたに
 部屋を散らかすのはおしまいにして
 片付けをして欲しい」

「今日は時間がなくなってしまったから、
 いつもよりも少し急いで準備してくれると
 わたしはとっても助かる」

と、
わたしを主語に用いて、
子どもにどうなって欲しいのかを考えると、
上記のように具体的に自分の願いや考えを
伝えられるようになっていきます。

子どもは、
身近な安心できる良き理解者である大人の考えに
気づくことができるようになっていきます。

これらの”わたし言葉”を繰り返すことが、
「僕にはこういう理由があるんだよ」と、
子どもの方から
自分の考えを主張できるきっかけになっていきます。
これは安心して自分の意見を言える環境にあり、
順調にそだっている証拠だと思います。


子育ては突発的なことの連続ですので、
ついカッとなることももちろんあります。

その時に
『あー、
 これをわたし言葉で言い換えると
 …これがこうで』


考えてるうちに、
少し冷静になって伝えられるかも知れませんね。

無理のない範囲から一緒に
ちょっとずつ意識してやってみましょう。
子どもたちが大人になったときに
『自分のことを好きだ』と思える未来を願っています。


最後までお読みいただき
ありがとうございました。


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