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✅20代男性【投資で貯金失い無気力に】を選択理論でコーチング人生案内#116

「20代の無職男性。貯金を外国為替証拠金取引(FX取引)で失い、無気力状態です。」

1年半ほど前、人間関係で心を病み、正社員の仕事を辞めました。しばらく塞ぎ込んでいましたが、何事にも挑戦しようと心を入れ替え、その一つで投資も始めました。

 NISA(少額投資非課税制度)を手始めに、株、暗号資産(仮想通貨)、FXと、リスキーなものに手を出すようになりました。最初は利益が出ましたが、ビギナーズラックだったのでしょう。次第に損が膨らみ、取り返そうとして資金が尽きました。

 後の祭り。自業自得。仕事を辞めて短期の仕事を転々とし、何とか副収入を得ようとした末路です。失って気づきます。貯金があったのだから、今まで通りコツコツ稼げばよかったのです。

 平凡に真面目に生きてきたつもりです。切り替えようにも失ったお金のことが頭をよぎり、何もする気が起きない日々です。失った分だけでも返ってきてほしい。そんな気持ちが拭いきれません。(滋賀・A男)

(2022年6月5日読売新聞朝刊)

次を参考に「相談者の答え」を引き出す質問を自由に考えてみてください。

【相談者の困りごと、願いごとを考えましょう】

相談者の「困りごと」

・貯金をリスキーな投資で失い、その喪失感のために、何もする気が起きない毎日を送っており、気持ちが切り換えられなくて困っている。

相談者の「願いごと」

・失ったお金が返ってきてほしい。

・気持ちを切り換えて、新たな生活を送っていけるようになりたい。

【コーチングモデルと選択理論の考え方】

①「自分の考え方や見方、行動は、自分が自由に選択
できるし、変えられる」と考えましょう。

②「自分には、未来に向って自分が幸せになるために
行動する責任がある」と考えましょう。

【相談者の困りごとのパターン】を考えましょう

・「貯金を失った」という「自分の喪失感」に、自分が振り回されて困っている。
 
以上を参考に、ここで、みなさんのコーチング質問を考えてみましょう。
 

【心に響く回答者(山田昌弘さん)の言葉】

「過去は過去、過去を取り戻そうとすると未来を失う」。これは、アメリカのクリントン元大統領の演説からの引用ですが、人生にとっても当てはまると思います。

 人生は選択の連続です。だから、何か不都合なことが起こるとああすればよかったという後悔にさいなまれるのは誰しもあります。また、過去の失敗を埋め合わせようと焦ってうまくいった例を私は知りません。

 過去は教訓、月並みな言い方ですが「授業料」と考えてください。貯金を失ったのは残念ですが、投資の仕組みについて学ぶことができたと考えれば、再度の失敗を防ぐことになります。

 あなたは、社会に出たばかりです。「若いうちの苦労は買ってでもしろ」ということわざもあります。あなたのここ数年の経験は、苦いものであったとしても、これからの長い人生の中できっと役に立ちます。

 正社員としての経験もある。こつこつ努力することの重要性も分かっていらっしゃる。まずは、自分に合った仕事をみつけ、一生懸命取り組んでみる、そうすれば、未来はおのずと開けてくると思います。

(2022年6月5日読売新聞朝刊)

私は次のような質問を考えました(ご参考まで)

・「貯金という大切なものを失ったという喪失感」は、「自分の友人であった大切なペットを亡くした喪失感」や「自分の大切な人を失った喪失感」などと同じように、なかなか消えるものではなく、心が癒やされて、切り換えられていく「喪の期間」が、人によって違うかもしれませんし、失ったものの違いによっても違うかもしれませんが、何ヶ月や何年もかかるかもしれません。

・しかし、やがて、「天国に行った大切な人やペット」が、喪失した人の心の中に、姿を変えて、「よかった思い出」と共に、その人に寄り添って、一生にわたって、励ましてくれ、勇気づけてくれる存在になっていくものだと思います。

・「喪失感が大きくて、今は気持ちを切り換えられない状態であること」は、それはそれとして、そのような状態でも、やはり、一番の対策は、とにかく「体を動かす」「何らかの具体的な行動をする」ことだと思います。短期の仕事をいろいろ経験されてきたということですので、そのような仕事をこなす力は十分にお持ちだと思います。喪失感は、それはそれとして、それを携えたまま、まずはとにかく、体を動かしましょう。体を具体的に動かせば、心にも変化が起きてくると思います。

・「失敗は成功のもと」ということわざがあります。このことわざは、後になって成功しないと、その意味がわかりにくいのですが、「人生の真実」をついた言葉です。あなたのこれまでの人生で、「あのときうまくいかなかったことが、かえって、後から考えたらよかったという思い出や経験」がいくつくらいあるでしょうか? 思い出せるだけ思い出してみてください。

・「天国に逝ったあなたのお金」は、長い人生で見たら、あなたが生きていく上で、すごく大切な教訓や学びを、ずっとあなたに寄り添って、必要なときに、繰り返し、繰り返し、あなたに教えてくれると思います。後から考えれば、「あれもこれも、20代のあのときに、あの失敗をしたおかげだ」と思えるときが、必ず来ますし、今うまくいっている人のほとんど全員が、大なり小なり、同じような経験をされていると思います。要は、経験から、どれだけのたくさん学ぶかだと思います。

・ところで、あなたの未来に目を向けたとき、例えば、十年後、あなたは、私生活や仕事、ライフスタイル、経済状況、友人関係、趣味、健康などの点で、どのようになっていたいのですか? 投資を始めたときにも、ばくぜんとそのような将来の夢を持たれていたかもしれませんが、今の状況を乗越えていくためにも、できるできないはともかくとして、まず、「未来に向って、自分はどうなりたい、何を得たい」ということを具体的に明確にしてみませんか。そして、その夢に向って、ほんの小さなことでかまわないので、うまくいくかいかないかも気にしないで、ともかく、行動してみませんか。

・ちょっと変わった質問ですが、もし、仮に、「あなたの夢が叶うこと」が確実であるとわかっているとしたら、あなたは手始めに、どんな小さな行動を始めますか? できるだけ多く挙げてみて、そのうちの、一番簡単な一つを実行してみませんか?

・もし、あなたの友人が、あなたに、全くあなたと同じ内容の相談をしてきたとしたら、あなたは、その友人に対して、どのようなアドバイスをしてあげますか?

今回は以上です。上の質問は、自己対話で使うと、セルフコーチングができます。お役に立てればうれしいです。それでは、また次回。


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