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カカオへの情熱に刺激を受ける

少し前の出来事だが、観たい映画があって出かけた。


映画館で映画を観るなんていつぶりだろう。


いつしか映画館に行かなくなった。言葉を変えると映画館に行くまで観たい作品がなかったのかもしれない。


そんな映画館不精だった自分を突き動かしたのがこの映画。


この中に出演されている田口愛さんを数年前にドキュメンタリーで知り、熱意に感動した。同じ女性でガーナの人や社会のために奮闘する彼女。幼い頃からチョコレートが好きで19歳の頃に単身でガーナを訪れたことをきっかけに、カカオの生産からチョコレートの製造・販売まで行うMAAHAというチョコレートブランドを立ち上げた。そんな愛さんが本作品に出演されていると知り、久しぶりに映画館に向かった。


暗闇の中で一つの映像を大勢の人と見る。コロナになってからは密になるような場所はさけてきたので、昔は当たり前だったそんな光景がまるで夢のように感じた。始まる前は少し緊張したが、平日の昼頃という時間帯や、ミニシアターでの開催ということが良かったのか両隣もおらず、リラックスして観ることができた。




結果、行ってみて本当によかった。愛さんを含め、カカオに魅せられた日本人の姿を追うドキュメンタリー映画。映像では、カカオの歴史、農家や国の現状、人々の暮らしについても知ることができる。何より、カカオの栽培がどれほど大変で重労働かということがわかり、普段口にしているチョコレートがどれ程低価格で販売されているか、また商品一つの貴重さを今まで以上に意識するようになった。まさに「いただく」ことの意味を再認識し、感謝することに繋がる映像である。


私は社会人になりたての頃、仲の良い大学時代の先生に誘っていただき、週末ボランティアでフェアトレード事業に関わらせていただいていた。学生時代多くの国際協力に携わっていた自分には、ただ働くだけの生活は社会に何も生み出せていない気がして生きにくかった。私が主に行っていたのはチョコレートやエビのフェアトレードで、ワークショップを開いたり、弾丸でインドネシアにも行き、現地の方々の活動に参加をさせていただいたりした。海外就職して辞めてしまったが、当時の私はあの活動に大分救われたように思う。荒削りだったけれど、夢中で何かに取り組んでいた日々は充実していた。


映画を観ていてあの頃の自分を思い出すとともに、愛さんや他の出演者の方々のひたむきな姿に胸を打たれ、刺激を受けた。何かに情熱を持って取り組むことは素晴らしいし、自分もそうでありたい。


やはり私は常に目標を持って走り続けていたい人間なんだと再認識した。今は書くことや「食」を追うことがそれである。こうした自分の夢中になれることに、全力をかけようと一層思わせてもらった一日だった。



カカオが飾ってあったりと映画館の装飾も凝っていた。
チケットを買った際にはこんなに可愛らしいプレゼントもいただいた。映画のカバーがついた明治の板チョコ。






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