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酔いどれ雑記 89 Name your poison


前回の酔いどれ雑記に、私は以前酒が弱くてほとんど飲めず、海外旅行中には現地の酒を楽しむことをほぼしなかったと書きました。ですがバーやカフェの類に行くのは大好きでして、何故かほとんど毎回ジョニーウォーカーを注文していました。場所によってラベルは変わります。普通のホテル程度なら黒、誰かがおごってくれるなら青といった具合に(たかってはいませんよ!)。スコッチなんて別に好きじゃないんですがね。何故ジョニーウォーカーを飲むことを習慣にしたのか、そのきっかけが思い出せません。

一人旅のときは基本、カウンターに座ってバーテンダーや隣り合わせた人たちと話します。......ああ、書きながらバーでのあれやこれやの出来事が懐かしく思い出され、涙が出てきそうになります。

初めて訪れ、そしてもう二度と来ないかもしれないところで注文するのはジョニーウォーカーではなく、そこでしか出さない、またはそこでしか飲めない酒です。それには2つあって、一つはそのホテルや店で出すために特別に醸造されたワイン等。たとえばここはポルトガルのブサコ・パレスホテルですが、ここでしか飲めないワインがあります。

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そしてテーブルに載ってるのが問題のワインですが、エチケットが不鮮明でどこの代物かこの写真じゃ全く分からないですねぇ......。おまけに私もかなり不細工に写ってるのでやむなく(?)スタンプで隠させていただきます。本当どうでもいいですが、もう18年前ですよ、これ。25歳!若い、若かった。

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そしてもう一つ、もう一生来ないかもしれない場所で頼む酒は、その店オリジナルのカクテルです。初代バーテンダーが考案したものなのか、ただ誰かが適当に作ったレシピなのか謎ですが、大体そのホテルや店の名が冠してありますね、〇〇スペシャル、××ナイトとかって。一度リスボンの某ホテル(有名ではないが一応高級な部類に入るところ)のバーでなんちゃらスペシャルを頼んだら、しばらく注文を受けてないとみて、バーテンが慌てて奥に消え、レシピ帳を持ってきては首っ引きになりながら作っていて何だかほほえましかったです。お国柄もあるかもしれません。こういうのが本当に楽しいんですよね、旅行って。結局、そのバーには半年もしないうちに再訪しました。今度は友達と一緒に、お土産に電氣ブランとハイライトを持って。私はバーテンのマヌエルを再び困らせないようにジョニーウォーカーを注文しましたが、その友達がなんとかスペシャルを頼んだので大笑いしてしまいました。みんな考えることは同じなのか、それとも日本人の特性なのでしょうか。

もうなんとかスペシャルの見た目も味も忘れてしまいました。ジョニーウォーカーを注げば、リスボンの夜もマヌエルの顔も思い出せるでしょうか。でも本当はもう一人で飲みたくはありません。