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ライター5年目。まだまだ成長します。セミナー登壇で持ち帰った3つのコト

宣伝会議「編集ライター養成講座」修了生セミナーに登壇した。対談相手は、これまで何度かお話をさせていただいている講談社「現代ビジネス」「マネー現代」の編集者・滝啓輔さん。

講座では、もちろん参加者に持ち帰ってもらえる内容を話す。それは大前提だ。
だが、実のところ、この対談でより自分の考えが深化することを私は楽しみにしている。「これは絶対持ち帰ろう!」と思い、話しながら脳にメモをしていることは少なくない。

そんな中から、今回、私がnoteに「書き留めたい!」と思った観点は3つある。

◆タイトルは、ターゲットと非ターゲットに向け異なる効果を狙う
◆「一応削っておこう」はしない
◆よい編集者は、「素直さ」と「斜に構える」を行き来する

◆タイトルは、ターゲットと非ターゲットに向け異なる効果を狙う

私はもともと出版社の出身で、フリーになる前は教育情報誌の編集をしていた。つまり、「紙媒体」の出身だ。
しかし、今は「紙だから」「Webだから」と選別する時代ではない。実際に、紙でもWebでも選ばずに書いている。

そんな私が、Webの記事を書く際に頭を悩ませているのはタイトルのつけ方だ。
タイトルづけの基本的なことは承知しているつもりだし、フックになるようなノウハウも自分なりに蓄積している。しかし、それだけではない、もっと上位概念になるようなタイトルづけの「指針」を持ちたい、とずっと思っていた。

だから、滝さんから「紙とWebの仕事上の違いは?」と質問され、即座に口をついたのが「タイトルの苦労」だった。

そんな私の”悶々”を受けて、滝さんからの話。
タイトルのつけ方は、ターゲットによって効果を分けることがポイントだという。

記事のターゲット向けには、「共感」を呼ぶタイトルを付ける。ターゲットはそんな”共感タイトル”を見て、「そうそう、よく言ってくれたー!」と記事を開く。
ターゲット以外の人には、「驚き」を呼ぶタイトルにする。「え? 若い子たちって、そんなことになっているの?」と、これまた記事をつい開いてしまう。

この2つの仕掛けが入っているようなタイトルにできれば、結果多くの人に読まれる記事となる。んんん〜、これは新発見!

◆「一応削っておこう」はしない

私はもともと学校の先生向けの情報誌の編集をしていたので、掲載する情報に関して結構慎重になる。それはリリース前に慎重に吟味するというだけでなく、インタビュー対象者にゲラチェックをしてもらう段階でも、「ちょっとこの表現はNGかな」と思うところは削ろうとしてしまう。

しかし一方でその行為により、記事の旨味を全部抜いてしまっている可能性がある。

つまり、「チェックの前に削ってしまおうかな」は、自分の作業を楽にするだけであって、おもしろい記事を作ることには繋がらないかもしれない。

私は編集業務をすることもあるのだが、今度ゲラチェックを依頼するタイミングが訪れたら、「一応削って確認出そう」はやめようと思った。チェックに出して、「削れ」と指摘を受けて、それがまっとうな理由であれば仕方ない。しかし、自分から勝手に忖度していては、新たな発見につながるようなギリギリの記事は出していけない。そんなことを思った。

◆よい編集者は、「素直さ」と「斜に構える」を行き来する

今回の講座の前に、SNSでシェアされていたこの記事を見ていた。

そして、これって編集者の素養だよな!と思ったので、滝さんにぶつけてみた。そして、滝さんも「あぁ」とそれを受けるような話をしてくれた。

例えば、イチローの話。
「イチローはすごい」「多くの人がイチローに注目している」ということは素直に認める。そして、そこから「イチローの引退は本当にこのタイミングでよかったのか」などと、斜に構えるモードで考えを深めていく。
その編集者の「素直」↔︎「斜に構える」の行き来の中で、よい企画が生まれてくるのだと思う。たしかに、私が知る優秀な編集者さんはみんな「素直」↔︎「斜に構える」を頻繁に行き来している。そしてまた、人間的な味をそこから生み出している人も多い。
私もこの行き来を意識して、味わい深い企画を生んでいきたいと思う。

フリーランスになり、そして、自営のライターになって5年目。「駆け出し」と言われることはなくなったけれど、「ベテラン」ではない。新しい仕事をする時は、未だ新鮮にドキドキする。私はまだまだこれからなんだ。
成長できるきっかけを大事に、これからも歩みたい。

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