見出し画像

「脳の外で考える」

アニー・マーフィー・ポール著/ダイヤモンド社

“脳の外で考える”の実践

「頭の外で考える」(マインドマップで)
全体像(ipadで)
身体(動き)
環境
環境(アイデアの空間)
人と
人と(グループで)
「Canva」で

私たちの脳には、限界がある。

内側を最適化するために、どれだけ努力しても、
その効果は期待以上にはならない。

ではどうしたら?

著者は、私たちの脳の外にある3つのリソースを使うと良いと教えてくれる。

1つ目は、「身体」
2つ目は、「環境」
3つ目が、「人」

この3つのリソースをうまく使うことで、

私たちの脳はストレスから解放され、よりクリエイティブな活動が
できるようになる。

1、「体で思考する」

1-1、「内受容感覚」を鍛える


人には、「内受容感覚」がある。

内受容感覚とは、体内の状態に気づくこと。

視覚、聴覚、味覚、嗅覚といった外の世界からの情報を受け取るセンサーがあるように、体内にもセンサーがあり、脳に絶えずデータを送っている。

震え、ため息、呼吸の加速、筋肉の緊張といった形がサインとなる。

脳が理解するよりもずっと前に体はわかっているため、
頭で考える必要はない。

内受容感覚を鍛えるためには、「ボディスキャン」が良い。


《方法》
少し時間をかけて、体全体が1つになるのを感じる。

息を吸ったり吐いたりするたびに、
お腹が膨らんだりへこんだりするのを感じる。

次に、左足のつま先から順に、
筆のようなもので優しく「掃く」イメージで、意識を移動させる。

爪先に意識を向ける際に、そこへ呼吸を送るイメージをする。

内受容感覚を邪魔する「認知バイアス」にも注意したい。

時間をかけた検討や分析ではなく、「内受容的な学び」を養うことで、賢い決断ができるようになる。体内の感覚に気づくと、感情もうまく扱えるようになる。

1-2、動きを使う


たった1回の身体的活動が、短期的に認知能力を強化できる。


身体的な活動と知的な鋭敏さは、密接に絡み合う。
動きながらの思考は、人間がもつ全ての能力を発揮させてくれる。

ダニエル・カーネマンが見つけた散歩の効用。

中強度の運動を中程度の時間で行うと、
運動中および運動直後の考える能力が向上する。

そして、運動後2時間もの間継続する。

その他、「斬新な体の動き」「ウォーキング」「ジェスチャー」
「ロールプレイ」なども、体を動かす効果的な例として紹介されている。

2、自然環境を使う


私たちは誰もが、どこにいるかで思考が変わる。
脳は、作業する環境の影響を大きく受ける。

自然はとりわけ、思考にとって豊かで実りの多い環境を
提供してくれる。

なぜなら、私たち人間の脳や体は、
屋外でいきいきと活動するように進化してきたから。

人間の感覚や認知は今でも、
自然環境にある特定の刺激を無理なく効果的に処理できる。

一方で、人工的環境は、進化的に調整されていない。

自然から受ける恩恵は大きい。

自然の中を歩くだけで、集中力や思考力が高まる。

例えば、シカゴ代がくの心理学者マーク・バーマンの研究では、
森林公園を1時間歩いた実験参加者は、同じ時間を交通量の激しい街を歩いたひとと比べ、ワーキングメモリのテストで20%高い得点をとった。

認知面に強烈な負担がかかっているとき、自然に触れて休憩をとることで、心のリソースを取り戻したり回復したりできる。

自然は、信頼性と効果の高い「薬」

自然光や屋内の植物で集中力もアップするというので、
積極的に活用したい。

その他、空間についての工夫や効果についても触れられているので
活用したい。

3、人と思考する

3−1、「認知的徒弟制度」

「認知的徒弟制度」は、アメリカのノースウェスタン大学で教育学名誉教授となったアラン・コリンズがつくった言葉。

徒弟制度では、「学習者は作業のプロセスをみることができる」
一方で、学校制度では「思考のプロセスは多くの場合、生徒にも教師にも見えない」。

徒弟制度の特徴は4つ。

①タスクを実際にやってみせる「モデリング」

②タスクを学習者自身が試せる機会を設ける「スキャフォールディング」(足場づくり)

③学習者のスキルがあがるにつて、指導を徐々に減らしていく「フェーディング」

④困難なところで学習者に手を貸す「コーチング」

学生が講義を聴く時間を減らし、指導教員が率いる小グループでのセッションの長さと頻度をふやす実験をしてみると(生徒がコンセプトの説明を聞いたり、教師が実演する作業についてディスカッションは行わない)、単位を落とす学生の割合は、60%強から10%以下に縮小した。

3-2、模倣する

人間の文化における実績の多くは、「自然に」なされるものではなく、
コツコツとして努力を重ねなければならない。

そもそも、模倣できなければ、人類は今ほど繁栄しなかった。

スキルをもっとも効果的に手に入れる方法が模倣。

ビジネスの世界で成果をだすには、まねに徹する。

自分よりも経験も知識も豊かなひとをまねしたほうがうまくいくことが多い。
何より、同じ間違いをせずに済むため、時間も労力も節約できる。

本書では、真似してうまくいった例として、
スティーブ・ジョブズやZARAが紹介されている。

模倣は、人間の社会的、文化的な生活の根源であり、文字通りに人間たらしめているもの。

何をするにも手元に手本があったほうがよい。

3-3、グループで思考する

情報があふれ、高度に専門家され、複雑な世の中の何台に直面する際には、
個々の認知では太刀打ちできない。

現代社会は、集団心を必要としている、
知識はより豊富になり、専門知識はより細分化され、

問題がより複雑になった。こうした変化への反応として唯一適切だといえるのは、集団心を発動させること。

行動や感情をともにすると、集団の結束力は高まる。

集団でいるほうが注意やモチベーションも高まる。

私たちは、他者と一緒に何かに注意をむけたとき、より深く「学ぶ」ことができ、よりしっかりと「覚える」ことができる。

他者と一緒に注目した情報にたいして、「行動を起こす」可能性が高まる。

注意:個人の実績を重視し、集団の団結を軽視すると、共同注意や共通のモチベーションから得られる豊かな恩恵を受けられない。

辛いものを一緒に食べると結束力が強くなるのは面白い。

まとめ

心を拡張できれば、知性や才覚を発揮できる。
外のリソースを賢く使い、脳に大事な仕事をさせる。

情報を降ろす・・考えを紙に書き出すことからはじめよう!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?