佐々木悠介(宮城県石巻市地域おこし協力隊)

宮城県石巻市地域おこし協力隊として、農薬不使用ササニシキ農家さんのもとで活動中。毎週日…

佐々木悠介(宮城県石巻市地域おこし協力隊)

宮城県石巻市地域おこし協力隊として、農薬不使用ササニシキ農家さんのもとで活動中。毎週日曜か月曜日にnote更新 / 宮城県 / 石巻 / 街づくり / 地域活性化 / 復興 / 農業 / 芸術 / ドイツ / 子育て

最近の記事

海外渡航者のPCR検査と陰性証明書

毎日のように田植え作業の光景が目に飛び込んでくるここ石巻。少しずつ緑に彩られてくる田んぼたち。今年も立派に美味しく育ってほしい。 僕が協力隊として活動する農家さんの田植えはもう少し先。今はその準備期間。田んぼに水を少し流して、トラクターで土と水を馴染ませ平にならしていく「荒代かき」。その時大きな土の塊も割りながら、昨年の稲刈りで残った藁や雑草、そして肥料をすき込んで行く。その後、もう一回同じような作業を田植え直前に行う「植代掻き」。田んぼの表層部をより細かく砕き、土をドロド

    • 床屋の孫、市長選挙に行く

      気が付けばもう4月後半。近隣農家さんの圃場ではすでに田植えしてあるとこもあって少しびっくり。 うちのお米たちはまだまだビニールハウスで育苗中。 本日4月25日は、石巻市長選挙投票日。街を作る長を選ぶ日。 毎日のように聞こえてきた各候補者の懸命な声、ちゃんと届きました。 現石巻市長にこの地で地域おこし協力隊として地域力の維持、強化を委嘱された者として、5月いっぱいで石巻を離れるけどこれからの石巻を想い、僕も一票投じに行かせてもらいました。 これからどの候補者が市長と選

      • 食・美・技・伝統でおもてなし

        協力隊受け入れ先である農家さんでもお米の種まきが始まった。やはり種まきが始まると、いよいよ本番といった感じでふんどしを締め直される。 今日は、よりそのふんどしを引き締める意味を込めて、農業の大大大先輩となる隣町の由緒正しき大農家さんがやっている手打ちそば屋に行ってきた。 お店のご主人で12代目だそうだ。 お店は今もご家族が暮らす古民家の一部。場所は石巻市のお隣、我が生まれ故郷の美里町。完全予約制で確か1日1家族限定で、美味しい手打ち蕎麦懐石が食べられると言う農家れすとら

        • 思えば遠くへ来たもんだ

          ここ宮城県石巻市でも桜が見ごろになってきた。そんな矢先、なんとそんな時期にも関わらず雪が降った。ここ石巻は降った気配はあった程度だったけど、実家の方はそこそこ雪が降ったらしい。桜と雪、なんとも不思議な組み合わせ。さぞかし桜もびっくりしたことだろう。フライングで開花してしまったと。 そんな不釣り合いな景色を横目に、今また、日本に来てから6回目の荷物整理をしている。 突然だが、今年の6月ドイツに戻ることになった。 話しは去年11月に遡る。突然、ドイツのおじさんから、おじさん

          こめときどきうさぎとたまご

          ここ宮城県石巻もだいぶ暖かくなってきた。日差しも心地よく、外での農作業に最適な季節が来た。もう4月か。桜もチラホラ咲き始め、他の植物と一緒に農村地区を色鮮やかに彩っている。 そんな色鮮やかに変わりつつある風景を眺めながら、夫婦でふと思う。 なんで年度始まりが4月何だろう、と。 調べてみると、諸説云々はあるがその一つはなんと「米」が大きく関係しているとのこと。 明治時代の日本は農業国で、主要産業は米作だった。江戸時代は米による年貢(税金)の納付だったけど、明治に入ってか

          サマータイム制度

          もうすぐ新年度が始まる。入学入社準備を進めている人、そしてそれを応援支える人も皆、ワクワクドキドキの気持ちでいるだろう。 そんな期待と興奮を胸に始まる4月を前に、本日3月最終日曜日、ドイツは冬時間から夏時間に変わった。今まで日本との時差が8時間だったのが、日曜の午前2時に時計を1時間早め7時間となる。ちなみに、冬時間は10月の最終日曜日の午前3時に時計を1時間戻り、日本との時差が8時間になる。 寝ている時に変わって、日曜の朝起きると1時間進んでいる。だから、昨日土曜日まで

          One for all, All for one 「一人はみんなのために、みんなは一つの目的のために」

          再度強い揺れ。震度5強。前回の地震と数字だけ見れば弱かったが、前回のトラウマが僕たちの体感をそれ以上と思わせた。そして、今回は津波警報も加わり、心臓はドキドキしっぱなしだった。 今回の地震発生は、そこまで遅い時間ではなかったものの、すでに辺りは暗かった。 揺れを感じその強さを理解すると、今回はすぐさま外の安全な場所へ避難した。地震発生後、僕は玄関を開けて逃げ場を確保、近くにいた赤ちゃんを抱っこし、妻は長男を抱っこ長女を脇に抱えながら避難した。 大袈裟な行動と思う人もいる

          One for all, All for one 「一人はみんなのために、みんなは一つの目的のために」

          まだまだ模索、復興途中

          東日本大震災から10年。10年目をここ石巻で迎える。石巻で移住してきて1年半。少しはこの地域のことを知り、復興に貢献出来ているだろうか。 2011年震災時、僕はドイツにいた。 震災直後、ネットで知る・見る世界中から飛び交う情報でパニック状態に陥り、さらには宮城に住む両親とも4、5日間ほど連絡が取れず、正気を保つことが出来なかった。幸い、兄から両親は無事だと連絡はもらっていた為、多少の安心感はあったものの、直接連絡が取れなかった分、不安や心配はあった。 今すぐにでも日本に

          夜のコンビニと虫の走光性

          最近実家近くのコンビニが、改築で珍しく数日閉まってた。そうすると、夜の景色が当然の事ながら一変した。真っ暗だ。 夜のコンビニ。 田舎に戻ってきて、もう深夜のコンビニ入る機会がなくなったけど、やっぱコンビニの灯りがあると、どこか安心する。別に中に入るわけじゃないけど。 ドイツに行って、この日本のコンビニの明るさは異常と思うようになったけど、それでもいろんな意味で助けられている人がいるんだなぁと、最近はしみじみ感じるようになった。電気代も蛍光灯からLEDに変って安くなってる

          石巻でアイヌ民族の万能薬に出会った

          今月、石巻市のとある農家さんのもと、僕の人生を救うかもしれない農作物に出会った。 行者にんにく。 皆さんはご存知だろうか。正直、僕はここ石巻に移住してくるまで、その存在を知らなかった。北海道ではアイヌネギ、 キトピロ、ヒトビロなどと呼ばれる、ネギ属の天然の活力山菜。元々は北海道など寒冷地の山間にのみ自生していた行者にんにく。 この名前の由来は、山形の山野で修行する山伏(行者)たちが、荒業を耐える為、体力・精力をつける栄養源として食べていたから、だそうだ。 これを聞いた

          石巻でアイヌ民族の万能薬に出会った

          おにぎり泥棒

          先日の仕事中のことだ。お昼ご飯を楽しみにしていた僕を悲劇が襲った。 午前の作業疲れを癒し、午後の鋭気を養うお昼ご飯。 そんな大切で重要な存在の昼ごはんが、あるものは忽然と姿を消し、あるものは無残な姿で地面に横たわっていた。 ここ数日、会社から軽トラで石巻市内だが40分ほどかかる場所で農作業をしている。その場所付近には飲食店やコンビニ、そして田舎によくある小さな商店すらない。山々に囲まれ、あるのは少数の民家と畑に田んぼばかり。 その為、簡単なお弁当と暖かいお茶を作って持

          地震から見つめ直す、住む場所と生き方

          地震の余韻を残し、迎えた本日バレンタイン。この歳になって今更全く関係ないけど、やはりこの時期に近づくと話しの話題に時々上がってくる。 昨晩の揺れは、自分が今まで経験した地震の中で一番強く激しく、怖かった。壁や天井はギシギシ音を立て歪んでいき、棚にあった物は床に崩れ落ち、そして寝室の照明が天井から落ちてきた。さすがに、最悪の状況やパターンを一瞬のうちに何度も想像した。 宮城県石巻市、震度6弱。 今は、家族を守る立場。子供2人と妊婦の嫁を守る術を短い時間で判断して誘導・行動

          地震から見つめ直す、住む場所と生き方

          田舎で味わう南国気分とそこから学ぶエコロジー

          ここ宮城県石巻市に移住してきて、よく見かける不思議な光景がある。それは、日本の田舎、和風建築と庭園の間に佇むヤシの樹の姿。今住む家の玄関前にもこのヤシの樹が植えてあり、おかげさまなのか茶の間から毎日東北にいながら南国気分を味わう事ができる。 ヤシの樹と言えば、今まで南国の熱帯や温帯などの温暖な気候で育っているイメージがあっただけに、なんで田舎の至る所にこの南国の樹がこんな沢山植えられているのだろうかと日頃から不思議に思っていた。南国気分を味わうために一時的な流行で植えたのか

          田舎で味わう南国気分とそこから学ぶエコロジー

          すごいぞ、サツマイモ。

          今日、日曜日の朝、家の遠くから聞こえる汽笛を思わせる音。なんとも懐かしいさを感じるこの音。こちらに近づいて来る度に、ワクワクが増す体験。田舎暮らしで音を立てて近づいて来るのは野良猫ぐらいだが、今日は違った。 音に耳を傾け、窓からその音の鳴る方を覗くと、そこにはなんともまた懐かしの光景があった。移動販売の石焼き芋屋さん。 音でもすぐに察しがついていたが、まさか本物をまたこの目にするとは思ってもいなかった。まだこんな素敵な風情と音がこの地域に残っているんだなぁと感銘を受けた。

          私たちは(芸術⽂化によって)過去をよりよく理解し、またまったく新しい眼差しで未来へ⽬を向けることもできるのです。

          ドイツのロックダウンが、2月14日まで延長されることになった。 これで、飲食店や観光業はもちろん、美術館・博物館の運営継続もまた危機にさらされる。 ドイツは、メルケル首相が昨年5月9日に行った演説で「連邦政府は芸術支援を優先順位リストの一番上に置いている」と発言したり、モニカ・グリュッタース文化大臣が「アーティストは必要不可欠であるだけでなく、生命維持に必要なのだ」と言うほど、自国の芸術文化を大切にしている国だ。 新型コロナが猛威を震い始めた昨年3月、フリーランスの芸術

          私たちは(芸術⽂化によって)過去をよりよく理解し、またまったく新しい眼差しで未来へ⽬を向けることもできるのです。

          パリジェンヌとSNSで繋がる

          今日は諸事情で手短に。 昨年12月、協力隊の受け入れ先である会社に、今まで取引のないパリのバイヤーから突然電話が来た。 Instagramを通して弊社の商品を知って興味を持ったらしく、わざわざ時差8時間を越えて連絡をくれた。ちなみにうちは専用インスタアカウントを持っていない。 相手は女性。話し方ですぐ分かる、パリジェンヌ。例えそれが英語でも。なんとも形容しようがないが、話し方もゆっくりで、おしとやかでまろやかで、どこか気怠さを感じる(失礼でごめんなさい)。でも、ほんとそ