見出し画像

必須脂肪酸の摂取にオススメの「脂肪が豊富な魚類」まとめ

この記事では必須脂肪酸を摂取する上でオススメの魚類についてまとめています。

尚、この記事は前回の「ダイエット・減量中にオススメの「低脂肪な魚」まとめ」の続きです。


ブリ

ブリは高蛋白、かつ高脂肪で、必須脂肪酸(ω-3脂肪酸)であるEPAとDHAが豊富に含まれています。また同じく必須脂肪酸であるα-リノレン酸も、多いとは言えませんが含まれています。そのため魚類の中ではエネルギーがあり、筋肉を維持・成長させたい場合、摂取エネルギーを調整する時に便利です。

ただしEPAとDHAは酸化されやすいです。効率良く摂取するためには「寿司」が最もオススメです。もし加熱調理をする場合、可能なら、ビタミンAやビタミンCなど、抗酸化物質を豊富に含む食品を一緒に食べるようにしましょう。それによって脂肪の酸化を抑えてくれます。

一方、ブリはビタミンの栄養価も高く、ビタミンB群(ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、ビタミンB12)、ビタミンD、ビタミンEがいずれも豊富に含まれています。ビタミンと聞くと野菜や果物というイメージがありますが、実は魚もビタミンの補給に適しています。

ただし逆にミネラルの栄養価は全体として低いため、別途補給が必要になります。


サンマ

サンマもブリと同様に高蛋白です。特に脂肪の総量はブリよりも多く、必須脂肪酸(ω-3脂肪酸)であるDHAとEPAが豊富に含まれています。更にサンマでは「魚類の中で」は、必須脂肪酸であるα-リノレン酸も豊富で、この点でブリと差別化する事ができます。

ただし必須脂肪酸はいずれも酸化されやすいため、最もオススメなのはやはり寿司です。サンマと言えば「焼き魚」のイメージがありますが、焼いたサンマを食べる場合、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEなどの抗酸化物質を一緒に摂取する必要があります。

その他、ビタミンではビタミンB群(ナイアシン、ビタミンB6、ビタミンB12)とビタミンDが豊富に含まれています。一方、やはりミネラルの栄養価は低いです。


ニシン

ニシンもサンマと同様に高蛋白です。また脂肪の総量は「高脂肪」と言えるほど多い訳ではないですが、その中でもα-リノレン酸とDHAの比率は高くなっています。特にα-リノレン酸の量はブリよりも多いため、その点ではブリと差別化できます。

一方、必須脂肪酸はいずれも酸化されやすいため、効率良く摂取するためには寿司を食べる必要がありますが、残念ながらニシンは生食できません。よってニシンを食べる場合、ビタミンAやビタミンCなどの抗酸化物質を一緒に摂取する事が重要です。

その他、ニシンはブリと同様にビタミンの栄養価が高く、ビタミンB群(ナイアシン、ビタミンB6、ビタミンB12)、ビタミンD、ビタミンEがいずれも豊富に含まれています。そのように必須脂肪酸の量では他の魚類には敵いませんが、ビタミンの栄養価では優れている部分があります。一方、ミネラルの栄養価は他の魚類と同様に低いです。


サバ

サバ(タイセイヨウサバ)も高蛋白です。特に脂肪の総量はブリよりも多く、必須脂肪酸であるEPAとDHAが豊富に含まれています。また魚類の中ではα-リノレン酸も豊富で、その量はサンマよりも多くなっています。

ただしやはりDHAとEPAは酸化されやすいため、最もオススメなのは寿司です。サバと言えばいわゆる「サバ缶(缶詰)」のイメージが強いのですが、サバ缶を食べる場合、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEなどの抗酸化物質を一緒に摂取する必要があります。

その他、サバはビタミンB群(ナイアシン、ビタミンB6、ビタミンB12)やビタミンDも豊富に含まれています。一方、ミネラルの栄養価はやはり低いです。


ウナギ

ウナギも高蛋白です。脂肪の総量はサンマには負けてしまいますが、ニシンよりも多く、かなりの高脂肪です。またα-リノレン酸の量はブリよりも少ないですが、DHAとEPAが豊富に含まれています。

特にウナギでポイントになるのはビタミンの栄養価です。ビタミンではビタミンA(レチノール)、ビタミンB群(ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、パントテン酸、ビタミンB12)、ビタミンD、ビタミンEがいずれも豊富に含まれています。

ミネラルの栄養価は低いため、ミネラルに関しては別途補給が必要ですが、このようにビタミンの栄養価が非常に高く、特にビタミンAとビタミンB1が共に豊富に含まれている魚は他には殆どありません。生食ができないのは残念ですが、ビタミンCを一緒に摂取できれば問題にはなりません。

ただしウナギは希少で高価です。今後、手軽に食べる事ができなくなるかも知れません。


イクラ

イクラはサケ(シャケ)の卵です。あまりイメージがないのですが、実はこのイクラも蛋白質が非常に豊富です。またイクラは高脂肪です。α-リノレン酸の量は少ないですが、DHAやEPAが豊富に含まれています。特にイクラは加熱調理をしないため、他の魚類よりも効率良く摂取できます。

更にイクラはビタミンの栄養価も高く、ビタミンA、ビタミンB群(ビタミンB1、ビタミンB2、葉酸、パントテン酸、ビタミンB12)、ビタミンD、ビタミンEがいずれも豊富に含まれています。一方、ミネラルの栄養価は全体としては高くないのですが、マグネシウムが豊富に含まれています。

ただ、このように非常に栄養価の高いイクラですが、大きな欠点があり、それは「塩分(ナトリウム)が多すぎる」事と「プリン体が多い」という事です。そのためイクラだけで必須脂肪酸やビタミンを摂取しようとすると、高血圧や浮腫、痛風などになってしまいます。

もしイクラを大量に食べる場合、カリウムを豊富に含む植物性の食品を一緒に食べるようにしましょう。また食べる際の量や頻度には十分に注意し、気の向いた時に食べる程度で留めておきましょう。


アンコウの肝

アンコウは白身魚の一種で、「身」の栄養価はあまり期待できません。一方、アンコウの肝は非常に高脂肪で、必須脂肪酸であるDHAとEPAが豊富に含まれています。またDHAやEPAほどではありませんが、α-リノレン酸も魚類の中では豊富です。尚、蛋白質も含まれていますが、「高蛋白」と言えるほどには多くありません。

この他、アンコウの肝はビタミンの栄養価も高く、ビタミンA(レチノール)、ビタミンB群(ビタミンB2、ナイアシン、葉酸、ビタミンB12)、ビタミンD、ビタミンEビタミンKがいずれも豊富に含まれています。ちなみにミネラルの栄養価は銅が豊富という情報はありますが、全体としては低いようです。

特に脂溶性ビタミンは全てが突出して多く含まれ、しかも脂溶性ビタミンの吸収を促す脂肪も豊富なため、他の魚類よりも効率良く摂取する事ができます。必須脂肪酸の摂取を考えると、生食ができない点は残念ですが、ビタミンCを摂取できれば問題にはなりません。

一方、アンコウの肝はあまりに脂溶性ビタミンが豊富なため、過剰摂取のリスクがあります。毎日食べる事はできないでしょう。特に脂溶性ビタミンは体に長期間留めておく事ができ、必要量も多くないので、気の向いた時に食べる程度で十分です。


ハマチ

寿司ネタとして認知されているハマチですが、これも高蛋白な魚です。

またサンマには及ばないものの、脂肪の総量も多く、必須脂肪酸であるEPAとDHAが共に豊富に含まれています。尚、ハマチは成長する事でブリになりますが、ブリよりも脂肪の量が多くなっています。

またミネラルの栄養価は全体として低いですが、ビタミンではビタミンB群(ナイアシン、ビタミンB6、ビタミンB12)、ビタミンD、ビタミンEがいずれも豊富に含まれています。

手軽に食べる事ができるという点ではハマチもオススメです。マグロのトロよりも安価ですからね。


マグロ(トロ)

マグロのトロも高蛋白、かつかなりの高脂肪で、必須脂肪酸であるDHAとEPAが共に豊富に含まれています。

またミネラルはあまり期待できませんが、ビタミンではビタミンA(レチノール)、ナイアシン、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンDをいずれも豊富に含んでいます。トロと言えば必須脂肪酸のイメージですが、実はこのようにビタミンの栄養価もかなり高いのです。

一方、マグロは食物連鎖の上位に位置しているため、人体にとって不要な物質、及び有害な物質(重金属など)が濃縮されている場合があります。またこの問題は赤身でもあるのですが、特にトロでは問題が大きくなるようです。そのため毎日食べる事はできません。妊娠中や授乳中は避けた方が良いと思われます。

まぁそもそもトロは高価なので、毎日食べるようなものではありません。気の向いた時に食べれば十分でしょう。


クジラ(本皮)

クジラの本皮は皮と赤身の間の脂身の事です。

本皮は蛋白質はそれなりですが、かなりの高脂肪であり、必須脂肪酸であるDHAとEPAが豊富に含まれています。一方、ビタミンやミネラルの栄養価は全体としてはかなり低く、唯一ビタミンEだけが豊富に含まれています。

尚、マグロのトロと同様に、このクジラの本皮も、やはり生物濃縮の問題があります。特にその問題はマグロ以上、及びクジラの赤身以上に大きいため、当然毎日食べる事はできないでしょう。


キチジ

聞いた事のない名前かもしれませんが、キチジは北海道や東北では高級魚として扱われています。私もまだ一度も食べた事がありません。

そんなキチジ、蛋白質はそれなりですが、かなり高脂肪な魚です。特に脂肪の総量はサンマやサバには劣るものの、ウナギやハマチよりは豊富で、必須脂肪酸であるDHAとEPAが豊富に含まれています。

一方、ミネラルの栄養価は全体として低いです。またビタミンでは、魚類は全体としてビタミンB群が豊富なものが多いのですが、キチジはビタミンB群も少なく、ビタミンDとビタミンEが豊富という点以外に特徴はありません。


その他・必須脂肪酸を豊富に含む魚類

その他で必須脂肪酸を豊富に含む魚としては、例えばヤツメウナギ、マイワシ、メザシ、タチウオ、ニジマス、ムロアジなどが挙げられます。

ただ、これらは私が聞いた事のある名前だけです。脂肪が豊富に含まれている大抵の魚なら、必須脂肪酸も豊富に含まれているはずです。


尚、繰り返しになりますが、必須脂肪酸は酸化されやすいです。よって共通事項として、魚は「寿司」が最も効率の良い食べ方になります。しかし中には生食ができないものもあるため、その場合はビタミンAやビタミンCなどの抗酸化物質を一緒に摂取する必要があります。

またイクラなどの塩分が気になる場合、カリウムを摂取する必要もあります。更に魚はミネラルでは欠けている部分が多いです。

ビタミンAとビタミンCの摂取にオススメの食品としては、例えばニンジン、小松菜、ホウレン草、赤・黄色ピーマン、ブロッコリー、芽キャベツ、モロヘイヤ、柿、キウイ、イチゴ、ジャガイモ、カボチャなどがあります。

一方、ミネラルではキクラゲ・シイタケ、チーズ・納豆・アーモンド・ピーナッツ・カシューナッツ・ゴマ(いずれも高脂肪)、ワカメ・コンブ・アオサ・ヒジキ(いずれも塩分は多い)などが挙げられます。前述した魚を食べる場合、これらも一緒に食べると良いでしょう。


高脂肪な魚を食べたら太るのでは・・・?

これは過去の記事にも書きましたが、自分が1日で消費するエネルギーの量(基礎代謝+運動量)を見極め、それに見合ったエネルギーを摂取していれば、脂肪がどんどん蓄積していく事はありません。その意味では、必ずしも「低脂肪」である必要はない訳です。

特に脂肪は筋肉を維持・成長させるためのエネルギーとして非常に重要です。それを極端に制限していては、いくら運動をしても筋肉が落ち、基礎代謝も低下、ますます脂肪が蓄積しやすくなってしまいます。

また筋肉に限らず、必須脂肪酸は「必須」という字の如く、生命活動を維持していく上でなくてはならない栄養素です。最低限の必須脂肪酸は摂取できるよう、これらの魚はなるべく避けず、定期的に食べる事を強くオススメします。



以上です。お役に立てれば幸いです。尚、低脂肪な肉についてはこちら→『ダイエット・減量中にオススメの「低脂肪な肉類」まとめ

この記事が参加している募集

私のイチオシ

「サポート」とはチップのようなものみたいです。頂いたチップは食品やサプリメントなどの検証に活用させていただき、後日記事にしたいと思います。