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私が出逢ったツインソウル・魂の伴侶‐8‐

ツインソウル 魂の伴侶である彼との出会いから現在までを書き綴っています。

彼との再会の場となった2017年12月の忘年会。

仲間の配慮で、わたしは彼の隣に座ることができた。(みんな私が昔彼の大ファンだったことを知っていたから)

7名くらいの最低限の人数での会で、初めのうちはみんなで近況を報告しながらワイワイ楽しく話していた。

やがて誰かがカラオケを歌い始め、さらに砕けた和やかな雰囲気になり、彼もリラックスしてきたタイミングを見計らって、わたしはこう切り出した。

「もし、嫌じゃなかったら、この20数年何があったのか聞いてもいい?話したく無いことは話さなくていいから」

彼は、「全然構わないよ」と快く答えてくれた。

そして、連絡が取れなくなった頃から病気で倒れるまでの間にどんなことがあり、どんな過ごし方をしていたのかゆっくりと順を追って話してくれた。

(まだ記憶が曖昧な部分が多かったが)

段々と空白の時間が埋まって行くような嬉しさを私は感じると同時に、彼の病気、特にPTSDの症状が心配で、自分は今心理セラピストをやっているから何かあれば何でも相談してね、と彼に伝えたのだった。

その時の彼は、少し関心を持った程度、という反応だったと思う。
私も具体的に何をしてあげられるかと言った話もしなかった。

ただ、やはり心配だし、長年の念願が叶ってようやく会えたのだから、力になりたいと思っていることだけ伝えたかった。

そのうち私は先に帰ることになり、また近いうちに会いましょうとお互いの連絡先を交換してその日は別れた。

わたしはこの時は無心で、自己の利益を考えるようなことは一切なかったと思う。
彼と個人的なつながりを持ちたい、とか、お付き合いをしたいとか、やっぱり好きだったとか、そんな気持ちは一つも沸いてこなかった。
ただ、彼の様子が昔と違うということを直感的に感じ、あれほど元気で再会することを願い、夢見ていたのに、それが現実になるとこれほどまでに現実感がないのか、と拍子抜けした気持ちのほうが正直大きかった。


でも、わたしの全く知らないところで、気づかないところで、彼には彼の気持ちがあったらしい。

「この子はどうしてこんなに自分のことを親身に心配してくれるのだろう?」

という疑問から始まり、

「何故か自分も安心してこの子には話しが出来る」

と感じ、

「誰かに話したいなんて思ったのは何年ぶりだろう?」

「また会いたい」と思うようになったという。

(「この子」というのは本当に彼が使っていた表現(笑)
初めのうちは、やはりわたしはあの頃の高校生のイメージだったのだろう)

ふたりとも歳をとって、53歳と65歳になっていて、外見だけ見れば立派な中年女性と初老の男性であるのは間違いないのに、内面ではまるで時が進んでいないかのような感覚をお互いに感じていたのは確かだと思う。

だからこそ、わたしは直感的に、今の彼の姿に違和感を覚えたのかもしれない。

その忘年会の後、彼は仲間に誘われて、ライブハウス時代からプロになった後輩たちのライブに2回ほど顔を出したけれど、てっきりわたしも来ていると思って行ったのにいなくて凄くガッカリしたのだそうだ。

年が明けて、2018年2月。

仲間のライブがあり、わたしは友人と会場の店に向かっていたら、途中の道で偶然彼と遭遇したことがあった。

その時、彼は軽く微笑んで、何も言わずにわたしに向かって両手を広げて見せ、わたしも何の抵抗もなく、彼をハグした。でも、内心では「どうしたのかな?こんなことする人じゃなかったよね??」と不思議に感じていた。

そして4月。

仲間のバースデーお祝いライブがあり、彼はわたしに会えることを期待して、体調がすぐれない中無理をしてやって来ていた。

わたしは彼より少し遅れてその店に入って行った。でもすでに彼の近くの席は空いておらず、別々の席に座るしかなかった。

ライブが終わると、体調の悪さに彼はすぐに帰ってしまい、一言も話せないまま・・・

後になって聞かされたのは、2月のライブで久しぶりにわたしに会えて嬉しかった、だから思わずハグしたくなった、ということ、

そして4月のライブの時、店の入り口から入って来た私を見て、その姿にハッキリと「女性」を感じたということ・・・

その時、もうすでに彼の心の中では、私は高校生の「あの子」ではなく、53歳のひとりの女性として存在し始めていたのだ。

無心で無欲で彼の回復だけを願っていたわたしと、

わたしを女性として意識し出した彼。

この時点ではまだまだふたりの意識には大きな違いがあったのだった。


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