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司法試験

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記事一覧

(閲覧注意)【解説】令和5年司法試験刑法

(閲覧注意)【解説】令和5年司法試験刑法

設問1 特殊詐欺の実行の着手時期の問題。小問(1) 「実行の着手」の一般的見解からの説明

実質的客観説から説明することが求められる。

すなわち、①構成要件的結果発生の現実的危険性、及び②構成要件該当行為に対する密接性という2つの観点から検討することが第1に考えられる。

(なお、樋口亮介教授らが提唱する進捗度説による総合考慮型の検討をすることも妨げられないが、通説化してはおらず、適切に当てはめ

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未遂犯論と不能犯論の位置付け

(結論だけ知りたい人は、最後に図示したものをご覧ください)

1 不能犯論の問題点

 不能犯論は落としやすい論点の一つです。

 不能犯とは、たとえば、甲がベッドの中にいるVを殺そうと思いV宅に侵入し銃を発射したが、実はベッドの中にはいなかったという場合に、未遂犯の成立を肯定できるかという問題です。

 つまり、行為者がある犯罪の結果を発生させようと思ったが、結果を発生のための基礎事情について犯

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刑法総論を「1分」ででっち上げる方法

こんにちは。

今回は刑法総論を「1分」ででっち上げる方法についてお話ししたいと思いました。

私は、LSや予備校などで刑法総論でつまずく受験生をたくさん見てきました。それもたくさん基本書を読んだり問題を解いたりしている学生が多いのです
一方、私はというと、刑法総論の勉強ははっきり言ってほとんどしてません。
だからと言って、刑法はLSでずっとA+でしたし、予備試験の成績も良かったです。

なぜ、今

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令和元年司法試験憲法 答案

R1司法試験憲法・答案

1 規制①の合憲性について
(1)規制①は、虚偽表現の自由を規制している。ここで、虚偽の事実を表現する行為(以下、「虚偽表現行為」とする)が憲法21条1項により「表現の自由」として保障されるか問題となる。
 表現の自由の保障根拠は議会制民主主義社会における自由な討議を可能なものとする必要不可欠なものとして厚く保障される。そして、表現の自由が保障された社会においては表現市場

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論証集を使うべきか・どう使うか

こんにちは、○ナオです。今回の記事では論証集を使うべきか・使うとすればどう使うかという点について解説したいと思います。

■論証集を使うべきか結論から言うと、論証集は使うべきです。
なぜかというと、司法試験が相対評価の試験であり、受験生の多くが論証集を利用しているからです。

そして、多くの受験生は論証集を司法試験の試験を受験する上での知識のベースラインとしての役割を見出しています。そして、実際に

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予備試験口述試験ガイド

こんにちは。

今日は予備試験の口述試験の流れについて説明しようと思います。

自分はこれを書いてる令和3年度に受けたのですが、当日の流れなどの情報が入ってこず困った経験があるので、この記事を作成しようと思いました。

この記事では、最初に口述試験本番の流れを書いて、その後に論文の合格発表からの流れをを書きたいと思います。

■口述試験本番の流れ令和3年度は、論文の合格発表が10/7(木)の16:

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令和2年司法試験【憲法】雑感(再現答案分析アリ)

令和2年司法試験憲法の問題を読んである程度考えてみたのでメモのように記そうと思います。

(2021.10.1 ぶんせき本掲載の再現答案の要点抽出と分析を追記)

■事案事案はものすごく簡単にいうと、規制①は地域の路線バス(生活路線バス)の経営の安定を図るために、高速路線バスは生活路線バスの運営者のみ運営することができるようにし、かつ、高速路線バスを許可制にする、という業界保護立法をするというのが

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