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刑法総論を「1分」ででっち上げる方法

こんにちは。

今回は刑法総論を「1分」ででっち上げる方法についてお話ししたいと思いました。

私は、LSや予備校などで刑法総論でつまずく受験生をたくさん見てきました。それもたくさん基本書を読んだり問題を解いたりしている学生が多いのです
一方、私はというと、刑法総論の勉強ははっきり言ってほとんどしてません。
だからと言って、刑法はLSでずっとA+でしたし、予備試験の成績も良かったです。

なぜ、今回、このような、ちょっと「うさん臭い」タイトルの記事を書こうと思ったからかというと、刑法総論に時間をかけるのが勿体無い、と常々思っているからです。

そこで、今回は刑法総論を速攻ででっち上げれる極意を伝授しようと思います。


■刑法総論を秒速でっち上げる


さっそく本題に入りましょう。

「共同正犯の要件は①共謀、②共謀に基づく実行行為である」

この一文だけ覚えてください。そして答案に書いてください。


以上です。これだけで刑法総論は98%ぐらいは分かったようなものです。

なぜなら、刑法総論の問題=共同正犯の問題だからです。

そして、共同正犯であることさえ認定できれば、あとはほぼ刑法各論の問題です。
(当てはめ方は①共謀の要件の中で①'意思連絡と②'正犯意思、②「基づく」の要件中で共謀と実行行為に因果性があること(=因果関係があること)を認定してください。それだけです。)


なので、初学者でも中級者でも刑法総論の学習に時間をかけるのは意味ないです。以上です。
あとは刑法各論の問題をとりあえずいっぱい勉強してください

(以上の要件は、実行共同正犯と共謀共同正犯を区別せずに、全ての共同正犯=共謀共同正犯という理解にたってます(実務的におそらく有力な考え方)が、2025年ぐらいまでは試験的にはこれで何の問題もないです。規範を立てる前に理由づけも書かなくてOKです(自明なので)。)

その他の刑法総論の問題は刑法各論をやる前にまともに勉強する必要がないです。
理由はほとんどの人ができないからと、総論の出題頻度は共同正犯の要件論: その他=9:1 だからです。あと、リーガルマインドででっち上げやすいからです。
なので、とりあえず上の要件だけでっち上げておいて刑法各論に時間を割いてあとで問題演習とかのときにさらっておけば大丈夫です。


■以下、その他の総論の問題について一言


・因果関係
これを中心に聞く問題はほぼ出ない。出ても危険の現実化で終わり。

・正当防衛
条文に書いてる要件に当てはめるだけで合格レベル。29年判例は覚えておくと稀に役に立つ。

・誤想防衛
ややこしいので真面目に付き合うと時間かなりかかるのに、ほぼ出ない。余裕なければ無視でおk。
(一言説明しておくと、主観が正当防衛の要件を満たしていれば、違法性の認識がないので責任故意が否定され犯罪不成立となる。ただし、主観が過剰防衛の場合は違法性の認識があるので責任故意は阻却されないが、責任減少は認められるので36条2項が準用されて任意的減免ができるようになる。これさえ押さえておけば対応できる。)


・錯誤

構成要件の重なりあいを検討して終わりだからあまり勉強する必要なし。
具体的事実の錯誤は、抽象的法定符号説を書けば済む(字数が勿体無いので、故意責任の本質がうんたら書く必要はない。残念な採点者でない限り書かなくても減点されない。)
抽象的事実の錯誤の場合は、行為態様の共通性や保護法益の共通性(類似性も含む)が構成要件の重なり合いの考慮基準になる。

・過失
出ないので勉強しない。余裕があったら勉強してください。予見義務と結果回避義務検討すればいいだけ。

・未遂犯
実質的客観説に当てはめればおk。共同正犯よりは圧倒的に出ない。
クロロホルムっぽい判例がでたら、「実行の着手は、構成要件的結果発生の現実的危険性を有する行為に認められ、(着手という文言から)実行行為本体に密接な行為も含む」という規範をそのまま書いてください(これも実質的客観説となんら変わりありません)。そして、当てはめでクロロホルムが考慮した犯行計画や特段の障害の存在などを使用してください。

・不能犯
具体的危険説に当てはめればok。共同正犯よりは圧倒的に出ない。

・中止犯
条文の要件に当てはめとけばok。規範は覚えてなくともなんとかなる。ほぼ出ない。

・共犯の離脱
共同正犯よりは圧倒的に出ない。現在の議論水準では因果性が遮断されているかどうかで判断するのが定石。

・承継的共同正犯
出ない。勉強してもわからないので無視。出たら積極的利用の基準を使ってください(判例から財産犯では認められますが、傷害罪では承継的共同正犯は認めるのは危険です)。

・罪数
キホン全部併合罪で、手段・目的なら牽連犯(ほぼ住居侵入・窃盗)、行為が1つなら観念的競合(行為は一つだけど観念的には犯罪が競合してるから観念的競合)。観念的競合や牽連犯にはできないけど意思や被害法益の同一性から併合罪だと不相当な場合は包括一罪にすることがたまにある。保護法益が一方が他方に包摂されているなら「吸収」という処理をすることがある。


以上です!

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