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亜熱帯のさなか

50
書いた詩を ここにまとめています。 若いころに書いた詩なんかも、織り交ぜながら 記憶を どこかに メモするように 細々と 書いています。
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#孤独

夢うつつ

遠くなって行く意識
深くて
浅い眠りに
夜通し やるせなくなって

軒先に 垂れる
雨音が

ぽつりぽつりと

音が 混じり合う
優しい 調べ

なのに わたしは

取り入れ忘れた
洗濯物を 思っている
ベッドに もぐりこみながら

ただただ
独りで過ごす時間の
長いことに
圧倒されている
#詩 #詩作#詩を書く#ポエム#記憶#孤独

あの岬の向こうに

あの岬の向こうに
何があるのか
知りたくて 知りたくて

だけど
あの岬の向こうに
行く勇気が出なくて

時間が
たっぷり 経ってしまった

僕等は
何に ためらっていたのだろう

灯台のある岬を
荒れ果てる海を
絵に書いた

僕等は
夏休みの宿題に

行った事もなければ
見たこともない
あの岬を

そして
その向こうを

僕等は
絵に書いた

どうしようもない
もどかしさ

幾重にも もつれ合う

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あの時 猫がいた

芽吹く季節の変わり目

あの時
猫がいた

孤独の裏側
あなたに

幸せの絶頂にいる
あなたに

羨ましさが募る

いや 違う
嫉妬に似た安堵感

わたしはとうとう
逃げ場をなくした

猫がいた
緑に囲まれた 記憶の断片

思いおこすことでしか
あなたに 逢えない

猫がいた

思いおこすことさえ
許されない

あなたは
誰かのものになった

猫がいた
あの時

芽吹く季節の変わり目

たしかに

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孤独

宇宙の広さを知ってる

近くにある
まぶたの奥

全部
うそっぱち

あなたも
あの人も

宇宙の広さは
時として
自由を奪う

ひとりごちる
計れない 時間の長さ

闇を生む
宇宙の片隅に
寄る辺なく
力つきるわたしを

賛美歌が
駆け巡る

行かなければならない場所は
この 宇宙のどこにあるのだろう
まぶたの奥
すぐ そばの気もするけど

わからなくて
日々のささやかな積み重ねを
震えるほど

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