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スシだけでなくピザも食べよう 「ピザ・カリフォルニア」からニンジャをつまむ

皆さんはニンジャ、サイバーパンクと聞くと薄暗いネオン光に照らされながら安いスシを食している風景を思い浮かべるのではないでしょうか?実際、ニンジャスレイヤー作中世界観の食はおおむねそのようなイメージに則しています。ニンジャヘッズのツイート群に「マグ...いや、タマゴだ」「スシが効く」「……スシが……浮かんでいる」などの文言がしばしば含まれているのも見かけたことがあると思います。

しかし、魚が苦手な人はスシや魚介エキス、魚を食べることによる知能指数上昇効果を謳ったプロパガンダCMに辟易してしまい、物語に感情移入できないといったことがあるやも知れません。それではよくないので魚を連想させない何か別の要素をクッションにして物語に入り込んでみましょう。そう、スシがだめならピザを食べればいいのです。ニンジャスレイヤーにはスシ調理や海産物をテーマにしたエピソードだけでなく「ピザ・カリフォルニア」というピザをとことん重点したお話があります。さらにこれはごく短い短編なのでニンジャアトモスフィアのつまみ食いに適しているのです。文字通り深夜にピザをもぐもぐする感覚で読むことができます。

では本話の紹介に移りますが皆さんはタイトルを聞いて何かを思い出したやも知れません。そう、何を隠そうこの「ピザ・カリフォルニア」は宅配ピザで有名なピザ・カリフォルニア社とのコラボ小説なのです。(ニンジャスレイヤーはコラボレーションにも意欲的です)皆さんの食を支えるピザチェーン店の公式Twitterアカウントでニンジャ活劇が連載され、さらにその公式サイトに小説全文が掲載されている事実。これだけでもニンジャスレイヤーが現代日本の日常に溶け込んでいてなんら恐れる必要のない存在であるとわかりましたね。

閑話休題。このお話はそれはもう激しくチーズとトマトソースの芳醇な香りがむせ返っています。味の面だけでなくネオサイタマ市民が和気藹々とピザを囲み、舌鼓を打つ風景が描かれておりなんだか満たされた気持ちになるでしょう。



すっげ…トマト!詳細はわかりませんがこれはマルゲリータの可能性があります。マルゲリータは決してただの具無しピザではなく濃厚なチーズがトマトの汁の酸味で蕩けたかんじになって美味さが半端ないのです。


だがしかし、邪悪なニンジャの魔の手が迫り、ピザを食べること叶わぬ非ニンジャの一般市民...デスソーサー(辛そうだ)の人知を超えたカラテとジツの恐怖...そこに嵐の如く現れるニンジャを殺す者......。あまり注目されませんがこのお話、ピザの美味しさだけでなく典型的な起承ニンジャ結、非ニンジャの足掻きといったニンジャスレイヤーの基本要素が無駄なくまとまっていて全く未読のニュービーが入門するのにも適しているほどとっつきやすいのです。

いかがでしょうか?ピザを通して物語に入りこめばあなたはやがてシーフードが4種乗ったピザにも食指が動き、魚介類への嫌悪感が薄れ、イカケバブやネギトロ溢れるネオサイタマにも没入できるようになるのではないでしょうか?さあ、パンクスが無事にピザを食べられたかどうかをビールとピザ片手に見守ってみようじゃありませんか。

http://www.ninjaslayer-animation.com/pizza-california/


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