見出し画像

私も私なりに成長している。

最近、ふと気づいたことがある。

「○○をやる・する」と言い切れるようになったことだ。


これまで私は何か目標を立てるとき、「○○したい」「○○みたいになりたい」と言うのが口グセだった。

でもここ数ヶ月の私は、「○○する」と断定できるようになった。(無意識のときも、意識的に言い換えるときもある)

「○○したい」という表現は、間違っていないしダメでもない。でも、せっかく掲げた目標が”願望”や”憧れ”のままで終わってしまう気がして、不安を感じるようになったのだ。


「○○する」と言えるようになったきっかけが何だったか考えてみると、作家・宮下奈都さんの小説『太陽のパスタ、豆のスープ』であったと思う。

主人公・明日羽(あすわ)は、結婚直前で婚約破棄されてしまう。そんなとき、天真爛漫な叔母・六花(ロッカ)さんに、「ドリフターズ・リスト(やりたいことリスト)」を書いてみるといいとすすめられる。半信半疑ながらもリストを書き始めた明日羽だったが、リストの内容を実践したり、周りの人の考え方に触れたりするうちに、自分のこれまでとこれからの生き方・在り方を見出していく、という物語。

物語の中で明日羽はリストを書くのだが、その書き方をロッカさんは褒めてくれる。『明日羽は最初から「○○したい」じゃなくて、「○○する」と言い切ったね』と。


小説を読んだのは5年くらい前。そのときの私は、「明日羽はすごいなあ…私にはできないだろうな」と思えてならなかった。

でも、「○○する」と言い切る話の一節が心の奥にずっと残っていた。だから、数年経った今になって、ようやく「○○する」を言えるようになったんじゃないかな。

まだまだ足りない部分も至らない部分もあるけれど、「○○する」を言えるようになってから、心なしか前向きの思考ができるようになった。周りと自分を必要以上に比較すること、勝手に優劣をつけて落ち込むことが、少なくなった。「言霊」ってすごいパワーの持ち主なのだと、改めて実感している。


ふと気づいたことは他にもある。

自己啓発本や「あなたのままで大丈夫」といった、勇気づけたり悩みに寄り添ったりしてくれるメンタル系の本をほとんど読まなくなったこと。

もちろん、こういう系統の本についても、好きで読んでいる人のことも否定しているわけではなくて。本屋さんで見かけたときには、「素敵な言葉だな」「理想の考え方だな」と感じる。

ただ、今の自分は「これらの本に頼らなくても生きていける」と断定できるから読まなくなった。

本に勇気づけてもらわなくても、私自身が私の背中を押せる。落ち込んだりネガティブになったりしても、自分で心のバランスをとって立ち上がれる。自分の心の”軸”となる部分が整ってきたように思うのだ。23歳になってようやく、芯の強さを身につけ始めた。


偉そうなこと言っているけれど、これから先、立ち直れないくらいにポキッと心が折れることもあるだろう。そのときはきっとまた、本や音楽に頼ってパワーをもらう。だからそれまでは、「○○する」と言い切る言霊の力と、転んでも自分自身で起き上がれるようになった”軸”を頼りに、一歩ずつ歩んでみよう。


長々と書いてしまった。

人の何倍も物事を飲み込むのに時間がかかる。遠回りも長い休憩もする。そんな私でも、私なりのペースでゆっくりのんびりと心は成長している、と感じた瞬間だった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?