文献紹介等(Salt)

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    教皇フランシスコとマルコ・ポッツア著 『CREDO』の解説(4)

                      阿部仲麻呂         (東京カトリック神学院教授、サレジオ会司祭) 今回が『CREDO』の解説の最終回です。ミサの中で毎回唱えながら、深い意味を考えたことのない『CREDO』が身近なものになる解説です。最後までお読み下さりありがとうございました。(Salt編集部) はじめに  古来より伝わる「使徒信条」という祈り(毎週のミサの中で唱える信仰宣言の祈り)の言葉は8つの段落で成り立っています。最初の3つの段落は神への信頼を表明する

      • 教皇フランシスコとマルコ・ポッツア著『CREDO』の解説(3)                   阿部仲麻呂(東京カトリック神学院教授、サレジオ会司祭)

        はじめに  古来より伝わる「使徒信条」という祈り(毎週のミサの中で唱える信仰宣言の祈り)の言葉は8つの段落で成り立っています。最初の3つの段落は神への信頼を表明するためのものです。次の5つの段落は人間にとって重要な願い(救いへの希求)を捧げています。 一般人もキリスト者も相手との関係性によって生きます。あらゆる人間にとって重要な願いは、①共同体に迎え入れられて温められること、➁すでに亡くなった恩人や親族との絆を末永く保ちたいという望み、➂人を傷つけた哀しみを償って関係性を

        • 教皇フランシスコとマルコ・ポッツア著『CREDO』の解説(2)                   阿部仲麻呂(東京カトリック神学院教授、サレジオ会司祭)

          ■聖霊を信じます *対話3 聖霊を信じます(「使徒信条」第三段落) *講話3 一致団結をもたらす聖霊  まず、「使徒信条」第三段落についてながめます。マルコ・ポッツア師は教皇フランシスコに対して、「聖霊」の働きについて、たくさんの質問を投げかけています。教皇は「調和をもたらす専門家としての聖霊の働き」または「あらゆる人を調和させて美しいオーケストラの演奏を実現する指揮者」としての性質を徹底的に強調しています。しかも聖霊は「神の徹底的なへりくだりの姿」を現しています。御自身の愛

          • 教皇フランシスコとマルコ・ポッツア著『CREDO』の解説(1)                 阿部仲麻呂(東京カトリック神学院教授、サレジオ会司祭)

            はじめに イタリアのパドヴァ教区の司祭マルコ・ポッツァ師は、これまで教皇フランシスコに三回以上インタビューしています。つまり『主の祈り』、『天使祝詞』、『使徒信条』という主題での語り合いをしてから単行本化しています。他にも『十字架の道行き』や『徳のある生き方』についてのインタビュー記録も書籍化されました。今回は、『使徒信条』という単行本をあなたに紹介しましょう。ちょうど、筆者は、2022年1月に、教皇フランシスコとマルコ・ポッツァ著『CREDO』という邦訳版をドン・ボスコ社か