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絵本「いとしの犬 ハチ」

今年もあと2カ月、そして3週間後は待降節です。

待降節はイエス様の御降誕を待つ4週間。この4週間は、クリスマスが待ち遠しいです。子どもの頃は学校のクリスマス会で上級生が演じる聖劇やクリスマス会後にもらえるクリスマスのバターケーキ、25日の朝に枕元に置いてあるクリスマスプレゼントが楽しみでした。大人になった今でも、「あと何日でクリスマスかなあ」とわくわくします。4週間待つからこそ、クリスマスを迎える喜びはとても大きいのです。

「待つ」と聞くと、私はある犬を思い出します。それは渋谷駅で飼い主を待つ犬、ハチです。

いもとようこ「いとしの犬 ハチ」講談社、2009年

飼い主である「先生」に、沢山の愛をもらったハチ。先生が急死した後、約10年間、渋谷駅で先生の返りを毎日待ち続けます。待ち続けられたのは、「大好きな先生が帰ってくる」と信じていたから、そして愛し、愛された思い出があったからだと思います。
待降節の期間中、低学年の児童と絵本「いとしの犬 ハチ」を読みます。「わくわくした気持ちで待つこと」だけではなく、「信じて待つこと」も知ってほしいからです。渋谷駅でハチ公像がある意味を知らなかった児童達は、ハチの物語に驚いたり、涙を流したりする子もいます(私も朗読しながら泣きます)。
今年も待降節が近づいてきました。ハチのように、愛された思い出を忘れずに、イエス様の誕生を待ちたいなと思います。

昨年の中3の宗教の授業で「待降節の期間はハチを思い出すんですよねえ」と、さらっと話したら女子生徒がツユさんという歌い手の「忠犬ハチ MV」YouTubeの動画をおすすめしてくれました。こちらもおすすめします。
https://youtu.be/G5HKY-vM_6g?si=xmh2HcldShQ9Ogjk

才間郁(光塩女子学院初等科、聖セシリア小学校・女子中学校 宗教科非常勤講師)

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