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絵本「3本の木」

この絵本には3本の木が登場します。
3本の木にはそれぞれ夢がありました。
1番目の木は「宝箱」になること。
2番目の木は「大きな船」になること。
そして3番目の木は「一番背が高くて、山にずっと立っている木」になること。
ある日、木こりが3本の木を切ってしまいます。さて、この3本の木はどうなるのか…

アンジェラ・エルウェル・ハント「3本の木」いのちのことば社

https://www.gospelshop.jp/shopdetail/000000015081/

宗教の時間ではこの本を読む前に
「『こうなりたかったのに、なれなかった』経験はありますか。」と発問します。

児童達は色々なことを話してくれます。
「勉強したのに、テストで良い点が取れなかった。」
「兄弟姉妹がほしかったのに、一人っ子だった。」
「ペットのうさぎとずっと一緒にいたかったのに、死んじゃった。」
「運動会のリレーの選手になりたかったのに、なれなかった。」

そして、私もこう話します。
「警察官になりたかったのに、身長が足りなくて、警察官にはなれなかった。」

児童は「えー、でも今は宗教の先生でしょう。」「今から警察官になれば良いよ!」と色々お話ししてくれますが、「別のお仕事に就いたけれど、今は宗教の先生でよかったなあ。」と伝えています。

こんなやりとりをしてから、絵本「3本の木」を読みます。
「3本の木」も「なりたかったものに、なれなかった」お話です。

1番目の木は「動物のえさ箱(飼い葉桶)」になりました。
ずっと夢見ていた宝箱にはなれませんでした。
そしてある日、ある赤ちゃんがその中に寝かされます。
木は気がつきます。「自分はどんな宝石よりも尊いものを入れる箱」になったことを。

2番目の木は「湖の小さな船」になりました。
ずっと夢見ていた大きな船にはなれませんでした。
そしてある日、ある男性と弟子達がその船に乗ります。その男性は嵐を静めました。
木は気がつきます。「自分は偉大な方を乗せる船」になったことを。

3番目の木は「材木」になりました。
ずっと夢見ていた一番背が高くて、山にずっと立っている木にはなれませんでした。
そしてある日、木は十字架の材料になりました。その十字架を、ある男性が運び、それにつけられて亡くなりました。
木は気がつきます。「人々は自分のことを見て、神を思い出すようになった」になったことを。

「3本の木」は「こうなりたかったのに、なれなかった」。
でも、神様は私達に別の道を与えてくださる、神様には素敵な計画が合ったということをこの本は教えてくれます。

ちなみに…この本を読み終えると、「ねえねえ、男の人ってイエス様の事だよね!?」「全部イエス様に関係のあるものになったよね!よかったね!」と児童達は盛り上がっていました。

才間郁(光塩女子学院初等科、聖セシリア小学校・女子中学校 宗教科非常勤講師)


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