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2023.4.17 中露とアラブの国々が急接近!その思惑は?
今年の2月6日、シリア・トルコ国境で発生したマグニチュード7.8の大地震…。
地震のあった直後は日本でも報道されていましたが、最近はほとんど見かけなくなりました。
しかし、地震から約2ヶ月が経った今も、シリアでは約250万人がテントでの暮らしを余儀なくされていています。
未だ混乱の中にあるシリアですが、最近新たに大きな動きを見せました。
2011年から国交断絶していたサウジアラビアと国交を回復したのです。
一見単なる喜ばしいニュースですが、これはバイデン外交の大失敗です。
今回は、アメリカ離れしていくアラブ諸国に触れて少し書いていこうと思います。
バイデンの大失態 サウジがアメリカ離れした理由
3月23日、国際的に大きなニュースがありました。
先述の通り、サウジアラビアとシリアの関係が修復され、国交を正常化…。
そして、その仲介をロシアが行うと報じられたのです。
3月10日には中国の仲介により、サウジアラビアとイランが国交正常化しています。
サウジの経済力と政治力を支える石油の値段は未だに下がっていません。
サウジの収入は相変わらず莫大です。
この国交正常化を機にアラブの盟主としてサウジの力が、かなり復活してくると思います。
そして、注目しておきたいのは、サウジが全体としてアメリカ離れをしているということです。
バイデンはサウジアラビアを敵視していましたから、当然の結果です。
今回の仲介国からも分かる通り、サウジは今後は中国・ロシア寄りの路線を歩んでいきます。
トランプ時代とは大違いで、世界の有力な国は、どんどんアメリカ離れをしていってしまうということです。
我々にとっては残念ながら、バイデン政権が続けば続くほど、中露を中心とする独裁国家軍の国際的な影響力が強まってしまいます…。
また、そちらの方に、中間的な発展途上国の国が惹かれていくという状況になっていきます。
トランプの意志を継いだのは中露?!
そもそも中東は、イスラム過激派組織(ISIS)が混乱を引き起こしていたわけですが、ISISを本当に大きな勢力にしてしまったのは、イギリスの守旧派でしょう。
キャメロン元英首相やボリス・ジョンソン元英首相らが陰で糸を引いて、ISISに火をつけ中東を撹乱。
これが世界的に非常に大きな悪影響を与えていました。
今回の国交正常化は、シリア・イラン・サウジの戦いを煽っていたこのような勢力が、徐々に弱体化してきているということを示しています。
別の意味で言えば、“トランプなきトランプ外交”が今、中露の手によって
行われてしまっているということです。
トランプはISISを潰すためロシアのプーチンと手を組み、エリアの住み分けを行いながら掃討作戦を進めました。
その結果、ISISをほぼ壊滅状態に追い込むことができました。
アメリカとロシアは、ISISを壊滅させるという共同目標を持っていました。
トランプ外交の方針は、
・シリアのアサド政権は望ましくはないが、それを潰すと更に大混乱を招いてしまうので、アサド政権潰しはしない
・ロシアと協力すれば、中東におけるロシアの存在感を高めることになってしまうが、アメリカにとって第一の敵は中国であるから、ロシアとは部分的に妥協をする
というものです。
しかし、バイデンは中露に国交正常化の仲介役をあっさりと奪われ、サウジのアメリカ離れを引き起こしトランプの外交を全部ぶっ壊してしまったのです。
ウクライナ戦争への影響は…?
今回の件は、ウクライナ戦争にも影響を及ぼすと思います。
“ロシアの仲介”で、サウジとシリアが手打ちをしたということは、アラブの国は、いずれロシアの影響力が中東に戻ってくると考えているということです。
ウクライナ戦争は、ロシアが有利に進めていると見ているのでしょう。
より具体的に言えば、ロシアはウクライナ東部のドネツク州やルガンスク州など、ロシア系住民の多い場所を独立国としてウクライナ政府に承認させ、そして、やがてはロシアの勢力圏に編入していく。
彼らは、ロシアにそれくらいの実力があると踏んでるのではないかと思います。
そしてさらに、現在のヨーロッパ経済危機もロシア有利を助長している一因でもあるのです。
ヨーロッパの経済力が落ちれば、当然ヨーロッパがウクライナを支援する力も衰えていきます。
ウクライナとしては、この戦争を継続させるのがより難しくなるでしょう。
政治と経済が表裏一体となって、ウクライナ戦争の休戦もしくは停戦へと向かっているのではないかと考えます。
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