Photo by ima_doco 【短編小説】夜が見ている 7 京サリ 2022年8月30日 23:48 カーテンの隙間から夜空が顔を覗かせていた。そこに目があるわけないのに確かに目が合った。夜の目は黄色くて、さながら黒猫のようだった。夜空は泣いている自分に問いかけるわけでもなく、かと言って冷たく突き放すわけでもない。ただただそこにいた。話しかけても返事はない。当然だ。夜なのだから。私は泣いた。ただただ泣いた。夜に見守られながら泣いた。泣いてる時に見られるのはあまり好きではないけれど、夜ならまあいいかと思った。優しい夜と共にそのまま朝を迎えた。 ダウンロード copy この記事が参加している募集 #眠れない夜に 69,479件 #夏の思い出 26,379件 #小説 #短編小説 #ショートショート #オリジナル #眠れない夜に #ショートストーリー #夏の思い出 #夜 #フィクション #悲しい 7 サポートしていただくとさらに物語が紡がれます。 記事をサポート