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データを制する者が未来を制す ~ハードウェアありきの時代の終焉~

皆さんこんにちは。
また久しぶりの投稿になってしまいました。
ビジネスマンをやっていると目先の成果に直結しないことを継続するというのはとても難しいですね。
本日も最近読んだ本の紹介をしていきます。

2025年を制覇する破壊的企業
山本康正 著(SB新書)
https://www.amazon.co.jp/2025%E5%B9%B4%E3%82%92%E5%88%B6%E8%A6%87%E3%81%99%E3%82%8B%E7%A0%B4%E5%A3%8A%E7%9A%84%E4%BC%81%E6%A5%AD-SB%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E5%B1%B1%E6%9C%AC%E5%BA%B7%E6%AD%A3/dp/4815607591

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この著書は、
・これから先の未来においてテクノロジーどのように我々の生活やビジネスに影響を与えるのか
・今の仕事、超旧態依然としているけど大丈夫かな・・・?
・GAFAってなんでそんなにすごいの?
ということに興味がある方におすすめです。

要点をまとめると、
①2025年に世界を席巻するであろう11社の取り組み
②ハードウェアメーカーはオワコン
③データを制する者が未来を制す データ資産を活かせる会社のコングロマリット化

に集約されます。

①2025年に世界を席巻するであろう11社の取り組み
皆さんご存知のGAFAを中心とした11社が何を目指し、今何をしているのか。
テスラがディーラーを持たずに100万台を販売し、時価総額がトヨタと並ぶ規模になったという話は以前の投稿でも紹介しました。
Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft、Netflix、テスラ、インポッシブル・フーズ、ロビンフッド、クラウドストライク、ショッピファイ
この11社が2025年の世界を席巻するであろうと書かれています。

皆さんご存知でしたか?
GAFA4社の時価総額が日本の全上場企業3860社とほぼ同じということを。
たった4社が日本の上場企業4000社が束になって挑んでも敵わないのです。
NetflixやMicrosoftを加えたビッグテックでくくるともう勝てません。

Netflixは顧客の視聴歴から趣味嗜好をデータ化して、近い未来「観る人によって結末が違う作品」を作ろうとしています。
AppleはApple Watchの普及によって心拍数などの膨大な健康情報を収集してヘルスケア分野に進出を考えています。

このように、
テスラって環境に優しい電気自動車のメーカーだよね?
AppleってiPhoneとMacBookのメーカーだよね?
FacebookってSNSの運営会社だよね?
AmazonってECのプラットフォームサービスの会社だよね?
NetflixってHuluやアマゾンプライムビデオみたいな動画配信サービス会社だよね?
と私たちから見えている会社像は間違いではないのですが、実はそれは表面的でしかないことを知ることができます。

②ハードウェアメーカーはオワコン
本書ではハードウェアはUX(ユーザー・エクスペリエンス)を提供するための手段でしかないため、それそのものに価値がなくなってきているということが述べられています。
テレビは情報を見るための1つの手段であり、近年ではパソコンでも、タブレットでも、スマホでも映像で情報を見ることができます。
今や人々は製品そのもののスペックには興味がなく、その製品を通じてどんな体験を得られるかにしか興味がないのです。
自動車でいえば、4WDの6速MTでアルカンターラの内張りが・・・
というよりも、どんな乗り心地で、○○なシーンに最適、運転が苦手な人でも快適にドライブができる、などその製品を通じて得られる体験・喜びを求めているのです。
耐久性や機能美があるかももちろん大事ですが、そのブレインとなるソフトウェアがものすごいスピードで発達しており、中身の半導体をアップデートしないと技術の進歩についていけいないため、結局ハードウェアがどれだけ立派でも使い物にならなくなるのです。
テクノロジーの発展スピードに合わせると約2年で半導体のアップデートが必要になります。
そのため今後多くのハードウェアは、「5年後も使える耐久性を兼ね備えた製品」よりも「2年間は問題なく使える半導体を兼ね備えた製品」であることの方が重要視されるようになります。
ハードウェアありきで性能ばかりを追求していても今後時代の流れに取り残されてしまうと書かれています。
個人的には高い性能の製品を作ることを得意とする日本企業がとても心配・・・

③データを制する者が未来を制す データ資産を活かせる会社のコングロマリット化
今後ビジネスの世界で生き残っていくためにはデータ活用が不可欠です。
資産としてデータを「保有」するだけでは意味がありません。「活用」しなければならないのです。
Googleはユーザー別、属性別に傾向を分析し、調べなくても情報が出るような、検索後の世界から検索前の世界への情報提供をしようとしています。
例えば、Aさんは毎週金曜日の夕方になるとその日に行きたい居酒屋を検索します。すると金曜日の夕方にGoogleブラウザを開くともう既にAさんの現在地周辺でおすすめの居酒屋情報が出ている、といったものです。
AppleはiPhoneやApple Watchから得られるアプリの利用状況、デバイスを通じた利用時間や何を見ているか、心拍数などありとあらゆる生活情報を収集し、Appleありきの生活になるように顧客を囲い込んでいますし、Amazonもスマートスピーカーを始め単なる買い物ではなく生活の一部となって膨大なユーザー情報の収集をしています。
人によっては個人情報を抜き取られているような感覚にもなりますが、そのデータ提供・分析のおかげで確実に便利な生活を得られているのも事実です。
これはユーザーがデータを提供することで、サービスを拡充させ、サブスクリプション型でユーザーがサービスを享受できるからです。
サブスクとリースは全く別物です。
リースはただ貸すだけ。サブスクはユーザーごとに必要十分なサービスを提供することです。
サービスを拡充させたい場合はアップグレード、必要最低限で良い場合はミニマム価格、といった感じです。

このようにデータを収集し、活用することで未来の活路を見出すことができ、逆にデータ活用なしに未来を切り開くことはほぼ不可能である、ということが書かれていました。

世の中や物事を見る視点が変わるかもしれない1冊ですので、
ぜひ読んでみて下さい。
それではまた。

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