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昨今のハードオフ。(2022年1月号)

流浪のリサイクルショップ絵巻、2022年編。

今年もどうぞよしなに。とはいえ新年早々、主宰が放つお正月のハードオフ事情。年末のブラックフライデーに合わせあるいは駆け込みで金策に動いた同志の存在へ思いを馳せながら。昨今コロナ禍という新たなファクターが加わったことによりますます混迷を極めた感のあるリサイクルショップ事情を独断と偏見で掘り下げてまいります。思わぬ掘り出し物、レア商品に期待。

2021年末、同期後輩を交えて堂々の最寄り店舗訪問。ジャンクコーナーから拾い上げたのはYAMAHAのJ-35、後輩ギタリストのお供に迎え入れるべく、試奏へ打って出ましたが惜しくも落選。持ち歩くにはさすがに重い、しかしこの音圧量感がジャンクコーナーに眠っているとは恐るべし。ツマミのガリこそネックですがしかし全然使えちゃいますよこれ。

そして相変わらずドラムコーナーに鎮座し続けている、全面EVANS Calftone装備かつ5万以下という衝撃の逸品。思わず後輩ドラマーに写メを送った。低価格帯ゆえ敬遠されてしまうのか、ジャズキットならではのシンプルな「鳴り」の良さを体感できるモデル。初めてのドラムセットに、是非いかがでしょうか。

新しい年を迎えて、大物新入堂々入荷ですよ。定価3万2千円ハードオフでの販売価格は1万オフの2万2千円半年保証。楽器コーナーとジャンクコーナーの丁度中間地点、曰く「鳴らない鍵盤があります」。ワクワクしますねえ、果たしてこれは箱舟か泥船か。適度な日焼け跡もそそるポイントではあり。はんだ付けでどうにかこうにかやりくりできるはず、と踏みましたが…??

こちらも魅力的。オークション価格を散見するにひょっとすると思わぬ掘り出し物かもわからない、曰く「CD再生できました」「他動作未確認です」。先述のmicroKORGより遥かジャンクコーナー寄り、販売価格5,500円。ううむ非常に難しいところ。自宅で簡単「THREE THE HARDWARE」ごっこするにはもってこい、欲しい方は急げ!場所は秘密ですが!!

定価4万円強、こちら販売価格1万3千円。2021年には見かけなかった新顔で恐らく主宰が多忙を極めた年末年始にこっそり陳列された模様。MPD218の購入を検討していたところ、後輩トラックメイカーからこちらのmidi鍵盤を強くレコメンドしてもらい堂々候補入り。確かに、主宰がDTM活動を本格化させた際にも操作性の手軽さは断然midi鍵に軍配が上がった。

以下、与太話。

長年通ってますと、細かな変化にも気付くようになりまして。いきなり何の話が始まったのか?ズバリ「楽器コーナーの売場面積、若干減ったのでは」論を大胆展開、言い換えれば「おもちゃコーナーが着実に勢力を伸ばしつつある」現実。さながら信長の野望、トレカのショーケースなんかは特にここ数年区画がグングン拡がってきた印象。

すっかり界隈に疎くなりましたが何かポケカや遊戯王、MTGに匹敵するようなコンテンツが登場してきたんでしょうか。近接のトレカショップが昨今のコロナ禍でひっそりと閉店したこともその一因か。例えば老舗レコード店が店じまいする時の拡散度合、波及力とも通ずる。こんなレアものが、こんな値段で。査定価格を絶妙に見誤るのはリサイクルショップの隠れあるある。

「困った時はリサイクルショップへ」。

間口が広く、手軽に大量に持ち込める。主宰がリサイクルショップを愛してやまない理由は例えばこうした特殊事情にこそ凝縮されていて。時代や世相を如実に映し出す、それはコロナ禍とて例外ではない。玩具好きには嬉しい悲鳴でしょうがしかし楽器マニアにとっては辛い状況であります。やっぱり実用的なモノはメルカリとかに流れちゃうんですかねえ。

むしろ「ジャンクコーナーが潤う」という逆転?現象すら起こりつつある。行き場を失った楽器達が半ば廃材として売り出されていて。二重三重に並べられたアンプ類はその典型例、「完動品でこの価格?!」一時ミニマリストを標榜していた主宰も華麗に手のひら返しするほど。こんな時代だからこそリサイクルショップ界隈がにわかに面白い。3月号へ続く。

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