薄墨の桜

ひとひら ひとひら 薄墨に塗って
貴方の誇りを崩してしまいたい
ひらひら ひらひら 桜の花びら
貴方の上面を見抜き 戸を叩く

貴方は何処に行くのでしょうか?
誰にも相手にされなくなった今は
部屋中の隙間 ガムテープで埋めれば 桜に色付く

練炭に火を付けたら ムリやり眠ろう
途中で目覚めなければ 貴方は倖せ
屈託のない笑顔で サヨウナラしたら
薄墨の桜の木に"私"の灰を撒いて
貴方の欠けらを消し去って

ひとひら ひとひら 舞い散る桜の
その色はいつのまにモノクロになり
ひらひら ひらひら 読み違えないさ
貴方の内面の嘘が弧を描く

いつかの台風で折れた樹木
桜並木はもう遠い過去の産物
練炭だけなら信用はないから ノブに紐を巻いた

明日の光を見ずに 希望を絶やして
お粗末なのは 貴方の人生のほうで
羞恥に思われる意味 自虐ネタに生き
薄墨の桜の木に"私"のムダを撒いて
嘘ばかり男を消し去る

ひとひら ひらひら 舞い散る花びら
たとえ色が薄い黒に染められていても

ひとひら ひらひら 貴方の名前が
死亡欄に載っても それは私ではない

明日の光を見ずに 希望を絶やして
お粗末なのは 月と太陽の距離で
この空で両方共 両サイドに在り
薄墨の桜の花びらを桃色にして
"私"の歴史を消し去って

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