ファイト

2018年6月14日 06:59

しめったれた愚痴を吐いて退屈な日々を汚し
わざと水溜りに寝そべりあくびを繰り返す
車通り少ない道でいったい何を待ってた?
タイヤ痕の付いた身体私に似合ってる

ひたむきになれない日陰蔦に絡まる首筋
錆びれた笑顔を繕って朝を迎えられるの?
酔っ払いの秘密の道で暗い世界が広がる
タイヤ痕の付いた身体寝返りも打てない

どんなにファイト叫んでみても
蔑む声に掻き消されるのが通常でも
ファイトって掛け声で駆けれ駆けれ駆けれ
飛ばせ飛ばせ飛ばせ明日が来なくても
陽は私をそれでも照らすからファイト

ビリビリの服の垣根に鞄の中は空っぽ
目が飛び出た私の首の角度がなんか違う
泥で汚れた服のままで息も絶え絶えの私
タイヤ痕の付いた身体街灯も消えてる

車は進入禁止の私の帰り道でも
酔っ払いの秘密の道がそうして出来上がるから
戸籍で載る本名が泣く新聞とテレビの欄
タイヤ痕の付いた身体さっさと燃やしてよ

どれだけファイト繰り返しても
指をさされて嘲笑われる始末なんだろ
ファイトって掛け声に凪いで凪いで凪いで
泣いて泣いて泣いて声が出なくたって
ニュースを飾るのは私の嘘ファイト

明日が辻褄と合わないのはいつも通りで
蹴り飛ばした陰口はけして絶えはしなくても
さっき私は宙を舞ったばかり水溜りに落ちる

嗄れ声ファイト精一杯に
虫の息で切裂(きれぎれ) 最期に見える星空
ファイトって掛け声は二度と二度と二度と
云えぬ云えぬ云えぬ飛び出た目も泪
陽は昇って照らし光らしてはファイト