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中高生から大人におすすめの小説。これ読んで!

こんにちは。
今週は芥川賞・直木賞が発表されましたね。書店も賑わい、このあとは本屋大賞ノミネート作品の発表を待つ嬉しい季節となりました。
今回は、受験シーズンではありますが中高生が楽しめて大人も読んで響く物語をご紹介します。学校の朝読書や移動中などにぜひ読んでみてくださいね。以下は大人の私も人に勧めたくなった印象的な最新推し物語たちです。どうぞ。



これ読んで!小説

でぃすぺる  今村昌弘 著


『屍人荘の殺人』で有名な著者が今回世に出したのはオカルト×ミステリを扱った“若い読者が読みたくなる度MAX”の物語。

6年生のユースケは、学校で壁新聞を作る係。自分の好きなオカルト要素を詰め込みたいと願っている。彼の住む街で起こった事件の謎に迫るユースケと掲示係のみんなは何を目撃するのか。『奥郷町の七不思議』はどう関係するのか。

ネタバレになるから語れないけれど、私のお気に入りポイントは主人公が決してトクベツな存在ではないということ。普通の小学生が、大人とは異なるある種制約のある社会という箱のなかで、もがきながら考える様がいいなと感じました。最近ミステリを読んでいないあなたにおすすめの一冊です。


夜空にひらく いとうみく 著

作者のいとうみくさんといえば、私は読書感想文や中学受験でよく出会う作家さんのイメージがあります。『チキン!』や『天使のにもつ』『朔と新』は知っている方も多いかもしれませんね。そんな いとうみくさんが描いたのは試験観察処分となった鳴海円人と煙火店(花火の製造所)のお話です。

読み進めるうちに“居場所”ってなんだろうと考えたり、それぞれの背景の理由や人との出会いを想い胸が熱くなりました。256ページと読みやすいため、中学生にもおすすめです。これは読んで!と誰かに勧めたくなる作品です。



宙わたる教室 伊与原新 著

『月まで三キロ』『八月の銀の雪』の作者伊与原新さんが綴る青春科学小説『宙わたる教室』。

舞台は定時制高校です。事情も年齢も様々な科学部メンバーはどんな実験に挑戦するのでしょうか。
また、本作も作者の得意分野か冴える伊与原新さんにしか描くことが出来ない唯一無二の作品です。
あきらめない強さや自分自身が大切にしたいことはなにかを考えながら、かみしめる特別な一冊てす。

 

虹の音色が聞こえたら  関口尚 著


1月中旬に行われた高校生の某模試国語現代文に出題され、この作品と出会いました。出たのはお話の少しの部分だから、その続きがあるんです!(あたりまえ)

テストでは主人公の小5の眠人でしたが、なんと彼が大人になるまでが細やかに描かれています。これあの出題シーンだけではもったいないから、あの後がめっちゃいいからぜひ手にして欲しい文庫です。

出題はちょっと。

『虹の音色が聞こえたら』では、三線という沖縄の楽器が登場します。その音色が風にのって心に届きイマの自分とミライの自分の人生を奏でます。読み終えたら三線の音もぜひ検索してみてください。




ここまで中学生から読める推し本をご紹介してきましたが、学生から大人が読んで素晴らしいこのような作品は、上記のように物語文としてテストに出題されることもありますね。読書を沢山楽しんだら、問題文を読むのが楽になって一石二鳥となるかもしれませんね。

そうそう、これは難しい!と感じたのは先日行われた2024年1月共通テスト現代文のこんな言葉の意味を考える問題。

うらぶれた
もっともらしい
やにわに

いやわからんって。やにわにって何?
こうなるとなんとか名探偵さながら文脈から推理するしかない私ですが、その推理をするにしても必死で回答しながら、これは日頃の“読書想像千本ノック”が役に立っているかも?なんて気づきがあった今週でした。





お読みいただきありがとうございました。







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