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​​広告の力でブランド力を高める —雑誌広告を運用する時に大切にすること

​ サクラスでは漫画や小説などのコンテンツ企業から広告運用を受託している。今回はその中でも雑誌広告を運用する際に大切にしていることが何であるのか、5月からインターン入社し、雑誌の私費出版を行なっている私が代表にインタビューを行った。

――今まで広告運用を担当した雑誌の種類と数を教えていただけますか?

 ファッション誌が多いです。数は10〜20誌くらいですね。付録付きの女性誌など雑誌単体だけではないようなものもありました。男性誌よりも女性誌がメインですね。

――では、今までで一番喜ばれた案件は何でしょう?

  一番は難しいですね(笑) 一つ挙げるなら、雑誌のECサイトの支援です。マーケティングの企画から実行までを総合的にサポートして、かけた広告費の6倍くらいの効果が上がっていましたので。

――6倍ですか。すごいですね。

 ECサイトは売上効果がはかりやすいですから。広告面以外の支援もしました。いろんな種類の雑誌を売っているんですけど、雑誌とメーカーとインフルエンサーのコラボした商品とかも扱っていました。

――なるほど、ECサイトならではの強みですね。

ーーでは、単刀直入に聞きますが雑誌広告を打つ際に大切にしていることは何でしょうか?漫画や小説など他のコンテンツと差別化している点があればお聞きしたいです。

 そうですね。漫画や小説の発売が単発・不定期であるのに対して、雑誌は週刊・月刊など継続的・定期的に出版されます。漫画だと巻数が多く雑誌と扱いが変わらないものもありますが、小説というのは大体一冊完結で2巻がないじゃないですか。

 なので、読者と雑誌との関係性が大事なんです。どちらかというとFlow指標よりもStock指標が重要なんですよ。その上で、新規客と既存客を区別して考えていかないといけない。今までに何をしてきたか、今後に何を残していくかを考えていかないといけないんですよ。だからまた、去年あれやったからと今年は何をしようかって具合で時間の流れを考えます。そこが漫画や小説とは結構違うところですね。

 それから一番重要なのは、ブランド価値を意識することですね。今の時代、雑誌は情報よりもブランドに価値があるんです。情報を得るだけならウェブにいくらでもあります。言ってしまえば、紙の塊としての雑誌自体に価値はなくて、メーカーからすると「○○って雑誌に紹介された」とか、タレントさんからすると「××って雑誌の表紙を飾れた」とか、そういうことに価値があるので。

 だからこそ、私たちは広告の力でブランド力を高めていかないといけない。たとえば、働く女性を応援するコンセプトの雑誌があったとすると、そのメッセージをコンテンツの中で発信するだけじゃなくて広告の上でも発信すれば認知度だけじゃなくてブランド価値が高まるわけですよ。漫画の場合は先生の頭の中を忠実に再現するんですけど、そこが雑誌とは違いますよね。雑誌広告を運用する際に重要なのは、広告も作品のうちみたいな部分があるということです。

――広告も作品の世界観を表現する必要があると。サクラスでは広告の力でコンテンツのブランド力を高めることを意識しているんですね。

――では、雑誌広告を打つ媒体はどうやって選んでいるのでしょうか?

 基本は広告を打つ媒体を選ぶときは媒体が持つ個人情報を重視して選ぶんですけど、雑誌の場合はその世界観表現をクリエイティブに応じて行っていかなければいけない。その表現がどこならしやすいのかが重要になってきます。カルチャー誌なら文化批評が盛んなX(旧Twitter)がいいと思います。オーガニック感を出したいのなら加工弱めの写真でインスタを使いますし、長尺の動画を使いたいならスキップされにくいTVerやYouTubeを選びます。使いたいクリエイティブとコンテンツの世界観によって媒体を決めますね。


――なるほど。過去の案件だとどの媒体が多かったですか?

 
 んーそれも難しいです。費用としてはGoogleが多いんですよ。でも、それってすでに知っている人が最後の一押しで買ってくれるって感じなんです。だから、いわゆる広告って感じではなくて。SNSだとインスタグラムが多いですね。画像との相性がいいですから。

――最後に、雑誌の広告を運用する上でサクラスの強みは何ですか?

 コンサル出身だから中長期の効果を見据えて運用できるところですね。たとえば、人事異動で担当者が変わることがあっても、去年どうしてたか一昨年どうしてたかを踏まえて中長期の計画を立てることができます。あまり短期的な広告売り上げを求めているわけではなくて。よりビジネス的な観点からやってますね。

 雑誌というビジネスがどうなっていくのかに興味があります(笑)

ーーありがとうございます。とてもためになるお話でした。僕も今後雑誌を作っていく上でブランド力を高めることを意識しようと思います。

(文/Y.A.)


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