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ちびまあ

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まあの少年時代のエピソードまとめ。 家族同級生先輩後輩先生学校などなど。 喜怒哀楽激しく熱く普通に生きた記憶。 いずれ出版する為のまずはメモ。
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#ふるさとを語ろう

【ちびまあ】謎

#ちびまあ

「遊びに行ってええ?」「いや」

ことごとく誘いを断るひろくん

他の子は「かまんよ」あるいは

「野球せん?」「ゲーセンいかん?」

彼だけは「いや今日は」

彼の脇にはケロイド状の腫れ物があった。
謎の。

思えば彼の好きな歴史も俺的には謎。

今は郷土館の館長として働いているが

それはマジ。

【ちびまあ】セパタクロー

【ちびまあ】セパタクロー

#ちびまあ  休み時間廊下を歩いていたらピン球があった。なんとなくリフティングして遊んでみたものの

サッカー部のK太が声をかけてきた。
『ちょっとやってみ?』
さ、さすが!

『なんしよん?』
卓球部の連中が混ざってきて
そのうち手打ちでラリーを始めた。

俺たちは、90年代の愛媛の田舎の中学生で、
セパタクローをいち早くプレーしていた。

【ちびまあ】あのとき知っておけば

【ちびまあ】あのとき知っておけば

福岡から転校してきたマーチは5月生まれ。5月生まれなのにマーチってネックネーム。引越してきたのは4月。妹の名前はメイ。カオスって言葉を当時から知っていれば
この混沌を簡素化できたのに

【ちびまあ】席替え

【ちびまあ】席替え

席順は後ろの方が多かった

クジで前の方になっても

『おまえは目ええから』

当時両眼2.0だったので

後ろの方になった目の悪い子と交代させられるのだ

だったらクジせんでええやん?!

学校は先生は頭が悪い
時間を有効に活用できない教育ほど
非合理もないだろう

とはいえそんなこと言っても蓋されるので
隣の席の奴誘って後ろの黒板でオセロに興じるのだった

白黒つけたい性格だった
だったら○☓

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【ちびまあ】スイカバー事件

【ちびまあ】スイカバー事件

いつかの春休み。まだ夜は寒いが梅が咲き、
その日はポカポカ。そんな春の空気に誘われウトウトしていたところ、

玄関の方でおばあが騒々しい。
モゴモゴとしたダミ声だが若々しくもある。どうやら来客と揉めている。

『うっさい!』
この一喝に反応したのか、
ドタバタ物音がより激しくなる。
その物音以上の足音で廊下を歩く俺。

玄関に到着する頃そこには静寂しかない。
一目散に逃げだしたようだ。

『なんだ

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【ちびまあ】おじいのいきなはからい

【ちびまあ】おじいのいきなはからい

『庭くらいなんとかせぇや』

何度説教とも批判とも取れない
悲痛を浴びせてきたことか
おじいに、、、

うちの祖父は
造園業を営んでいた
名を、誠石という
石は、漱石から一字拝借したとの事

ーーー文豪と造園ーーー

ものづくりという点では共通しているのだが自宅の庭も剪定しない
石のように動かないその姿勢は
蝶よ花よのように可愛がられた
ぼっちゃんの強い意志を感じる

しかし

この粋なはからいは

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【ちびまあ】あんときの顔

やっくんという将棋に詳しい男の子が居た。
そんな彼に教えを請う為、自宅へ案内した。

将棋といえば?上手い人ほどポーカーフェイスで冷静沈着なイメージがあるのだが、
このやっくん、喜怒哀楽激しく気難しい。

同じ型のうちのおばあとの衝突だけが心配で、対面が懸念材料でもあった。

その不安は的中。

おばあがやっくんに差し入れたカルピス
一口飲んでしかめっ面のやっくん
『うわっ!甘ー!!』
射るような

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【ちびまあ】豚小屋

【ちびまあ】豚小屋

いつものジョギングコースの

曲がり角に自販機がある。休憩も兼ねて息を整え乾いた喉を癒やす。

「ふぅ」

まだ吐く息は白い。
ところでなんか気持ち悪い。
走りすぎ?疲れが溜まっているのかな?
待てよそういえばここって、、

昔豚小屋だった!!!

「おえっ!」

そんなデジャブいらない

【ちびまあ】ぎっちょ

政治的信条があるなら、ない。
右も左もないということだ。
偏りは視野を狭めて道を塞ぐ。
何事も中庸が肝要だと思うのだ。

腕相撲が強かった。左が。
大柄の体育教師を瞬殺して
教室中か拍手喝采に包まれたことも。
握力もパンチングマシーンも強かった。左が。

字を書くのも絵を描くのもお箸は右だ。
もっとも物心付く前は、物を手に取るのも
お絵描きするのも、みんな左だったらしい。

おじいがぎっちょ(左利

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