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【初心者向け】初めての税理士試験受験生の理論暗記の方法

初めて税理士試験を受験される方へ向けて、凡人の私(一般人)が行った理論暗記の進め方や手順をいくつかのステップに分けて取り組んだ方法を紹介。

法人税法に合格している方や、プロの受験生(数年続けておられる方)には、参考にならないかもしれない。

もし、そのような方がいたら、お勧めの理論暗記の方法をyoutubeのコメント欄にて記載いただけると、間違いなく私の参考になる。是非お願いしたい。


ちなみに、下記は私が制作したWebサイトで、税理士受験生のための情報交換コミュニティ。
まだまだ発展途上ではあるが、これから作りこんでいく。

筆者のスペック

勉強関連の記事を書く際には、その筆者のスペックの把握が必要になる。簡単に記載する。

・偏差値42のFラン文系大学卒業

・働きながら2ヶ月で応用情報技術者試験に独学合格

・働きながら1ヶ月半で情報処理安全確保支援士に独学合格

・地方公務員へ転職

税理士試験の受験理由と選択科目

受験理由は、単純に会計・税務の専門家である税理士を目指すため。

今回選択した科目は国税徴収法

国徴は勉強内容の多くが理論の暗記。一部計算もあるが、分量は少ない。

働きながらの受験で、本格的に勉強に入れたのは4月から。

そのため、本来は最初に受験すべき簿記論や財務諸表論などの分量の多い科目は除外した。

ミニ税法一択で、国税徴収法を選んだのは、暗記がメインだから。

この選択が正しいかは正直わからない。

受験してみた実感として、ミニ税法と言われているが、勉強の分量はこれまでに取得した情報処理技術者試験と比にならない。

勉強時間についても、ネット上にある標準勉強時間では国税徴収法は150時間程度。

これは初受験者ではまずあり得ない。少なくとも2倍以上は必要だろう。

専門学校は、資格の大原・TAC・LEC・クレアール・スタディング・ネットスクールなどあるが、学校の実績と講師の面談の対応により資格の大原を選択した。

税法科目の理論暗記について

一字一句の丸暗記

税理士試験の理論暗記は、一字一句の丸暗記が必要という意見が多々散見される。

WEBサイトやブログ、会計人コースといった雑誌など。専門学校でも必要と言われる。

ただし、法人税法の合格者や所得税法といったボリュームのある科目と消費税法、相続税法、固定資産税、事業税、酒税法、住民税のいずれかに合格しているような受験生ない限り、一字一句の丸暗記は非常に困難である。

さらに、私の勉強時間が4月からという短期間で、働きながらの初受験であったため、丸暗記は早々に諦めた。初心者には実質不可能だ。

「暗記」よりも「理解」を先にすべきという考えは本当か

この考え方は、その人の素質・地頭、そして選択科目によって適用の可否が決まる。

正直、私は国税徴収法の理論暗記について、先に理解をすることはできなかった。

理由としては、下記の通り。

そこまで賢いわけではないこと。
条文が回りくどすぎて、すらすら理解することができなかったこと。
勉強は第1条から順に進めるわけではないので、全体像の把握が困難。そしてこれが理解を妨げる。

「暗記」が「理解」を加速させる

難しい文章を何度も読むことによって、理解できるという考え方がある。後になって、なんとなくできてくる。

そんな経験はないだろうか。

私は理解してから暗記するのではなく、この脳のカラクリを利用することとした。

かといって、いきなり長い文章を暗記できない。

そこで何段階かに分けて進めることにした。

凡人なりの暗記方法

私は理論暗記を6つのステップに分けて進めることにした。

ステップ1

まずはAランク理論だけ

まずはAランクだけを覚えていく。

多くの専門学校では、理論の暗記の優先度をランク付けしてくれる。

そのうち最優先のものだけをまず暗記対象とする。

テキストの1ページ分を6分割する

私は、Aランク理論に絞っても、1ページの分量を一度に暗記することができなかった。

時間をかければ、可能かもしれないが1時間以上かかり、1時間後には忘れている。

エビングハウスの忘却曲線を考慮すると、2回目の暗記に要する時間は1回目よりも短くなるかもしれないが、かなりのエネルギーを費やす。

正直、仕事終わりにこなせる分量ではなかった。

そこで一度に覚える分量は、テキスト1ページ分の6分1とした。

第15条_section

この6分割したひとつをここでは”1セクション”と呼ぶ。

ここでは、まだ暗記作業に入らない。

ステップ2

1セクションをさらに簡素化する

ステップ1で区切った1セクションを、「主語」「述語」にわけて、短い分にする。

下記画像の青字のようなイメージ。

第15条_cut_抜粋

ここでは、専門学校や市販のテキストにある赤字部分をなるべく含ませるようにする。

暗記作業に入る

先ほど青線で区切った部分をまず暗記していく。

『納税者が質権を設定している場合、その国税は、その換価代金につき、その質権により担保される債権に次いで徴収する。』

初学者であっても「この分量ならできそうだな。」という実感があるのではないだろうか。

この気持ちが非常に大切で、理論暗記は退屈で苦痛だから、なるべく自分自身を楽な方向へ導いてあげる。

ステップ3

ステップ2で短くした条文を、コツコツとひたすら覚えてく。

暗記作業のペースは、エビングハウスの法則を参考に進め、1セクションを下記の流れで進めていく。

初回の暗記 > 30分後 > 2時間後 > 寝る前 > 翌日起床後 > 翌日寝る前 > 2日後寝る前 > 4日後寝る前

ちなみにこれだけやっても、ほったらかしにしているとすぐに忘れる。本当に暗記作業は恐ろしい。

就寝前の暗記は効果が大きので、なるべく暗記スケジュールに含めておくことをお勧めする。

ステップ4

2セクション目以降を同じ要領で、進めていく。

このままAランクを進めていき、その後はBランクへ。

ステップ5

Bランクも一周したら、再度Aランクに取り組む。

ここからは、短文にした1セクションを徐々に長文へ変化させて、暗記作業を進めていく。

2回転目でいきなり全文は覚えれないので、できそうだなと思える分量だけ肉付けし、暗記作業を繰り返す。

これもBランクまで同じように繰り返す。

ステップ6

ステップ5でAランクBランクの1回転ができれば、同じように文章を肉付けして、精度を高めていく作業の繰り返し。

3回転目で全文を覚えられなくても問題ない。4回転目、5回転目で全文暗記に到達すればいい。

この肉付け暗記作業は、試験日までの時間を考慮し、スケジューリングしておくことが望ましい。

理論暗記のポイント

この暗記方法のポイントは下記の通り。

暗記対象が短文なので、理解がすすみやすく、それほど辛くないこと

暗記作業時には、なるべく心理的負担を無くすことに努めた方がいい。でないと続かない。

今回紹介した方法なら、初心者でもとっつきやすいのではないだろうか。


・AランクBランクの全体を網羅してから、詳細を詰めていくので、理解しやすい

条文の詳細な部分は、補足説明や他の条文との関係を述べていることが多い。なのでいきなり覚えるより、全体を俯瞰出来てから、触れていく方が理解が進みやすい。


・2回転目に肉付けしながら、1回点目の短文の復習が自然にできること

とにかく理論暗記は脳への刷り込みに苦労する。
最初の暗記も大変だが、それと同じくらい。

この方法では、2回目以降には、刷り込みと新規の暗記を同時に行えるというメリットもある。

以上が、今回私が行った理論暗記の手順である。参考にしていただければ、幸いである。




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