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『七十二候』土潤溽暑‥つちうるおうてむしあつし


『土潤溽暑‥つちうるおうてむしあつし』
          7月28日から8月1日頃


土潤溽暑‥の「溽暑‥」じょくしょとは
湿度の高い蒸し暑さのことで


同じ暑さでもカラッとした暑さとは対照的に
纏わりつくように重く
あのもわっとした息苦しさ。
そして、じっとしていても汗が流れ落ちるような熱気と湿度‥。

食慾さえなくなってしまいそうな
こんな時期‥。
(わたしの場合‥年中無くなりませんが。笑)



つるつるとしたお素麺や
さらさらとしたお豆腐など
食べたくなりますよね。




ちなみにわたしは
お素麺よりもひやむぎ派です。


子供の頃、白いひやむぎの中に
数本あるピンクや緑を見つけては
妹と分けあった記憶が甦ります。

味は一緒なのに
なぜあんなにもキラキラして
見えたのでしょう。笑


子供の頃、輝いて見えたものって
他にもいろいろあるように思います。

その話はまたどこかで。笑




さて、ひやむぎとお素麺の違いなのですが
一番はその麺の太さでしょう。

さらりツルツルと食べれるお素麺とは
違い少しだけ太い
ひやむぎは食べ応えがあるので好きです。


これはとても意外だったのですが
ひやむぎ、お素麺、うどんの中で麺が一番太いうどんがカロリーが低いこと。


素麺は生地を作る課程で「油返し」という工程があり油を塗って巻いていき寝かせることで
麺に油が染み込んでいるとか。


でも、その油分があるおかけで
細く伸ばしても切れないコシがでるようです。


だからと言うわけではないのですが‥笑
今年は特に冷やしうどんをアレンジしたものを
よく食べています。

天かすと温泉卵をのせて
ぶっかけうどん


トマトやレタス、オクラやきゅうりなどの
お野菜と一緒にサラダうどん

大根おろしと梅干し

ツナやトマトをのせてみたり。

レシピ次第ではいつものうどんも
とてもボリューミーに変身。


先に挙げたカロリーの話を
忘れちゃいますね。笑


暑い暑い夏はそれだけで
思っている以上に体力を奪われます。

体温が上昇すると
その体温を下げようと多量の汗をかくため
水分だけでなくナトリウムやミネラルなど身体の調子を整える栄養素も排出され体内のバランスが崩れてしまいます。


その結果体力を消耗し
夏バテを引き起こすのです。


わたしたちの身体や心は常に
気温や環境‥。
日々起こる様々な出来事などと
知らず知らず戦っているのです。


過ごしやすい気温の時以上に
暑さや寒さは‥
特にここ近年の異常気象は
身体だけでなく心にも負担がかかり


わたしたちを
蝕んでいるのかもしれません。

カロリーも、もちろん気にするべきところなのですがそれだけではなく
疲れた時はそのとき、身体や心が欲するものを
時には赴くままに‥


自分を甘やかすことも
大事なことだなぁと思うのです。

わたしの場合、その後は
運動が待っているのですが。笑





体力維持、健康維持
体重維持‥。

モチベーション維持
現状維持‥。


なにかを変えることは
やはり多くのパワーを使うのですが


ひとつの事を継続したり
同じような状態を保ち
維持することもまた別の力を要します。


変わることも
変わらずいることも
どちらも大切でどちらも大変で‥。


『不易流行』‥という言葉がありますが


いつまでも変化しない
本質的なものを忘れない中にも
新しく変化を重ねているものをも取り入れていくこと。
また、新しいものを求めて変化を重ねていく流行性こそが不易とあります。

不易と流行と‥その根元は同じで
それを繰り返し‥繰り返し‥。

そうしていく中で進化し
結果的に変化していくということに
繋がっているのかもしれません。





暑い夏は感傷的であったり
もの哀しいような‥そんなセンチメンタルからは
ちょっぴり遠く‥。

叙情的な歌が多い和歌も
春秋冬に比べ
夏の和歌は百人一首では4首
古今和歌集でも34首しかないようです。



その和歌を読んでいると
気づくのですがなんと28首に
ホトトギスが登場します。



なぜそんなにも
ホトトギスだったのでしょうか。



ほととぎす 人まつ山に 鳴くなれば 我うちつけに 恋まさりけり

紀貫之


【現代語訳】
ホトトギスが松の山で鳴き始めると
愛しい人を待つ私の恋心は無性に掻き立てられるのだ


昔の人々にとって
ホトトギスの鳴き声はもの哀しく
恋しい人を想い切ない気持ちと重なっていたようです。



ホトトギスの鳴き声に耳を傾けながら
どんな気持ちで過ごしたのでしょう。


たとえば今なら
切ない音楽を聴き過ごす時間が
ホトトギスに耳を澄ます時間だったのかも
しれません。


今のように連絡も思うように取れず
恋心を秘めたまま‥。


そんな恋を表すかのような
和歌をもうひとつ。


暮れがたき 夏の日ぐらし ながむれば そのこととなく 物ぞ悲しき


【現代語訳】

日が長く暑さの残る夏の長い一日をもの思いにふけりながらぼんやりしていると、無性にあらゆる物が物悲しく感じる。


この歌は、娘が一人の男を恋し打ち明けるすべもなく亡くなりました。
その事情を聞いた男は娘の家を訪れて喪に服し亡き娘を思って詠んだ歌だと言われています。



いつかどこかの記事でも
書きましたが


伝えられなかった想いほど
悲しいことはない‥と思うのです。



こんな時だからこそなおさら
「今」伝えられることは
伝えたい。それは恋愛に限らず‥。


届けたい人に
届けたい想いを‥。


『今』を大切に。




七十二候に使用している写真は
すべてphotoACからのものとなります。




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