西芳寺の湘南亭(ジョブズも訪れた苔寺にある茶室)

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「湘南亭(しょうなんてい)」

京都西芳寺にある茶室。

西芳寺は「苔寺」の名で知られる洛西の禅宗寺院で、アップル創業者のスティーブ・ジョブズが家族と共にお忍びで訪れていたそうです。

ここには夢窓疎石(1275〜1351年)の作庭による庭園があります。数度の火災や水害に遭うも、その度に再興を繰り返しました。

現在のものはいつ再興されたかは定かではありませんが、利休の子の少庵(1546〜1614年)が再興し、隠棲したという伝えをもちます。この湘南亭も少庵が再興したとのことです。

湘南亭は深四畳台目で、茶道口を含む二枚引四枚の襖で次の間(六畳)が隣り合います。

点前座にはやや撓めた栗丸太の中柱と袖壁が立ち、勝手付にはいわゆる「亭主床」の形式で、壁を挟んで前面には付書院。入隅には織部好みの雲雀棚(上の棚の方が大きい二重棚)があります。

点前座前方に付書院をつける手法は国宝茶室である龍光院密庵などにも見られる手法で、遠州的な要素も見られます。付書院には火灯窓もつきます。

躙口はなく客は付書院隣の貴人口から茶席に上がります。

建物は庭園の黄金池を臨む位置にあり、茶席の建具を外すと吹き放しの広庇(ひろびさし)から庭園を一望に見晴らすことができます。

広庇をもち広縁は外と中をつなぐ空間で、見事にその役を果たしています。点前座まわりは窮屈な一方、客座側は開放的な空間を有する席となっています。

幕末にはここに岩倉具視がかくまわれていたことでも有名です。この茶室は重要文化財に指定されています。

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