蓮華庵(江戸千家の茶室)


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「蓮華庵(れんげあん)」

宝暦5年(1755年)、江戸中期の茶匠・川上不白が鎌倉建長寺の山門の古材を床柱に用いて、江戸の神田明神の境内に建てたと伝わる茶室。

後に失われましたが、東京都文京区にある江戸千家蓮華庵の江戸千家会館(1975年建設)内に、起し絵図によってほぼ忠実に復元されています。

内部は三畳下座床の席に、茶道口正面に半畳踏込みの板を敷き、正面には利休堂を設け、床と前板も合わせて全体はほぼ方形となります。

点前座は火燈口を開けた仕切壁を建てる道安囲い(通常の台目構えの袖壁とは逆の位置に袖壁(仕切壁)を設け、火燈口の襖を閉じることでお点前のようすをあえて隠す謙譲の構え)とし、炉は上げ台目に切ります。中柱は赤松の皮付で、点前座勝手付には二重棚を釣ります。

そして、この茶室最大の特徴ともいえる床柱は異様に太い檜(ヒノキ)の柱が用いられています。これが当時は建長寺山門の古材で、直径約43cmのものを用いていたそうです。

この床の裏手が当時は利休像が祀られていたという「利休堂」にあたり、不白が茶道口を出入りするたびに拝することとなり、日々の茶の湯の戒めとしたものと考えられています。

太い床柱を建てたため、それに合わせて床前には板畳を敷き込んで間が広げられています。

江戸で千家の茶を広めた不白の侘びが力強く表現された茶室です。

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