止観亭(旧一条恵観山荘)
※追記(7/7)
一条恵観山荘の事務局より「訂正願い」の連絡いただきましたので2点追記させていただきます。
①「止観亭」は正式名称ではないそうです。
(こちらの内容は書籍「茶室と露地」(家庭画報編)より引用しております)
②「山荘は昭和34年(1959年)に現在地である神奈川県鎌倉市の宗徧流家元宅へ移築されました」の記述を削除致しました。
(移築されたときから財団法人が所有管理しているそうです)
以上2点を踏まえた上でお読みいただけますと幸いです。
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「止観亭(しかんてい)」
一条恵観(えかん)(後陽成天皇の第九子・1605〜1672年)が京都の西賀茂山荘に営んだ茶屋で、その主要建築物の一つとして創立されたのが「一条恵観山荘」です。この止観亭はその主室にあたります。
恵観は江戸前期の茶匠・金森宗和に茶の湯を習い、造園・建築にも精通していたそうです。また後水尾天皇とは兄弟で、いわゆる「後水尾サロン」の主要人物として、江戸初期の貴族文化の隆盛を担いました。
外観はいかにも数寄屋風の茅葺屋根で山荘にふさわしい穏やかな意匠です。
主室である止観亭は長四畳の一間床で、上げ台目に炉を切っています。
次の間六畳との間には二本引四枚の襖、縁座敷の間にも腰障子二枚で区切り、草庵茶室に見られるような躙口はなく、貴族階級の住宅の中に茶室を組み込んだ数少ない一例となっています。
点前座には中柱もなく、風炉先窓も高い位置に開けられておりこちらも異例の意匠。
茶を専一とするような侘びた雰囲気とは異なる、全体として穏やかな構成。貴族の茶の雰囲気を豊かに伝える遺構といえます。
国の重要文化財に指定され、2017年から一般公開しております。
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