【理論編】SNSで心を痛める前に離れよう
SNSを離れたい人向けの理論編です。SNSから離れられない人、しかし世間で言われている小手先の「ライフハック」程度では納得できない人への記事です。
SNSには向いている人と向いていない人がいることを認める
わたしは15年間、SNSで通算数万時間を溶かしてきてしまいました。これは比喩ではなく、本当のことです。
高校時代からの筋金入りのツイ廃(ツイッター廃人)で、大学時代などは本名よりもアカウント名で友人・知人に呼ばれていたくらいです。
TwitterなどのSNSを見ている時間を「甘め」にみて1日5時間だとして、それを365日×15年間ほぼ毎日とすると、
5時間×365日×15年間=27,375時間
となります。10時間以上やっていた日も数えきれないくらいありますから……いや、もう正確な時間を把握するのは困難でしょう。
確かに、現実の生活では会うことができない人と会うことができたり、ステキなモノやサービスを知れたり、XがかつてTwitterという名称だったころは、何気なくしたTweetがバズって十数万RTされて某ポータルサイトのトップ画面の一番上に出たり、という貴重な体験をすることができました。
ですが、代わりに失ったものが、あまりにも多すぎました。
SNSには向いている人と向いていない人がいます。
他人の顔色を気にしてしまう人、人の気持ちを推し量りがちな人、あるいは打たれ弱い人やのめりこみやすい人や好奇心旺盛な人は、SNSには残念ながら向きません。
キャサリン・プライス『スマホ断ち 30日でスマホ依存から抜け出す方法』でも、カル・ニューポート『デジタル・ミニマリスト スマホに依存しない生き方』でも、SNSが特に若い世代のうつ病や不安障害といった精神疾患を増やした、とあります。
2010年頃までは見えなかった、他の人たちの生活や考えが、無料で、いつでも、どこでも、いくらでも見えるようになりました。
悲しいことに、私たちの脳は、賞賛や賛辞よりも、否定や罵倒や恐怖や不安に強く反応するようにできています。
同僚のいいところを3つ挙げるより、気に入らないところを10個挙げる方がたやすい人がほとんどでしょう。
つまり、自分や他者の良いところより悪いところに目が行くように、脳はできています。
そして、SNSをはじめとする、インターネットの世界は、見るのもおぞましいネガティブな情報に満ち溢れています。
週刊誌のようなゴシップであったら、ページ数の限界という制約があります。
しかし、SNSには果てがありません。
SNSの構造的に、スクロールすればするほど運営企業が儲かるようにできていますから、不安で、苦しくて、つらくてしんどいのに、私たちはそれでもSNSをスクロールする手を止められません。
ひとりでベッドの上で、日付が変わっても、明日学校なのに、仕事なのに、それでもスマホを見るのがやめられない。
それはあなたの意思が弱いのではなく、そもそもスマホやSNSは、そういうふうに作られているから、なのです。
私はSNSで、若い頃の大事な時間を何年も溶かしてしまいました。
本当は、現実世界でもっと楽しいことがあったはずなのに、スマホやパソコンやタブレットに閉じこもって、友人の多くとも疎遠になってしまいましたし、健康も損ねてしまいました。具体的に書くことは避けますが、家族や友人含め、とても多くの人に迷惑をかけることになってしまいました。
仮に私が億万長者となって巨万の富を得たとしても、若い頃の時間は戻ってきません。
「SNSやめますか? それとも人間やめますか?」
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