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ひとりたびの足跡👣

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旅の記録。 ひとりたびをする理由は、知らない景色が見たいから。知らないものに触れたいから。
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#ファームステイ

「楽しい」を集めながら生きること

「楽しい」を集めながら生きること

仕事を辞めた10日後。
私はひとり、スイスにいた。

夢を描いて下積みを重ね、働きながら資格をとり、30歳にして希望の職についた私は、その後身体を壊してしまった。
ホルモンバランスも崩れた頃には、心のバランスも失いかけ、数年間で退職という道を選んだ。

先のことは何も決めていなかった。
決めたことはひとつだけ。

ひとりで、どこかに行こう

それだけだった。

そんな正体のわからない決心を背負った

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でこぼこ道の先に。

でこぼこ道の先に。

流行りのウェーブのエクステをつけ、茶髪にしっかりめのアイライン、赤いヒールで授業を受けていた私は、見た目とは裏腹に、取り残されたような不安の渦にいた。

12年ほど前。
大学3年の時、ゼミの友だちがほぼ一斉に就活を始めた。髪を黒くしてバイトを減らし、いつでも面接へ行けるよう準備を整えていた中、私はと言うと、卒業したら1年間オーストラリアへ行こうと決めていた。

「新卒捨てるの?もったいない。」

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スイス - 旅の意味と答え

スイス - 旅の意味と答え

スイスにひとり旅に行く前、私はこの旅に「期待」をした。

旅が終わる頃には、自分の中に見えてくるモノがあるだろう。
退職をして日本を飛び出した訳だが、好きなことがたくさんある。次はどんなことを仕事にしたいのか、きっと直感がまた働くだろう。

そんなふうに、久しぶりの大きな冒険に、何かしらの「答え」を求めていたように思う。

その結果、途中から「そうなっていない旅」に焦りを感じたり、帰国が迫る中、「

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スイス - ファームステイ - 藁で眠ろう

スイス - ファームステイ - 藁で眠ろう

前回の日記で、スイスでファームステイをすることにした経緯を書いた。
そこでたどり着いたサイトは、
my switzerland.comというもの。
スイス中の520件の農家さんが、宿泊可ということで登録しているという。泊まり方も種類があり、私は「シュラーフ・イン・シュトロー(藁で眠ろう)」に興味津々。もう知った時からやらずにはいられない。

スイスへ行く理由は、以前の日記に書いたが、「穏やかに、湖

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スイス - 出発の決意

スイス - 出発の決意

スイスへ行く前、どうしたら安く生活できるかを考えた。
それは「1日でも長く居るため」だった。

心と身体が疲弊していた頃。
ホッと息を抜く術を見つけられず、時間も生み出せず、ただ走り続けることを止められなかった。

そんな中で得られるやりがいは計り知れず、毎日愛に溢れ、大人になってここまで、笑顔と涙で心が動く仕事ができることへの充実感も大きく、手放す勇気が持てなかった。

でも、自分の時間が作れな

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