スイス - ファームステイ - 藁で眠ろう
前回の日記で、スイスでファームステイをすることにした経緯を書いた。
そこでたどり着いたサイトは、
my switzerland.comというもの。
スイス中の520件の農家さんが、宿泊可ということで登録しているという。泊まり方も種類があり、私は「シュラーフ・イン・シュトロー(藁で眠ろう)」に興味津々。もう知った時からやらずにはいられない。
スイスへ行く理由は、以前の日記に書いたが、「穏やかに、湖のほとりで暮らすように過ごしたい。」というのが1番だった。
ファームステイなら、それが実現できるのではないかと思った。
そして単純に、楽しい気配のする響きに惹かれた。
数ある農家さんの中で、私が連絡をとったのは、ブルンネンという小さな街にある農家さんだった。ルツェルンから電車で1時間、もしくは船で2時間という場所。
決め手は、何より湖が徒歩圏内にあること。公共機関が近くにあること。あとは写真の雰囲気に惹かれた直感だった。
ブルンネンの街も、泊めていただいた農家さんも、期待を何倍も上回るほど、素敵が詰まっていた。
育てている牛さんを、農家のお母さんが紹介してくれた。お母さんはいつでも本当に暖かく、毎日その日の出来事を聞いてくれて、挨拶に来てくれた。
そして必要以上に踏み込んで来ない、適度な距離間を保ってくれた。
それが心地良くて、心細くなくて、それでいて自由で、私には最高だった。
「朝はこうしてご飯を食べて、午後はあの辺りで放牧するんだよ。」そう教えてくれたので、散歩をしたら早めに帰ってこようと思った。
そして、徒歩10分でこの湖。
観光地ではない街の魅力。
心がほどけていく。呼吸が気持ちいい。
感情の浮き沈みや、喜怒哀楽が激しかった数年間を、「お疲れ様」と穏やかにほぐしてくれるようだった。
散歩して16時頃に帰ると、朝牛舎にいた牛さんたちが、お母さんの言う通り放牧されていた。
のびのびと、広い空と牧草地の中で、ムシャムシャと草を食べていた。
優しい顔。みんないったんは私を見るが、確認したあとはまた草を食べた。
「お邪魔します、ありがとう」と、受け入れてくれる広い心にお礼を伝え、しばらく眺めていた。
この地域を囲う川はとても綺麗で、川底まで透き通っていた。
そして夜は、お待ちかねのワラのベッドだ。ハイジも寝ていた、干し草のベッドの現実版だ。
ひ、広い、、!!!!
すごい!本物だ‥!!!
広すぎるベッドに、自分の寝床を決めた。
楽しくて、珍しくテンションが上がる。
毎晩、これを眺めながらビールを飲み、日記を書くのも幸せだった。
気になる寝心地は、もうフカッフカ。
寝ている所が潰れると固くなるため、毎晩少しずつ横にズレたりもしてみたが、寝心地は想像以上に良い!
そして失礼ながら、私は衛生面を少し心配していた。それなりにアレルギーがあったりするからだ。なのでこの環境はオススメしたいが、完全に自己責任の元でオススメしたい。(旅はいつもそうだが)
実際には、とてもとても掃除が行き届いていて、シャワーやトイレなんて、他に泊まったバックパッカーズホステル(通称バッパー)のどこよりも綺麗だった。
お母さんが毎朝、1人1人希望の時間に合わせて、こんなに美しい朝食を作ってくれた。朝食付きで、1泊27スイスフラン。
ランチョンマットを敷き、卵を茹でてくれ、たっぷりのジャムやバター、チーズなどを盛り付けてくれる。この環境で食べるお母さんのご飯は、どんな豪華なホテルのご飯よりも、わたしには贅沢なモノに感じた。
毎日毎日、感謝の気持ちが心底込み上げてきた。
牧場でとれたであろうホットミルクが、最高においしい。
ちなみに、この朝食を運んでくれる時に使うのはこれ。
農家さんらしい一面に、なんとも癒される。
長い夜は、お母さんに宛てて、ゲストブックにお礼の手紙を書いた。
部屋に飾ってくれたチューリップを何て言うのか聞くと、「トゥルペン」のような発音を教えてくれたので、チューリップの絵をたくさん描いて「トゥルペン描いたよ」と見せると、とっても笑ってくれた。
また行きたいなぁ。
遠いけれど。遠いってイイ。
きっとまた。
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