あなたの人生だから|児童養護施設職員の離職
職員さんが施設を辞めてしまうのはやっぱり悲しかった。
特に産休・育休をとってそのまま戻って来ない方が多いんです。
友だちのような親のような、親密な関係になった人の喪失は、子どもにとってつらいものです。
そして、そういった別れが多いと大人を信頼できなくなったりします。
「どうせまたあなたもいなくなってしまうんでしょう?」って。
でも大人のほうに悪気はないし、ましてや子どもを悲しませようとは思っていません。
むしろ、罪悪感を感じながら離職する場合が多いのではないでしょうか。
今だから言えること。
子どもが悲しむのは職員さんのせいではないということ。
仕事を辞めるにあたって罪悪感に苛まれる必要はないということです。
どんな理由であってもです。
あなたの人生なんだから、あなたのやりたいように生きればいい。
もちろん、むやみやたらに辞めていいということではありません。
ある職員さん(30代・女性)が新しいことをはじめようと、施設のお仕事を辞めました。
この新しいことというのがまた素敵で、自分のお絵描き教室をひらくというものでした。
やりたいこと
挑戦したいこと
好きなこと
これらは変わっていくものだと思います。
いいえ、もしかしたら、変わるものではなく次第に気づいていくものなのかもしれません。
高校生、大学生のうちに本当に心からやりたいことに全員が気づけるわけではありません。
また、ずっと同じ仕事を続けなければならないというのは、誰にでも当てはまる理論ではありません。
ではこの女性職員さんの場合、
子どもの信頼を損なわずに、自分の歩みたいキャリア/ライフスタイルを選択するにはどうすればいいでしょう。
子どもの年齢にもよると思いますが、正直に伝えたらいいんじゃないかなあと思います。
その職員さんはこんなことをおっしゃっていました。
「この決断には否定的な人ばかりだったんだよね」
この職員さんに対して否定的な反応をしたのは友人か、同僚か、家族かは分かりませんが、もしかしたら
「過去に夢をあきらめた自分」
「変わりたいのに現状にとどまっている自分」
「仕事を辞めないことが正解だと思っている自分」
こういった自分を肯定したくて、夢を追いかける目の前にいる人を否定してしまったのではないでしょうか。
その職員さんのことが心配で注意を促すという場合ももちろんあると思います。
では、どうしてこのような価値観を持っているのかというと、その方が子どもの頃、まわりの大人がそう言っていたから、という可能性が高いと思います。
子どもの頃から、
「職は途中で変えたっていいし、続けるかどうかは自由に選んでいい」
と言ってくれる大人がまわりにいれば、そういう価値観を持って育つでしょう。
だから、正直に話せばいいと思うのです。
子どもを信じてほしいのです。
「この施設で働くのはとっても楽しいんだけど、ものすごくやってみたいことが他にもあるの。そのことを考えるとワクワクしてくるんだ♪」
こうやって伝えられた子どもは、その時には分からないかもしれないけど、社会人になってから思い出すかもしれません。
そういう生き方もあるよなって。
本当にやりたいことをしている大人はキラキラしてるよなって。
自分の人生なんだから、やりたいように生きていいよなって。
わたしたちは往々にして、「本当のことを言うのはいけないことだ」と決めつけてしまいがちです。
特に、大人は大人の事情を隠したがりますよね。
でも子どもは、そんな大人を見て育ちます。
だから、子どもに正直に、素直に伝えてみませんか。
本当に心から正しいと思えることをしませんか。
子どもを信じみませんか。
未来の彼らに役立つことを考え、教え、伝えながら、一緒に成長できる大人になりませんか🌸
さくら
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