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箱庭日記

あらすじ
「私」の日常を綴った日記。
平凡な毎日にひと匙のファンタジーを。

6月●日 小雨
「脱色」

朝起きたら、頬の羽毛が全部抜け落ちていた。
枕に赤い羽毛が撒き散らされていた。
剥き出しの耳穴に、アラームが刺さる。
とりあえず、帰りに皮膚科に寄ろう。

6月●日 雨のち曇り
「奪羽毛」

朝から頬に皮膚科で処方された軟膏を塗る。
首から上の肌を直に触れる事などなく、自分の顔にこんな触り心地の部分があったのかと驚いた。

流行りに乗って、頬の羽毛をおしゃれに染めようと思ったのが間違えだった。
昨日の私はゴミ箱を見て愕然とした、脱色剤ではなく脱毛剤だった。

せっかくnoteを使って日記を付け始めたのに、初投稿がこれでは格好がつかない。

本当なら初投稿は[自己紹介から始めた方がいい]とnoteに書いてあったので、その通りにするはずだった。

仕切り直して
「最近カレーにハマっていて、カレールーを使わずスパイスを何種類か入れてスロークッカーで1日煮込み、家に帰るとちょうど良く煮込まれたカレーが待っているのが楽しみです。」

こんな感じの、とりとめのない日記を更新していきます。
よろしくお願いします。

6月●日
「食欲不振」 晴れ 蒸し暑い 冷房を入れ始めた。

こんばんは。今日もお疲れ様です。
最近は気温も上がり、早くも夏バテ気味。

最近は歳のせいか、油っぽいものがダメになり(食べると美味しいのですが、2、3口で満足。)
以前は週2で食べていたカルビ丼も、3ヶ月は食べていない私です。

ここ1週間程驚くほど食欲もなく、何となく消化不良が続き病院に行った。
検査の結果、胃の中の砂蟲の数値が低くなっているそうだ。

砂蟲の卵を処方され、3日間は毎食後(2時間後)に3粒ずつ飲んで下さいとの事。

産まれて初めて砂蟲の卵をまじまじと見ましたが、飲み込むのに勇気がいる。
2センチほどの楕円形で、色は焦茶色やら白っぽいのがある。ドロリとした何かに浸かっており、胃に到達すると、胃の中の食物を食べ元気に育つそうだ。

たまご達、元気に育ってくれ

改めて体の中に、別の生命が居るのを感じると、健康に気を付けようと思った。

医者からは、『辛い物は控えるように』と言われてしまいカレーはしばらく食べれない。残念。

6月●日 くもり
「一日一善」 
フォーク並びに気が付いていない人に、さりげなく目配せをしながらフォーク並びの最後尾に並んだ。
気がつかれなかったし、順番を抜かされた。

6月●日 晴れ 雲が大きい
「帰り道」

昨日、地面を熱心に見つめる子どもがいた。
子どもの少し前方に親がいて、2人が会話しているのを聞いた。
親の方は、子どもに歩き出すよう促す声掛けをしていたが、子どもはどうにも動かない。
それどころか「写真撮って!写真撮って!」と、地面を指差している。

どうやら地面に何かいるらしい。
親は「えー、写真のフォルダに残るのが嫌だから撮らないよ。早く帰ろう」と、子どもの手を引いている。
「でも、綺麗な色だよ。ほら!ほら!こんなに!」と子どもも親の手を引き地面の何かを見せようとしている。

結局親の方が根負けして、写真を撮っていた。
私がそこを通り過ぎる時、ちらと地面を見ると赤っぽい毛虫がにじりにじりと歩いていた。

私が通り過ぎた後も、親子はしばらく毛虫の行方を見ているようであった。
「毛虫さんがんばれ!」「かわいいなあ」「こんなにかわいい毛虫さんと会えるなんて、ついているね!」と子どものはしゃぐ声が聞こえていた。

今日同じ道を歩いていると、昨日の毛虫が潰れていた。何とも言えない気持ちになった。

毛虫


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