花岡紗季

職業グラフィックデザイナー🌷たまにイラストレーター 展覧会のゆるメモ、制作のぼやき… もっとみる

花岡紗季

職業グラフィックデザイナー🌷たまにイラストレーター 展覧会のゆるメモ、制作のぼやきなど https://www.sakihanaoka.com

マガジン

最近の記事

「マティス展」東京都美術館

2023.06.04 マティスといえばフォーヴィスムの代表として、派手な色彩で油絵を描いていた人…というイメージが強かったのですが、晩年寝たきりになった後に制作された切り絵(ジャズシリーズなど)が、ハンデを全く感じさせない力強さを放っていて特に印象的でした。 フォーヴィスムの荒々しい作品群からは瞬間風速的な情熱を受け取るのですが、やはり活動期間は短かったそうです。周囲が新しい世界へ転向する中マティスもキュビズムに惹かれたこともあったそうですが、最後まで色彩に対するこだわりを

    • クレラーミュラー美術館@オランダ

      2023.02.19 オランダの首都、アムステルダムから70キロほど東に位置するオッテルローという地方の、ナショナルパーク内に建つ美術館です。 オランダ出身であるゴッホを中心に、ピカソやジャコメッティ、モネ、モンドリアンなど著名な作家の作品が収容されています。 ▽best ゴッホ「盛りを過ぎた4本のひまわり」 メインであるゴッホらの常設展と、おそらく特設展であろうキーファーらの展示会場が3つほどありました。 館内は1.5〜2時間ほどで一周できそうな広さでしたが、部屋の大

      • 「ファン・ゴッホー僕には世界がこう見えるー」角川武蔵野ミュージアム

        2022.12.29 角川ってあのKADOKAWA!?という事実を全く知らずに行き(下調べしない派)、アニメ色の強さに多少面食らったのですが、のどかな住宅街の中にそびえ立つミュージアムの外観はなかなか壮観でした。 ▽best おまけでもらえたシール 第1会場 体感型デジタルアート 壁面全体がプロジェクションマッピングになっている大会場に、30分ほどのプログラムが繰り返されていました。出入りのタイミングは自由なのか、いたければいつまでも楽しめる様子でした。少数のハンモッ

        • 「アーツ・アンド・クラフツとデザイン」府中市立美術館

          2022.11.15@府中市立美術館 公園内にある美術館で、市立らしい落ち着いた佇まいが好きです。昔、フィンランドデザイン展を見に行ったのが最後だったのですが、変わらない雰囲気で安心しました。 作品数もキャプションも程よい塩梅で、疲れずに見て回れました。 展覧会って集中するし立ちっぱなしだしで結構体力を奪われます。私はキャプションを読破したい方なので、脳味噌までめちゃくちゃ疲れてしまいます。楽しさが上回れば収穫ですから、めげずにいたいものです。 ▽best 「柳の枝」ウィ

        「マティス展」東京都美術館

        マガジン

        マガジンをすべて見る すべて見る
        • 展覧会の感想
          花岡紗季

        記事

        記事をすべて見る すべて見る

          展覧会「岡本太郎」東京都美術館

          22.10.30@東京都美術館 岡本太郎といえばクレしんの大人帝国の印象が1番強い(くらいには彼に対しての知識がなかった)のですが、何らかのパワーをもらえそうな気がしたのと、彼の作品の魅力はきっと生で見ないとわからないだろうと思ったので上野まで行ってきました。 ジャイアントパンダ来園50周年記念ということでバルーンが飛んでいたり垂れ幕がかかっていたり、あらゆる店にパンダグッズが満ち溢れていたりと街全体がうきうきムードでした。 ▽best 犬の植木鉢 なんで日本人はこんな

          展覧会「岡本太郎」東京都美術館

          「装いの力―異性装の日本史」渋谷区立松濤美術館

          2022.10.04 歌舞伎から漫画、ドラァグクイーンまで、異性装(女装、男装)の歴史を辿った展示。 ▽best ベルバラの原画 ポスターのどピンクな感じから、oh〜な作品ばかりなのかと緊張しましたが、異性装の文化的背景を時代と照らし合わせながら真面目に解説してくれる、ちゃんとした(?)展示でした。 ドラァグクイーンのキラキラなコーナーはパンチが効いており、生命力を貰えたような気がします。 ベルバラのオスカルのように、女性が男性の役割を身にまとうために男装するのは「異

          「装いの力―異性装の日本史」渋谷区立松濤美術館

          「イッタラ展」Bunkamura ザ・ミュージアム

          2022.10.04 北欧好きならみんな知ってるイッタラ。 その歴史だけでなく、技法についてもたくさん知ることができて面白かったです。特にガラスを流し込む「型」の実物がレアで、元々は木製だったと知って驚き。 実用的なガラス製品以外に、デザイナー達のアート的作品も置いてあり、彼らの精神哲学を垣間見ることができました。 イッタラの赤いi字のロゴですが、ガラス職人さんの吹き竿(棒の部分)とガラス(丸の部分)の意味が込められているらしく、確かに…!と地味に感心してしまいました。

          「イッタラ展」Bunkamura ザ・ミュージアム

          有毒ハンカチ…「いけないのファッション展」ACCESSORY MUSEUM

          2022.10.02 タブーに触れたファッションや宝飾品を集めた展示。 社会問題になっているリアルファーだったり、人種差別的デザインだったり、有毒な素材が使用されていたりと、物議を醸す作品がいろいろ。 ノーマルなコレクション数も多く、しかも年代別になっていたので、シンプルにアクセサリー史の勉強にもなりました。 人類の歴史とファッションって密な関係にあるよな…そしてここにも問題が山盛りだったんだな〜と思いました。 装飾品って人間の価値を高めるためのものだから、美を最優先に

          有毒ハンカチ…「いけないのファッション展」ACCESSORY MUSEUM

          フィンランド最古のテキスタイルブランド「フィンレイソン展」

          2022.09.29@京王百貨店新宿店大催場 フィンレイソン FINLAYSON フィンランド最古のテキスタイルのブランド 寝装品、ホームテキスタイルを中心に、国内外に展開。ムーミンデザインも取り扱っている 原画と生地見本(完成品)を比べて見られる。違いが大きいものもあって面白かった レアな歴史的資料(糸見本やテキスタイルの実物、ポスターなど)あり デザイナーごとに区分けされているので、お気に入りの作家さんが見つかる ムーミンデザインの特大原画も ▽best 「オ

          フィンランド最古のテキスタイルブランド「フィンレイソン展」

          「北斎ブックワールド―知られざる板本の世界―」すみだ北斎美術館

          2022.09.25@すみだ北斎美術館 両国駅近くの美術館。 目玉である3階の企画展では、板本(はんぽん。木版で印刷された本)の歴史や技法などを特集。わかりやすく豆知識を紹介してくれるパネルつき。 4階は、「隅田川両岸景色図巻」と「北斎漫画」の企画展、常設展のふた部屋。 キャプションをほぼ全てじっくり読み、3時間ほど滞在しました。 ▽best 略画早指南 先日行った展示「浮世絵動物園」にあった北斎の絵を見て、おかわりが欲しくなったので足を運びました。 美術館のある両国駅

          「北斎ブックワールド―知られざる板本の世界―」すみだ北斎美術館

          「ジャン・プルーヴェ展」東京都現代美術館

          2022.09.22@東京都現代美術館 Jean Prouvé  20世紀に活躍した、フランスの建築家でありデザイナー。家具だけでなく建築も手掛け、工業デザインに大きな影響を与えた。ヴィンテージ品がコレクターに非常に人気だそう。 ▽best F 8x8 BCC組立式住宅 プルーヴェ本人は自らのことを建築家でもデザイナーでもなく「構築家」と称していたそうです。 その言葉どおり、椅子や机、ファサード、家、全てが一貫してシンプルなつくりとなっていました。そのシンプルさからは

          「ジャン・プルーヴェ展」東京都現代美術館

          「私の正しさは誰かの悲しみあるいは憎しみ」東京都現代美術館

          2022.09.22@東京都現代美術館 「私の正しさは誰かの悲しみあるいは憎しみ」というタイトルそのものに惹かれ、足を運びました。 大久保あり/工藤春香/高川和也/良知 暁  現代に潜む善悪の輪郭について。バックグラウンドの異なる人間同士は向き合えるか。差別問題に対して当事者意識を持てるか。「言葉」の存在によって得られるもの、忘れられるものついて。 ▽best 高川和也《そのリズムに乗せて》 高川和也 日記のことばをラップに変換して表出することで、ことばの存在をあ

          「私の正しさは誰かの悲しみあるいは憎しみ」東京都現代美術館

          「日本美術をひも解く」東京藝術大学大学美術館

          2022.09.21@東京藝術大学大学美術館 内容はまさしくタイトル通り、日本美術をひも解くものでした。 絵画、絵巻物、蒔絵など、多分野にわたる一級の名作を楽しむことができました。 ▽best 岩佐又兵衛「をくり(小栗判官絵巻)巻一、二」 第一会場は作品保護のため照明が暗かったのですが、本当にかなり暗かったです。 一番人気は伊藤若冲の動植綵絵でしたが、そのスケールや表現力はやはり群を抜いており、暴力的なほどすばらしかったです。 中でも裏彩色という、絹地の裏から色を塗る

          「日本美術をひも解く」東京藝術大学大学美術館

          「浮世絵動物園」太田記念美術館

          2022.09.16@太田記念美術館(初) 浮世絵に登場する、ユニークな動物たちにフォーカスした展覧会。作品数は160点ほど。浮世絵のつくり方などの豆知識も。 美術館内がこぢんまりとした和風のデザインなので、家の中にいるような安心感があり、ゆったりと過ごせました。 実存の動物から想像上の生き物、擬人化した姿まで、さまざまなバリエーションを楽しめました。 ▽best 葛飾北斎「雨中の虎」 一番心に残ったのは北斎の虎の絵です。 当時の日本に虎は存在しなかったそうですので、

          「浮世絵動物園」太田記念美術館