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展覧会「岡本太郎」東京都美術館

22.10.30@東京都美術館

岡本太郎といえばクレしんの大人帝国の印象が1番強い(くらいには彼に対しての知識がなかった)のですが、何らかのパワーをもらえそうな気がしたのと、彼の作品の魅力はきっと生で見ないとわからないだろうと思ったので上野まで行ってきました。
ジャイアントパンダ来園50周年記念ということで、バルーンが飛び、垂れ幕がかかり、あらゆる店にパンダグッズが満ち溢れ、街全体がうきうきムードでした。

▽best
犬の植木鉢

犬、なのか…
笑顔の奥の虚無

なんで日本人はこんなに太郎が好きなんだろう?とずっと思っていたのですが、画面からとんでもない生命力を感じるという、明快な魅力はとても理解できました。
縄文土器からインスピレーションを得ているらしく、日本人の根底にある価値観を共有しているからかも…とも思いました。でぷっとしていて、少しホラー味のあるかわいいフォルムと表情のアンバランス感がいいのかな?
絵も線も文字も、全てから太郎らしさが伝わってくるのは凄いよな〜

「駄々っ子」
左のが駄々っ子タローらしい

駄々っ子の自覚があったってことは
周りからどう見られているのかという
客観性(ピンクの犬)も持っていたのかなあ
ワンコは呆れ顔にも見える
「殺すな」意見広告
戦争の主体を忘れるなというメッセージ
太郎の字でしかなくて好きになった

「対極主義」という、世の中の矛盾や対立を強調することで不協和音を生み出し、新たな価値を創造する…という説明には得心がいきました。
重めの題材を多く取り扱っているにも関わらず、見ていて悲観的な気持ちにならない(むしろ元気でいいなと感じる)部分に、彼の人間性を読み解くヒントがあるように思いました。

「みつめあう愛」
他にも愛をテーマにした作品がありましたが
トゲトゲともちもちの形で対比していました
自分はトゲトゲの方だと思いました

キャプションに哲学的な言い回しが多く、やや目が滑ってしまったのが残念でした。
哲学に精通していればこういった謎めいた文章を心の底から理解できるのでしょうか。ニーチェやアリストテレスにはチャレンジしましたが、分かるかも?が1割、残り全く意味不明、で終わりました。平凡な思考の持ち主なので意味が通った日本語しか理解できず、悔しいです。

書いていて思い出したのですが、学生時代に渋谷を利用していたので、「明日の神話」が設置された当時の記憶があります。なかなかアグレッシブなものを置くなあと驚いていましたが、みんな喜んで写真を撮っていました。
頓挫してしまった事業のための作品で、放置されていたのが後に発見されたそうですが、復元前はかなりボロボロだったんですね。


第一章の展示エリアより
手フェチなので気になりました
「マスク」
毒のありそうなかわいさ
「娘と犬」
仲が良さそう
「午後の日」
太郎の墓標でもあるとか…
表面の明るい色に対して瞳の奥は無彩色で土っぽい
無邪気な表情の中に含みがあるのがいい
晩年の作品
未完でもこの迫力
体力もそうだけど、精神力がないと描けないよね

グッズコーナーの充実感が尋常ではなく、1番混雑していたエリアだったかもしれません。
本当に愛されているんだな〜

私はパワーをもらうどころか、むしろ吸い取られた気がしたのでした。

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