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20代白血病患者からみた【病院というコミュニティ】

ざっと私の病歴を説明をしますが
私の詳しいあれこれは固定記事をお読みください(*´꒳`*)

2014年2月19歳で急性骨髄性白血病発症(M4)
2014年11月ドナーから骨髄移植
2015年1月完全退院
2020年4月25歳で再発 腫瘤形成性白血病
2020年11月骨髄移植終了 退院にむけて準備中

そもそも、この記事を書き始めたのは病院にいながら医者や看護師・カウンセラーの手が最も届きにくいコミュニティが存在すると感じたからです。

患者だけのコミュニティ


私が入院している血液内科では1ヶ月ほどの入院を繰り返す患者さんが多いです。入院→化学療法開始(1週間ぐらい)→骨髄抑制期・無菌管理スタート(3週間弱ぐらい)→退院(1週間)→入院……といった感じです。
もちろん、骨髄移植だったり抑制期が抜ける早い遅いはありますが、ふわっとこんな感じ。
1ヶ月の入院生活のなかでは患者同士(特に女性)のコミュニケーションも活発に行われています。よく聞くのはこんな会話。

A 私ね、あと一週間遅かったら死んでたって先生に言われたのよ〜
B あら、そぉなの?良かったわね〜助かって。私もね、骨髄バンクのドナーが1人も見つからなくて大変なの〜。
A あらそぉ、大変ね。私はもうこの年齢だから、移植も受けられなくて……。ドナーみつかるといいわね。

そこに私が巻き込まれるとこんな感じ

A 沙姫ちゃんはどぉなの?
私 (諸々の病歴話し)
B 若いのに大変ね。でも若いから大丈夫よ。
A そぉよ。移植受けられるんでしょ?治るんだから良かったじゃない。若いし未来は明るいわねー。

何回も言ってますが、
若い時から大量の薬剤を使って、身体を痛めつけていることに【未来は明るい】ことはないし、【絶対治る】確率は細胞レベルで考えた場合に100%大丈夫だとは言えないわけです。むしろ、私はおばさま達と違って移植で不妊になったから、これから結婚できるかも分からないし、【夫婦】にはなれても【家族】をもつことは出来ない。下手したら1人で死ななきゃいけないかもしれない。
60や70まで生きられて、家族がいて、死ぬときには手を握ってくれるあんた達の方が未来は明るいだろと。

そんな中、デイルームで食事中に話しかけてきた50代ぐらいのおじさんはこう。

あんた若いのに大変だねぇ。でも、それも運命だから諦めなよ。俺も病気であーだ、こーだ。そういう星に生まれたと思ってさ。まぁ、残念だったね。

そんなのこっちは19歳の時から悟ってる訳ですわ。
50やそこらで病気になって、自分の人生の限界を感じて
『誰かに何かを残したい』って思ったのかもしれないけど、
あんたと私じゃ乗り越えてるものが違うんだわ。
ほんで人が美味しくご飯食べてるときに
勝手に隣座って説教じみた話ししてんじゃねーよと。
お前のせいで食べる気も失せるわと。
次の日も次の日も話しかけてこようするおじさんを
イヤホンつけて背中むけて無視するわけです。

若い女だからって、下に見てんじゃねーぞ。

若いから治るって、どういう理論だよ。

勝手に巻き込まれる会話の中で、
同じ様に入院する患者の無意識な励ましに傷ついて、
そしてそれは、医師や看護師やカウンセラーには
私が言わない限り届かないわけです。

そんなに嫌なら無視すりゃいいじゃん

そう思われた方。無理です。
多分、これは私が女だから特に。
移植で無菌室にいた頃、私の病状は掃除のおばさんから他の仲良しのおばさんに筒抜け状態。
そのおばさんはまた違う、私の知らないおばさんに私の病状を勝手に喋って、私の知らないところで『あの子可哀想なのよ』と話しているわけです。
無菌室から出て初めて会うひとに『沙姫ちゃんでしょ?よく聞いてるわ』と言われる始末。
仲のいいおばさんが、しきりに部屋を訪ねてくるし
おばさま達を無視して2ヶ月同じ大部屋で共同生活を過ごすのは、いずれにせよストレスが溜まるわけです。

実際1人で過ごしてる人がなんて言われるか


あの人、愛想ないわよね。
あの人、挨拶もしないのよ。
あの人、なんだかバタバタうるさくて。

陰口・悪口のオンパレード。
大部屋の実権はおばさま達が握ってますから
20代ペーペーの私は愛想よく、でも大人しく穏やかに、おばさま達の言葉を否定せず聞く。
例え無神経に傷つけられようとも。
決して怒ったりしてはいけない。
この患者同士のコミュニティで起こる
医師や看護師やカウンセラーが知りもしない
【若いから】は何ハラスメントって呼んだらいいですか。

白血病の私はコロナや特発性大腿骨頭壊死症などで働くことが難しいのが現状です。頂いたサポートは医療費や生活費として大事に使わせて頂きます。私の経験がお役にたてば、応援して頂けると幸いです😌