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就活は、初めての航海。 | 就活交換日記

これは、葛藤を抱えながら就活している大学生と、東京で働くクリエイティブディレクターとのリアルな交換日記です。今の就活生が感じる心の揺らぎと、社会人からのさりげないエールをお楽しみください。

前回までの就活交換日記

あらゆることがオンラインになり、2020年は孤独を感じていたという愛さん。しかし、独りであることは自立への一歩だとも捉えるようになったそう。そんな愛さんに対し北さんは、その前向きな姿勢は素晴らしいと伝えました。今はSNSで24時間つながっている時代だから、一度周囲とのつながりを断ってみるのもありなのかもね、と。

#07の就活交換日記はこちらから。

今週は、活動的に過ごしたという愛さんの日記から始まります。

登場人物

大学生の愛さん(仮)
地方文系大学に通う就活生。留学経験がある。ひょんなことから北さんと出会い、交換日記を始めることになった。様々な心の葛藤を抱えながらも等身大に就職活動を行おうと奮闘中。

クリエイティブディレクターの北さん
コピーライター歴、約20年。長年採用広報に携わってきた経験から、採用のクリエイティブをもっと面白くしていきたいという熱い思いを持っている。宣伝会議コピーライター養成講座で、求人広告クラスの講師も担当。

愛さんの今週の日記
「不安と挑戦は紙一重」

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【2021年1月某日】
今週は社会人の先輩と話したり、説明会に参加したりと活動的な週でした。
振り返ってみるとそれなりに就活らしきものはしているけれど、他の就活生がどんな状況なのか断片的にしか見えないので少し不安になります。新年の日記には孤独を楽しみたいなんて言ったけれど、やはり難しいです。
特に今年はオフラインで会うことができなくて、他人のことを知るのは専らSNSの文面や画面の動画越し。中途半端に増えてしまった情報から想像を膨らませて勝手に不安になっているのは私なのに。

そんな時、北さんの「出会っていない会社や人の方が圧倒的に多い」という言葉にふと心が軽くなりました。就活生という立場は大学の次に進む道が決まっていない不安定な立場だけれど、見方を変えると、私は未来を自由に選択できるチャンスを持っていたということ。身近にあって当たり前のことだからこそ、忘れてしまいがちですね。

生きていると自分が傷つかないように保身をしてしまいがちだけれど、かさぶたを沢山作りながら多くの人と会社に出会う旅を続けていきたいなと思いました。

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北さんからの就活エール
「初めての航海のとき」

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日記、読みました。「孤独を楽しみたい」という思いはそう続かなかったかあ(笑)。いや、素直な気持ちを表現できていて、とても良いと思います。で、「出会ったことのない会社や人のほうが圧倒的に多い」という事実の前向きな捉え方も素敵だと思います。

そう、就活って、人との出会いや将来の進路が、学生時代と比べると突然、飛躍的に広がる瞬間なんですよね。たとえるなら、これまで海水浴くらいしかしたことがなかったのに、いきなり「来年から大海原を航海してもらうので、どの船に乗るか決めてください」と言われるような感覚かもね。しかも、港らしきところに並ぶ船も、それぞれの船の船員が指し示している航海のルートも初めて見聞きするものばかり。さらに、この港以外にも大海原を航海している船は無数にあり、なんなら船に乗らず、イカダでひとりで漕ぎ出してもいいよなんて選択肢もある。このカオスのような状況を前に「オレは海賊王になる!」と奮い立つなんてなかなか難しいよね(笑)。

でも、愛さんも書いていたように、すごくチャンスでもあると思います。日本では技術や経験がなくても船に乗せてくれるんだからね。そして、勝手に大海原に連れて行ってくれる。「乗り込んだ船に身を委ねるしかない」というリスクはあるけれど、とにかく大海原に出ることで、学生時代とは比べものにならないくらい新しい出会いが待っています。就活は初めての航海に向けた港での準備のとき。マンガやゲームの物語の主人公になった気持ちでやってみると、案外楽しく、大海原に出ていくことができるのではと思いました。


編集:家洞 李沙(Fanclub)

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