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作品(多層ガラス絵)

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オリジナルな技法「多層ガラス絵」を作りました。ガラスの裏側から絵を描いて重ねて一つの作品にします。一点ものです。派生作品「リバースドローイング」は薄い1枚のアクリル板の裏側から描…
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#ガラス絵

龍にまつわる自作の変遷

龍にまつわる自作の変遷

 龍というテーマに興味を持ち、向き合うきっかけをもらったリクエスト作品をご紹介。その制作にまつわる記事。
 先日、この龍の持ち主のコレクターの方が、この作品も含むコレクション展を成功させた事を知りました。
 私の作品が多くの作品と触れるきっかけの一つを担っていたならとても嬉しい事です。制作の励みになりました。

 その後、再度描きたい気持ちが起こった為、自分なりに対作品を制作しました。
 この作品

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「鷺藪」(Heron bush)/個展「かくれざと」出品作#10

「鷺藪」(Heron bush)/個展「かくれざと」出品作#10

 鷺藪についてはこちらの記事に書きましたが、すっかり減ったとは言え、川沿いを散策すると今も鷺をしばしば見かけます。地図から引用した形と、昔の見沼、鷺の姿を重ねました。

お問い合わせは福福堂まで。(伊勢丹浦和店は会期中のみ対応。)

「月影あそび」(Moonlit play)/個展「かくれざと」出品作#1

「月影あそび」(Moonlit play)/個展「かくれざと」出品作#1

 渋めの黒とゴールドのフレームです。多層ガラス絵としてはやや大きめのサイズ。

 出品作品は随時更新していきます。会期前のご予約も可。
 本作は個人蔵になりました。ありがとうございます。

龍神の絵/完成

龍神の絵/完成

 風を抱く龍神。
 地上の人間の営みの層を重ね、完成です。

「科戸(しなと)」(wind occur)
多層ガラス絵(2層)
545×425mm

多層ガラス絵のテクニック−2 「グランドを針で掻き落とす」

多層ガラス絵のテクニック−2 「グランドを針で掻き落とす」

前回、裏側から描くことについて書きましたが、今回はなにで描いているのかということについて。
 私は多層ガラス絵に、銅版画の材料とテクニックを応用しています。
 まず、ガラス面全体に、ごく薄くグランドを塗布します。暗さが必要な場合には火で炙り、煤で濃淡を調整します。

グランド:銅版画のエッチングで使用するマスキング剤。蜜蝋とアスファルトが主成分。

 次に、図となる箇所以外の全てを削り落とします。

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私の作品について/見るなの座敷から

私の作品について/見るなの座敷から

「私が留守にしている間、この屋敷内のどの襖を開けても構いません。けれど、あるひとつの座敷だけは、絶対に開けて見ないでください。」
木こりは、自分がよく見慣れたはずの山で道に迷い、見た事もない豪華なお屋敷で歓待を受けた後、屋敷の主人に前述のように告げられます。しかし、禁忌は好奇心への誘惑・・・ついには禁を破り、その座敷を覗いてしまいます。刹那、もとの山道にいる自分に気づき、呆然と立ち尽くすその頭上を

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金の龍の作品、完成。

金の龍の作品、完成。

 リクエスト制作の金の龍、ついに完成しました。
 「朧」というタイトルには、見た事のない幻想的な何か、という意味と明るい月夜の両方の意味を込めました。
 想像の中に棲むモノを描くことは、とても興味深かった。

 月の光は太陽を反射したもの。見せかけの輝きは、その反射で直接目にすることの出来ない光の存在を闇の中に灯します。それはまるで私たちの想像力そのものです。
 制作を通し、そんな龍と夜の親和性の

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コレクターさんから頂いた自作の動画

コレクターさんから頂いた自作の動画

「月下逍遥」(Take a walk under the moon)
 2021 ガラス絵 個人蔵

 コレクターさんが撮影した動画を送ってくれました。この作品は特製の硯屏仕立てです。
 アップの許可得ています。SNSでは著作権に配慮しBGMは消しましたが、オリジナルは素敵な音楽と共に観れます。
 こういうのを頂くと、自分の手を離れたところで作品が生きているようでとても嬉しいです。

鹿の歩み。

鹿の歩み。

前回からの続き。仕上げ。

「鹿歩」Deer Walk
2023年制作
リバースドローイング
φ110mm

 福島の鹿島神社に出品予定です。
 
追記
 個人蔵になりました。

鹿と散歩する絵。

鹿と散歩する絵。

 1mmのアクリル板の裏に塗布したワックスを掻き落としていく。

 四つ足の動物も時々描きます。

 続く

ガラス絵の制作動画。

ガラス絵の制作動画。


月と後光の層箔張り。↑

うさぎの宴の層着彩。↑

 その表から。↑

白蛇の層を磨き上げる。↑

 続く。

白蛇掻き落とし&着彩。

白蛇掻き落とし&着彩。

 手前のうさぎ達の層を着彩した後、蛇の層を再度掻き落としていく。

これで削り終え、着彩。

 重ねる際に隙間となるスペーサーを作る。

 各層を磨き上げたらフレームにはめ込みます。

 続く。

描けば描くほど消えていく絵。

描けば描くほど消えていく絵。

 シルエットを更に描き込む。描き込むと言っても掻き落としなので、絵はどんどん減っていく。後戻りは出来ない。
 この工程はどんどん絵が出てくる感じで描いていてワクワクする。そして時間はかかる。 

 全体の掻き落とし完了。
 絵の具や箔を入れていきます。