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AIR’24長浜

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2024年5/5〜/9 長浜での滞在制作、アーティストインレジデンスを行いました。
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風、紙と水。

風、紙と水。

AIR最終日。この滞在ではこの間に制作した作品を一点寄贈します。

 万年筆による絵のある和紙と繋がる木片と金輪は、この宿で採集した桶の破片です。サウナを案内してもらった際、バラバラにほどけた古い桶が、そのままそっと置かれている光景に出会いました。水を汲む役割とそこに流れた時間をその身の跡に刻み、箍(たが)のはずれた美しい欠片。

 湖北には130体以上の仏像があり、住民が心を込めお世話しているそ

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波兎を追いかけて/竹生島

波兎を追いかけて/竹生島

 滋賀での滞在制作も終盤。
 江ノ島、宮島は何度も訪れましたが、竹生島は未経験だったと思い、この機会に行ってみることにしました。

 元々竹生島にはじめに興味を持ったのは、 謡曲(能) 『竹生島』 (ちくぶしま) の一節からです。

『 緑樹影沈んで 魚木に登る気色あり 
月海上に浮かんでは 兎も波を奔るか 面白の島の景色や 』

 島の木々の影が湖畔に映り、まるで魚たちが木を登っているように見え

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かんのんののかみ

かんのんののかみ

AIR中、高月町へ。同じ長浜市内ですが、観光地っぽい元浜町と雰囲気は結構異なります。綺麗で隅まで気がきいていて、手をかけられている事は町の随所に感じられつつも、どこかほっとかれている感じがあります。それがまたいい。

 GW明けとはいえ、がらんとしていました。係りの方以外自分の他、誰もいません。教科書でも見たことのある観音像、渡岸寺観音堂の十一面観世音菩薩像、国の重要文化財である大日如来像、そして

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樹齢400年の大杉の、湿気をとる/ショート動画

樹齢400年の大杉の、湿気をとる/ショート動画

 雨で濡れた樹皮に和紙を当てる。

 このかっこいい撮影/編集は、昨日のnoteで触れた、地元在住の作家仲間がしてくれました。自分1人で制作している作家は、それを写す別の人がいないと、記録は”結果としての作品”というその物体しか残りません。
 どこからともなくポンと目の前に現れた作品、にも勿論魅力を感じるものは沢山あります。一方で、その周辺も含まれたアメーバ状のものもやはり作品なのだ、と感じていま

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樹齢400年の大きな杉に会いにいく。

樹齢400年の大きな杉に会いにいく。

AIR中、元浜町から少し離れ、彦根へ。この町には知り合いの作家が住んでいます。

 この町には樹齢400年の大杉があると知り、車を出してもらうことに。

 私は各地で展覧会を開催する合間に、その土地の大木、古木のドローイングをしています。基本は徒歩です。今回はありがたいことに現地に知り合いがいた為、割と足を伸ばせました。

 まず一度、フロッタージュをしてみました。結果、紙の裏に雨上がりの樹皮の湿

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日本最古の駅舎で。

日本最古の駅舎で。

引き続き元浜町。

 鯖そうめんは、滋賀の名物だそう。
 湖北の5月、田植えで忙しくなる季節。農家に嫁いだ娘を気遣い、嫁ぎ先に鯖を送る「五月見舞い」という習慣があったそうです。送られてきた焼き鯖に保存食のそうめんを合わせたのがルーツとか。

 夕方は軽くクラフトビールを飲み、早々に宿へ。飲み屋以外は16時くらいには店を閉め始めます。長浜の夜はとても静か。

続く

滋賀でアーティストインレジデンス/元浜町

滋賀でアーティストインレジデンス/元浜町

和乃リトリートひといき さんでのアーティストインレジデンス(AIR)。まずはAIR主催のオーナーと専門スタッフの付き添いで、長浜の宿周辺の町を散歩がてら案内してもらいました。その場所のお話も伺えます。

 午前中は何も描かず、町をうろついたり紹介された方とご挨拶して過ごしました。見知らぬ町に来ると常に好奇心が刺激され、ずっと飽きません。

続く

関西巡り/京都の展覧会から滋賀のレジデンスへ。

関西巡り/京都の展覧会から滋賀のレジデンスへ。

 ここからレジデンスが始まります。この長浜の地で何が出てくるか楽しみ。
 AIRで招待してくれた会場の宿はこちら

続く