長野県の齋藤木材工業

長野県長和町の齋藤木材工業です。大型物件等に使われる建材を、近くの山にある唐松(カラマ…

長野県の齋藤木材工業

長野県長和町の齋藤木材工業です。大型物件等に使われる建材を、近くの山にある唐松(カラマツ)を使って製造しています。豊かな山を次の世代に残すために何ができるかを考えています。http://www.saito-mokuzai.co.jp/  https://mori-naka.jp/

マガジン

  • 勉強会

    当社では社員教育制度の一環として定期的に社内勉強会を行っています。社内勉強会で実施している内容についてや、勉強会を通して学んだこと・感じたことをご紹介します。

  • カラマツ集成材の行方

    当社が製造する信州カラマツの集成材は、建物に使われることが多いですが、それ以外にも使われています。そんなカラマツ集成材の行方をご紹介します。

  • 社有林の調査を通じて川上の現状を学ぶ

    当社には法人で所有している山林があります。川上(森林所有者や素材生産者等)で何が起こっているかを理解するために、まずは自分たちでこの社有林の活用を考えてみることにしました。

最近の記事

刑務作業からつながる道

松本市にある松本少年刑務所は、全国に6つしかない少年刑務所の一つです。刑務所内に公立中学校があることでも知られています。 松本少年刑務所では木工をはじめ、印刷、縫製、自動車整備、金属解体、紙加工などの刑務作業をおこなっており、民間企業も仕事をお願いすることができます。 弊社はイベントや移動教室にくる中学生等にノベルティとしてスマホスタンドを差し上げていますが、その製作を定期的にお願いしています。 カラマツは他の針葉樹に比べて強度が高いため、加工は難しいところがありますが、

    • 地域の企業が集まって地域の森林を支える仕組み

      長野県の上田市周辺は、上小(じょうしょう)地域と言われています。この地域にある市町村林、財産区林等は、SGEC(エスジェック)という国際的な森林認証を得ています。面積は9,443haと広大です。 この森林で行政の林務担当者、森林組合の方々が様々な調査研究を30年かけておこなうプロジェクトが始動しました。実験をしてもその最終的な結果がでてくるのが、60年、70年後という林業の世界では、データがないもの、わかっていないこと等が多く存在しますので、このプロジェクトは将来世代に有益

      • 先生たちと造り上げる長和町移動教室

        今年も江東区立有明西学園の8年生の皆さんが移動教室で長和町にお越しいただきました。 2018年に新設された有明西学園の校舎には、長野県産カラマツの構造材が多く使われており、当社がその製造を担ったことが縁で、交流が始まりました。コロナ禍で実施ができなかったり、規模を縮小したり、内容を変更したりなど、様々ありましたが、継続的に移動教室は開催されています。 この実施に当たっては、 3月に先生たちが事前に当社までお越しいただき、話をする内容、時間割等の打ち合わせをし、当日のカリキュ

        • 若い人たちに林業を継承したい(有限会社金山林業)

          長野県東部に位置する上田地域(上田市、東御市、長和町、青木村)は、上小(じょうしょう)地域とも呼ばれています。上田駅から東京駅は新幹線で1時間半程の距離で首都圏からのアクセスも便利な場所です。 長野県の人工林を樹種別にみるとカラマツが約半分を占めるという特徴がありますが、上小地域はカラマツが57%、アカマツが23%、ヒノキ9%、スギ9%となっており、カラマツの割合が特に高い地域です。 もともとカラマツはこの地域に自生していた固有種であるため、生育環境が適していることもあり

        刑務作業からつながる道

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        • 勉強会
          1本
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          2本
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          4本

        記事

          東信木材センターの取り組み

          当社では社員教育制度の一環として定期的に社内勉強会を行っています。 今回は当社製品の主な材料であるカラマツ丸太の仕入先、東信木材センターを見学させていただきました。 東信木材センター協同組合連合会の代表理事専務である小相沢徳一様、所長の伊藤淳様にご協力いただき、センターでの取り組みについてお話をお伺いしました。 代表理事専務 小相沢徳一 様 所長 伊藤淳 様 長野県内には北信、東信、中信、南信と4地域それぞれに原木市場があります。山で伐採された丸太を集荷し、流通させる機

          東信木材センターの取り組み

          長野県らしい紅葉 カラマツ黄金色に輝く

          10月は暖かい日が続いていて、長野県の紅葉も遅れがちでした。 まず色づき始めるのがサクラの仲間。主要道路の路肩や、チェーン脱着所などの駐車スペースにはよく植栽され、根本に吹き寄せられる落ち葉はレッドカーペットのようでとても風情があります。 木の梢の方から赤く色づき始め、風に吹かれだんだん落葉します。その後、シラカバやヤナギの仲間やカラマツの緑が、少しずつ黄色に変化します。ミズナラ、コナラ、クヌギは赤み掛かった茶色に。またモミジの仲間がオレンジから深紅に日々変化し、山肌にパッ

          長野県らしい紅葉 カラマツ黄金色に輝く

          清万採種園

          浅間山の麓、標高約1000mのところに、中軽井沢と小諸を結ぶ「1000m林道」という35㎞ほどの林道があります。 その中間あたりにある御代田町には「清万採種園」があります。 そこにはカラマツ・アカマツの精英樹クローンが均等配置され並んでいます。 精英樹とは、品種改良の観点から生長の度合い、姿、材質など特に優れている木のことです。 ここは昭和35~37年にかけて全国的にも例をみない面積約45haの採種園として設定されていました。 カラマツは地元佐久地方をはじめ長野県内及び

          日本最古のカラマツ人工林

          当社の集成材は、長野県にたくさんある「カラマツ」という木を使い製造しています。 カラマツは日本固有の樹種で、日本の針葉樹のうち唯一の落葉樹です。 秋になると紅葉し、山の景色を美しく彩ります。 江戸時代の後期、全国的に造林が盛んになり、長野県では成長が早く、育苗が容易、そして根付きが良いためカラマツが積極的に植栽されたそうです。 カラマツは厳しい寒さの中でもたくましく育ち、強度が強い木材として定評です。 浅間山の麓、標高約1000mのところにある、中軽井沢と小諸を結ぶ35

          日本最古のカラマツ人工林

          長野県の新緑は日本一だと思う

          今、長野県は新緑の季節を迎えています。 紅葉が綺麗なところは、新緑の季節もとても綺麗です。 以前、NOTEの記事で、~広葉樹と針葉樹を合わせると、東信地区の上田地域では約7割の木が紅葉しますし、佐久地域では約9割が紅葉します(民有林の樹種の割合から計算しています)~と書きました。 長野県の東信地区の山には、針葉樹で唯一落葉するカラマツが非常に多いため、紅葉と新緑が山一面に楽しめます。 コロナ禍で、いつもほどの賑わいがない軽井沢ですが、軽井沢の爽やかな新緑を演出するカラマツに

          長野県の新緑は日本一だと思う

          工場紹介~「林材工場」

          現在、長野県の人工林のうち約55%がカラマツ林で、当社のある東信地区でも半分以上をカラマツが占めています。当社では地域材であるカラマツの丸太を受け入れ、製材し、集成材の製造・加工を行っています。 この記事では、丸太の製材から集成材にするための接着までを行っている「林材工場」をご紹介します。 林材工場(りんざいこうじょう) 当社の林材工場は、本社より約4.4㎞程離れた、車で10分程移動した場所にあります。このマップからもわかるように周りが山に囲まれた工場です。 林材工場には

          工場紹介~「林材工場」

          上田市に消毒スタンドを寄贈させていただきました

          当社オリジナルで製作しました、信州のカラマツ丸太を使用した足踏み式消毒スタンドを上田市役所へ寄贈させていただきました。 消毒スタンド寄附贈呈式 左から当社営業部部長 塚田、上田市長 土屋様、 当社代表取締役 齋藤、上田市森林整備課課長 高見澤様 早速、上田市役所の入り口に設置して頂くこととなりました。 上田市長土屋様、上田市役所の皆様、お忙しい中、貴重なお時間を頂き誠にありがとうございました。 当社オリジナル消毒スタンドは、長野県に多く分布するカラマツという木を使い作ら

          上田市に消毒スタンドを寄贈させていただきました

          やまぼうし自然学校さんで自然と人との関わり方を学ぶ

          当社がある長和町のお隣、上田市の菅平高原に「やまぼうし自然学校」がある。NPO法人化されて20年の歴史を有する。 NPO法人は志の高い方が設立することが多いが、それだけで長く継続できるわけではく、息切れしてしまうNPO法人をいくつか見てきた。企業もそうだが、継続するということは本当に難しいと思う。色々と苦難はあったとは思うが、20年の歴史というのはすごい。 やまぼうし自然学校 HP https://www.yamaboushi.org/ やまぼうしさんのことは存じ上げてお

          やまぼうし自然学校さんで自然と人との関わり方を学ぶ

          「信州唐松丸」足踏式消毒スタンドを製作しました

          新型コロナウイルスの影響で一時品切れになった消毒液。今ではほとんどの場所で消毒液が設置されるようになりました。そんな消毒液ですが、手で触れず足踏式で消毒できる衛生的なスタンドを、当社オリジナルで製作しました。 スタンドに使われている木材はすべて当社オリジナルブランドの唐松丸を使用。 「唐松丸」とは、信州のカラマツ丸太の製材から一貫して当社で製造された高品質なカラマツ集成材です。 カラマツは他の樹種に比べて強度と耐久性があることで評判です。 消毒液の容器のサイズによって高

          「信州唐松丸」足踏式消毒スタンドを製作しました

          長和町林務係に訪問して、森林環境譲与税について学ぶ

          令和元年度(2019年度)から森林環境譲与税が全国の地方自治体に譲与が始まった。当然当社がある長和町にも譲与がされた。これを長和町ではどのようにお金を使って行くかは、当社にとっても関心が高いところ。 当社がカラマツ集成材を製造する際に使用する丸太は、当然、長和町産のものも含まれる。長和町が、木材の利用促進に森林環境譲与税を利用することも充分に考えられる訳で、そうなれば、当社の事業に多少なりとも好影響がでる。 そもそも森林環境譲与税とは? 森林環境譲与税を理解するためには

          長和町林務係に訪問して、森林環境譲与税について学ぶ

          カラマツ集成材の行方~その2(そのデスクは会社の「らしさ」を表現する存在だった)

          当社が製造する信州カラマツの集成材は、建物に使われることが多いですが、それ以外にも使われています。 今回は、長野市にある株式会社JBNさん(https://www.jbnet.jp/)にお伺いしました。 JBNさんは、「伝わる」をふやすをMissonに掲げる、Webというツールを使って企業と顧客の対話を創造する事業を展開されています。2017年、JBNさんは事業拡大に伴い、現在の住所にオフィスを移転。その際にデスク用に当社のカラマツ集成材を購入いただきました。 その時の様子

          カラマツ集成材の行方~その2(そのデスクは会社の「らしさ」を表現する存在だった)

          社有林の調査を通じて川上の現状を学ぶ~その4

          引き続き、森林組合の方と社有林をどうするかを検討している。 当社の経営理念には「豊かな山を次の世代に繋ぐ」という言葉がある。経営理念は企業が持つ価値観であり、この価値観に基づき事業活動は行われるべきものである。 社有林の一つに手を加え、そこを使った社員研修をして、知識を得ることには意味がある。しかし、部分的に活用するよりも、より広い林班という単位で山に手を加えていく選択をした方が、「豊かな山を次の世代に繋ぐ」ための行動と言えるのではないかと考えた。なおかつ、社員研修は社有

          社有林の調査を通じて川上の現状を学ぶ~その4