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若い人たちに林業を継承したい(有限会社金山林業)

長野県東部に位置する上田地域(上田市、東御市、長和町、青木村)は、上小(じょうしょう)地域とも呼ばれています。上田駅から東京駅は新幹線で1時間半程の距離で首都圏からのアクセスも便利な場所です。

長野県の人工林を樹種別にみるとカラマツが約半分を占めるという特徴がありますが、上小地域はカラマツが57%、アカマツが23%、ヒノキ9%、スギ9%となっており、カラマツの割合が特に高い地域です。

もともとカラマツはこの地域に自生していた固有種であるため、生育環境が適していることもあり、上小地域のカラマツは強度が高い特徴があります。今このカラマツが収穫期を迎えていますが、その担い手が不足しています。
 ”山のことは森林組合に”というくらい、民間林業事業体が少ない上小地域。元森林組合事務職から独立され、地域の山のことをよく知る有限会社金山林業 社長の金山文雄さんに仕事の内容、求人について話を伺いました。


日本の林業は世界の林業に比べると100年は遅れていると感じています。以前よりヨーロッパの林業を視察に行っています。デンマーク、ノルウェー、オーストリア等。日本とは違い山がとてもきれいですっきりしています。国民の森林に対する意識が違うのだと感じました。今でも山は、木材やエネルギーを生産するための重要な資源で、採取と持続的な管理を繰り返しながら産業が継続しているからでしょう。日本も以前のようにもっと生活の中に木を取り入れるべきでしょうし、継続性や将来のことを考えて山造りができる人が必要です。

当社は行政と助成金に依存しない民間の競争の原理で、個人の森林を管理していきたいと思っています。再造林は植林だけでなく天然更新を含め、多様な環境が混ざり合っていたほうが治山や自然災害の防止にもつながり、生物多様性も保存されるはずです。とは言え、長く林業に携わっていますが、いまだにわからないことも多くあり、情報収集しながら試行錯誤する毎日です。



やっぱり木が好きなことでしょうか。それが一番かもしれません。木の仕事ですから。林業に挑戦したい気持ちがあり、新しい方法を試しながら頑張れる人であれば経験は問いません。

教育は?

安全管理や資格取得については、長野県の緑の雇用制度を利用し、未経験の方でも研修や資格取得など働くための教育をします。
詳細は(一財)長野県林業労働財団HP https://nrinrou.net/

現場では、分担制固定の作業ではなく、作業ローテーションできるように、経験者が指導しています。作業担当者は、現場条件によって得意な作業と不得意な作業がありますが、少人数で複数の現場を同時に進めるには様々な作業をできる人材を養成していると効率良く作業ができます。急な欠勤でも交代作業ができると休暇が取りやすくなります。
技能者全員が能力を生かせる作業の仕組みを構築した取り組みが高く評価され、平成30年度 国有林間伐・再造林推進コンクールにおいて「搬出間伐部門 林野庁長官表彰(最優秀賞)」に選定されました。

林業事業体としての特徴は?

安全性と生産性の向上に有効な高性能林業機械の導入を積極的に進めています。この地域にある高性能林業機械はそれほど多くはありませんが、そのほとんどの種類を備えています。助成金を利用して購入したものもありますが、かなりの高額ですが、自己資金で購入された機械も多くあります。労働環境を改善するため、素材生産量を増加させるには、機械化が必要です。

従業員の声

金山社長の下で、現場を任されているメンバーの中心的存在は石井良典さん(40歳)です。34歳で転職してから林業に従事されています。林業に関心を持ち、長野県林業労働事業団緑の雇用の説明会に参加された時のこと。「面接者が多く、他の事業所ブースがどこも込み合う中、金山社長の前は誰もいなかったので、話を聞いてみました。」このタイミングが就職につながりました。

石井さんは日頃から情報収集に積極的で、海外の高性能林業機械について頻繁にリサーチされています。作業しやすいものがないか、故障してしまった場合はどうしたら直るのかをメーカー担当者に問い合わせることも石井さんが自ら行います。部品を送ってもらい、説明を受けたり質問したりしながら自身で修理や取り付けをしてしまうそうです。

石井さんは自分の考えや、やり方を直接金山社長に提案し、実現に向けて試行錯誤を繰り返していらっしゃるようです。信頼関係ができているからこそ、良いことも悪いことも言い合える、お互いに遠慮なく、でも尊重しあっていることが感じられました。

金山社長から現場を任されている石井さんは、責任感ある頼れるリーダー。ご自分の経験から、他のメンバーが働きやすいようにアドバイスされる様子がうかがえました。こんな若き先輩についていく新たな作業員さんが増えると、この地域の素材生産量が増えていくのではないでしょうか。


自分も年を取ってきて、いつまでもこの仕事ができる訳ではないので、若い世代に仕事を任せていきたいと思います。若い世代がやりたいようにやればいいと思っています。民間企業なので、人が増えればできる仕事の内容も変わってきます。それを裏で支えるのが今後の自分の役割です。



雇用条件・待遇

雇用形態 正社員

仕事内容 皆伐、枝打ち、除伐などの森林管理作業、事務作業

期間 雇用期間の定めなし

給与 勤務した日数に応じた月払いの給与体系

    日給9,000円~10,000円※昇給・賞与あり
    試用期間1ヶ月(試用期間中の給与は月給と同額)
    経験者は能力に応じて給与優遇あり
    収入を増やしたい人は休日出勤をすることもできます
    休日出勤手当支給あり
    月収例 土日休みの場合 195,300円~217,000円 + 手当

待遇 社会保険完備(雇用保険、労災保険、健康保険、厚生年金)

傷害保険あり
昇給あり(年1回)、賞与あり(年2~3回)、通勤手当あり(上限10,000円/月)
時間外手当あり、休日出勤手当あり、退職金制度あり(林業退職金共済)

資格・経験

年齢 50歳まで
経験 未経験OK
免許 普通自動車免許(MT必須)
※経験者優遇
※基本的なパソコン操作出来る方優遇
(年齢は長期勤続によるキャリア形成のため若年者等を対象)

勤務時間 8:00~17:00(実働7.5h程度)
1日のスケジュール
 7:30~8:00出社、準備、現場移動
 8:00~10:00 現場作業
 10:00~10:15 ミーティング、休憩
 10:15~12:00 現場作業
 12:00~13:00 昼休み
 13:00~15:00 現場作業
 15:00~15:15 休憩
 15:15~17:00 現場作業 

休日・休暇 土日休み ※繁忙期は土曜日に出勤あり
   お盆休みあり(4日) 年末年始休暇あり(7日)
 年間休日105日
 ※6ヶ月経過後の年次有給休暇日数 10日

勤務地 長野県上田市腰越
※本社までは自家用車での通勤が必要です。本社から作業現場までは社用車で移動します

寮・社宅 なし
 ※周辺家賃相場40,000円~50,000円/月程度


会社概要

企業名 有限会社金山林業
事業内容 林業

材木生産量 8,000㎥
間伐面積 約100ha
機械設備 大型トラック2台、バックホー5台、ハーベスタ、スイングヤーダ、運搬車6台
設立年月 2001年5月1日
資本金 300万
所在地 〒386-0403 長野県上田市腰越1923-1
代表者 金山 文雄(カナヤマ フミオ)
従業員数 4名



技術でつなぐ木のみらい 齋藤木材工業株式会社 :https://saito-mokuzai.co.jp/
森を循環させるウェブメディア 森の中 :https://mori-naka.jp/

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