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東信木材センターの取り組み

当社では社員教育制度の一環として定期的に社内勉強会を行っています。
今回は当社製品の主な材料であるカラマツ丸太の仕入先、東信木材センターを見学させていただきました。
東信木材センター協同組合連合会の代表理事専務である小相沢徳一様、所長の伊藤淳様にご協力いただき、センターでの取り組みについてお話をお伺いしました。

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代表理事専務 小相沢徳一 様

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所長 伊藤淳 様

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長野県内には北信、東信、中信、南信と4地域それぞれに原木市場があります。山で伐採された丸太を集荷し、流通させる機能を担っています。各市場は周辺地域に生育する樹種を主に取り扱うため、東信木材センターでは佐久地域と上小地域の木材を集荷していて、カラマツ材が約80%とそのほとんどを占めています。

センターに集められた丸太は自動選別機によって1本1本計測と画像記録が行われ、データが保存されます。1日に3,000本の選別をすることができるそうです。
A材と呼ばれる真っすぐな材、B材以下の曲がり材など欠点のある材に分けたのち、太さ1㎝刻みで仕分けられ、太さごと山積みされます。

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東信木材センターではこのように細かく仕分けて販売することで「売り手」と「買い手」の両方にメリットをもたらす「一目選木」を売りにしているそうです。
山で伐採され集められた丸太は、太さや曲がりなど様々で選別する必要がありますが、現場での選別は大変手間がかかります。売り手はセンターに販売することでその手間を省くことができます。また、センターでは13cm以下の小径木も1㎝刻みで仕分けするため均一な太さの丸太を販売することがき、販売価格UPにもつながります。そして買い手にとっても用途に合った丸太だけをまとめて購入することができるため、双方にメリットをもたらすことにつながります。
流通コストについても工夫されていて、運送トラックは運んで終わりではなく、往復荷物を積めるよう出荷や仕入れ相互に計画をたてることによって、輸送費を節約しコストダウンを計っています。この努力によって削減された経費は、丸太の買取り価格アップにつなげ山に還元しているとのことでした。
売り手と買い手、さらには運送業者にメリットをもたらす「三方よし」によって、年間取扱量をさらに伸ばしていくために努力をされているそうです。

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東信地域は非常にカラマツが多く、カラマツの原産地でもあります。
寒暖差の激しい場所でたくましく育つカラマツは目の詰まりがよく強度が高いことで知られていて、長野県産カラマツの品質は全国的にみてもトップレベルだと小相沢専務がお話くださいました。
そんなカラマツですが、主な生産地は長野県の他に北海道、岩手がありますが、他の県に比べ長野県は伐採量が少なく蓄積量が多く、ほとんどの林が成熟期になっています。現在収穫時期を迎えていますが、これを逃すと寿命となり、品質が下がると同時に木材としての価値が下がります。また、植林地は樹齢が同じ林であるため、同時期に枯れていくことになれば国土を守る森林としての機能も低下し、自然災害にもつながる可能性があります。

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引用:長野県林業統計書 令和元年

伐って木材として利用し、新たな元気ある森を育てることが急務になっているということがよく分かりました。


今回の勉強会で長野県のカラマツは大変価値の高い木材であることを改めて感じ、そしてそのカラマツを使い、製品化・販売できていることを誇りに感じる機会となりました。
今後も東信木材センターや関わりのある企業と協力し合い、信州カラマツの需要を喚起していきたいと思います。

小相沢様、伊藤様、お忙しい中貴重なお時間をいただき誠にありがとうございました。

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