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時計の契約:第4章19時

19時:魔法の宝庫と謎めく光

はるもまた、同じように苦しむ俺を見つめながら、無力感と絶望に打ちのめされた。すると悪魔たちの細くて長い指が本に触れた。その瞬間、体が空中に浮き地面へと落ちた。息苦しさが一気に和らぎ、心の中に深い安堵が広がった。
「ありがとう」とまた同時に感謝を述べた。憎むべき悪魔だったはずなのに、いつの間にか恐れも憎悪も消えていたことに自分でも驚いている。ただ今は時間がない。急いで次へ向かわなくては。俺たちは立ち上がり、パズルを持って次の目的地へと向かった。
 
次は、図書館から魔法の宝庫へと足を向けた。曲がりくねった廊下を進み、古代の知識や魔法の秘密が封印されたその場所へと辿り着いた。まず目に飛び込んできたのはその壮大な広さだった。高い天井が光を反射し宝庫全体を明るく照らし、その光は不規則に差し込んで、奥深くの書物や宝石がかすかに輝いているのが見えた。
 
魔法の宝庫は高い天井と大理石の柱が立ち並び、壁一面には古代の書物が並べられていた。巨大な本棚が広がり、その中には色とりどりの巻物や装飾品が収められている。時折、二人が通り過ぎると、古い本の匂いが鼻をくすぐり、古代の知識が宝庫全体に漂っているような感覚に包まれた。
 
宝庫の奥深くを探索する。古代の知識や魔法の秘密に触れることで躍動し、冒険の興奮が高まるのが分かった。
俺たちは、宝庫の中を慎重に探索した。書物を見つけるため、目を凝らして本棚を調べ始めた。
最初は、書物が収められている可能性が高い本棚を重点的に探してみた。巨大な本棚の間を歩き、一冊一冊丁寧に書籍を手に取り、タイトルや装丁を確認する。
 
時折、古代の文字や記号で書かれた巻物に目を留めるが、その中には時の本に関する手がかりが見当たらず、探索は難航していた。時間がたつにつれ、体力がどんどん弱っていっていることを感じ始めた。急がなくちゃ。
 
そして、その時、遥がふと目にとまった一冊の本が関心を引いた。それは、見慣れない装飾や模様が施された、他の書籍とは異なる存在感を放つ本だった。遙がその本を手に取ると、その瞬間、本の表紙がゆっくりと開き、中から奇妙な光が放たれました。俺と遙は驚きつつも、その本の中身を確認する。


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