詩 『自然と生命の芸術』

作:悠冴紀

我等はただ生まれ
ただ生きていく

存在に特別な意味も理由もない
何の使命を課せられてもいない
それでいい

大義名分を探さなくていい
白か黒かに囚われなくていい

個性と 自然と 偶然と……
芸術だけがここにある

森の色彩に目を細め
鳥たちのさえずりに耳を傾け
木々の香りに酔い痴れ
宇宙の神秘に圧倒され
海の深みに魅せられて
……

詩を詠い 音を奏で 色を操り
時代の芸術を生み出していく

歌声は河の流れに乗り
流れは光の粒子を水面に転がし
光は影に形を与え
影は存在に証拠を与え
存在がまた〈今〉という芸術を生む

何度も何度も繰り返し
時間が深みを加えていく

いくつもの時代といくつもの生命
いくつもの文明といくつもの芸術

積み重ねて 積み重ねて
世界が芸術で溢れ返る

何者をも裁かず 意味付けもしない感性の場
自然と生命の芸術がまたここに
歴史の層を重ねゆく

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※2002年(当時25歳)の作品。


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