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情報を見極める力

世の中にはたくさんの情報が溢れていますよね。

現代はインターネットやSNSなど誰でもスマートフォン一つで簡単に情報を手に入れたり、逆に情報を発信することも可能です。

情報を簡単に得られること(発信できること)は…

刺激に繋がったり、
学びを深めたり、
他の人の視点を知れたり、
繋がりのきっかけとなったり、

などなど、非常にメリット(良いこと)が多いですよね。

反面、情報に溢れているからこそ、情報を見極める力がなければ”情報に振り回されてしまう”という問題も出てきます。

そのうちの一つとして、情報を仕入れる時に、自分の知りたい情報や自分が信じたい情報ばかりを意識してしまい”思考や視点が偏ってしまう”という問題があります。

先日、とある上司Aが部下のB職員と話しをしていました。

上司A『〇〇という人は、だいたい〇〇という特徴を持っています。だから〇〇という形でアプローチして…』

B職員『そんな見方や考え方があるんですね。知りませんでした…』

その後、しばらく経ってからB職員がある企画書を提出してきました。

私がその企画書について『この企画書の〇〇という狙いとその根拠は何でしょうか』と私が尋ねると、

『A上司から先日〇〇と指示をいただいたので〇〇としたんです』と話してくれました。

細かい経緯は割愛しますが、
結局のところ、A上司はインターネット上で仕入れた断片的な情報を個人的な解釈"一つの考えとして提案"という意味合いで職員Bに伝えていたようです。

職員Bは一提案とは受けとらず、尊敬するA上司から指示に近い意味合いで受けとった職員BはA上司からの話しを鵜呑みにして今回の企画を提出してくれたのでした。

結果的に企画書については、再度練り直してA上司とB職員の考えた方向性で実行することにはなりました。

しかし、このケースは『情報を見極める力』について様々な面で考える貴重な機会となりました。

ここまで読んで下さった方の中でも、このような経験をしたことがある方は多いのではないでしょうか。

ここまでの文章の中で、A上司とB職員に対して様々なツッコミどころがあるとは思うのですが、そのような諸々は一旦置かせていただき、今回は情報の見極める力についてご紹介したいと思います。

情報を断片で判断すると解釈を誤ることがある

様々な情報がある中で、一部だけを切り抜いて考えたり判断したりすると、事実とは異なる解釈になってしまう場合があります。

中には断片的に情報を切り取って見極める力を持っている人もいるのですが、そういった方は稀ですよね。

簡単にイメージするために、以下の図が何かを考えてみるとわかりやすいかもしれません。

Q1、図1は何に見えますか?

図1

Q2、図2は何に見えますか?

図2

ちょっと意地悪な画像ですが…笑
全体を見ると答えが変わってくるものもあるんです。
私が図を使って説明したかった本質は”全体を見て判断”するということです。
Q1、図1は何に見えますか?という質問の時点では、
A=情報?黒い部分は何だ?大半の方がこのような答えになったのではないでしょうか。
※図1は図2の4分の1の画像です(左上だけの一部の画像)

とはいえ、情報を見極めるときは全てを確認してからと画一的に対応すると、いくら時間があっても足りませんよね。

ですので、情報を見極めるコツの一つとして、あくまで自分がしっかりと理解する必要のある情報は全体を知るように心がけるというのがおすすめです。

人にはバイアスという思考がある

人は何かを確認したり、判断するときに先入観や偏見の影響を受けます。このバイアスにより、偏った見方になってしまい解釈を誤ってしまうことがあります。

バイアスは今までの自分の経験であったり経験から自分が良いとしてきたもの、逆に良くないと感じてきたものなど、人により様々なタイプがあります。

このバイアスは良くも悪くも人間であれば必ずあるものであり、一概に悪いことであるということではありません。

バイアスがあるからこそ、人は瞬時に何かを認識することができます。
逆にこのバイアスがあるからこそ人は間違えやすくもなるんです。

フォークからのポセイドン

そしてこのバイアスをなくすということは恐らく大半の人はできないんです。

だからこそ、絶対に人にはバイアスがあるという自覚を持ってものごとの全体を見て情報を理解して判断することが大切になるんです。

先ほどの図1と図2の解釈は全体を見る前に判断したバイアスがかかっている状態だと言えます。

他人が言ったからではなく自分はどう考えるか

情報を見極める力を損なってしまう要因の一つに"誰が言ったのか"という、人により情報に偏りが生まれてしまうというケースがあります。

冒頭にあった、上司Aと職員Bの話しはまさにこの典型です。

職員Bは上司Aを信頼しているからこそ"上司Aが言っているのであれば間違いない"と考えてしまったのです。

普段の関係性や信頼関係はバイアスをつくりやすい

確かにこの心理は理解できますよね。

しかし、確実な仕事、精度の高い仕事をしていくためには"誰が言ったのか"ということだけで判断するのではなく、そこにプラスして"自分はどう考えるのか"という意識を持つことが大切です。

これは仕事だけでなく私たちの生活、大胆に言えば人生にも当てはまります。

誰が言ったからという理由で何かを決めるのではなく、その上で自分はどう考えるのかという考えを加えられたら、人生を自分のものに変えていくことができます。

言われた通りにする人生も中にはあるかもしれませんし、それが一概に悪いことだとは思いません。

しかし、言われた通りの人生と、自分が考えて判断した自分に主導権のある人生、どちらが自分にとって良い人生なのかは一度考えて、その上で自ら選ぶ必要があるのではないかと思います。

情報の真偽は"自分"というフィルターに通すクセをつける

情報を得たときに確かめなければならないことがその真偽です。
世の中が嘘ばかりだということではありません。

もちろんあからさまに間違っている情報も中にはあるかもしれないので、鵜呑みにすることは良くありませんし、そもそも正しいのかという確認は必要です。

しかし、情報というのは断片であれ全体であれ、突き詰めていけば結果的にどちらも正しかったということが多くあります。

にわとりが先か、たまごが先かという議論がこれとよく似ています。
切り取って見ているものは別であっても、その物体としてはどちらも同じものであったり、結果としてでてくるものは同じということもあり得るんです。

あとは、自分にとって論理的に正しいと言えるかどうかが重要となります。

あなた自身が真偽をどう捉えるかも重要

様々な情報に溢れ、そもそも情報自体が正しいかを判断できないものもあるからこそ"自分"にとってその情報が"真"となるのか"偽"となるのかを見極めることが大切です。

「みんな」に惑わされない

”みんな””他の人”という言葉がついたときに、人は情報を正しく見極められない時があります。

AとBという選択肢があった時に悩んでいると『みんなはどっちなんだろう』という気持ちになりますよね。そんな時に『他の人は〇〇を選ばれることが多いです』と言われたらどうでしょうか。

大抵の人が、多くの人が選んだものを選びますよね。「そんなの、みんなが選んだ方を選びたいんだから当然でしょ」と思うかもしれません。

しかし、このように出した答えは、情報を見極めるというよりも”みんなに合わせたい”という心理から出た判断になってしまっているんです。

他にも…
仕事や普段の生活で、このようなフレーズを聞いたことはありませんか?

『みんなが〇〇と言ってるよ』
『みんな〇〇をしているらしいよ』
『みんなが〇〇と思ってるよ』

この言葉が付くと強力なインパクトがありますよね。
特に日本人の多くは「大衆に合わせる心理」があるようです。
この”みんな”という言葉が情報を見極める力を損なわせてしまうんです。

果たしてみんなとは…?

よく説明の時に使われるみんなという言葉も、しっかりと数を把握すると案外少ないものもあります。伝えた側としては、2人に聞いていて二人が答えたのであれば「みんな」という言葉になりますよね。
でも、そもそもその「みんな」のイメージが合っているかが大切です。

よく見るものにも要注意

テレビ番組やSNSで流行っているものであれば、勝手に自分の頭の中で"一般的"という言葉に変換されてしまい、情報を見極めるというよりも流れにのって…という偏った見方を生んでしまいます。

これは情報発信されている"量"に影響されているものです。

皆さんも、実際にはよくわからないけどSNSで多く取り上げられているから…という理由で偏ったものの見方になってしまっていることはありませんか?他にも、流行っているからなんとなく買った…なんてことはありませんか?

情報が溢れている今だからこそ

今回、冒頭でご紹介したA上司とB職員のやり取りのように、情報が正しく理解されていないまま、人から人へ情報が流れ、結果的に本質を捉えられずに判断や行動に移してしまうというケースは多いですよね。

しかし、情報を正しく理解したり伝えたりできなければ、その情報を鵜呑みにしてしまい、失わずに済んだ貴重な時間を浪費してしまったりと、情報を見極められないことによる損失を生み出すことになるんです。

この背景には、情報を手軽に手に入れらるようになったことや様々な人が手軽に発信できるようになったこと、そこに私たち人間のそもそものバイアスや心理が絡んでいるということをご紹介しました。

そんな今だからこそ、情報を見極める力を身につけて情報を味方につけることが重要なのではないかと思います。

そして最終的に最も大切なのは「自分の実現したい未来にその情報は必要なのかを見極められる力」だと思います。

これだけの情報社会ですので、情報を見極める力が人生に与える影響は非常に大きく、結果的に自分を大切にすることに繋がると思いと思います。

この投稿を見てくださったひとりでも多くの方の何かになれたら幸いです。

貴重なお時間を割いて最後までご覧いただきありがとうございました。

【ヘッダー画像】クリエイター”ふうこ”さん

ふうこさんのこの画像は、

「カラスだって美しいと思う」という説明でアップされていました。

同感です。

カラスは怖がられたり勝手に不吉がられたり、
でも私も近くで見たことがあって、とっても綺麗な羽の色だなと感じたことがありました。太陽の当たり具合で、真っ黒というより少し紫や青みがかって見えて…

情報プラスあとは自分の解釈だと思える、今回の記事内容でお伝えしたいことの一つだったのでこの画像を使用させていただきました。

いつもありがとうございます。

sabukurocha
サブクロチャー



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