見出し画像

AIから学ぶこと

私のしてきた職種のベースは営業職になりますが、社会人経験2、3年目のときによく耳にした上司やら同僚の言葉で『臨機応変に対応する』というものがあります。

別に間違った意見とは思いません。当たり前すぎて最近は聞かなくなりました。
営業は現場の状況判断、ユーザーのニーズや状況、事態に応じての対応がマニュアル化しずらく、細かい対応はその場その場の判断が必要になることは確かです。臨機応変に対応していくことが仕事ともいえます。

ただ、気になったのは『臨機応変に対応する』で話が終わった時です。仕事全般に言えることが、臨機応変に対応した結果から対策を練ります。頭の中で想定したことをこなすよりも実際の経験から本来、人は学びます。

ある程度のことが行われて、それに対してどう対応して、うまくいったのか、うまくいかなかったのか、別の問題が生まれたのか、それぞれを検証して試して再度検証の繰り返し。

臨機応変に対応する、とは対応策ではなく、情報収集の手法になります。

複雑かつ細かいところは共有されないケースが多く、経験を積んだ個人の中に経験値として蓄積されてしまう状態で、共有ができずに、不測の事態に対応するための情報が個々の間で隔たりを生みます。
膨大な情報が本来は集められ、共有することが必要になります。

そんな小さな情報共有不足を補って、さまざまな対策、指示を出すことを実現させようとしているものが人工知能になります。ビッグデータに代表される集約されたデータを活用して、システムの処理速度で予測や処理を行います。

もちろん人工知能が全てを管理する時代がきてしまえば、経営者は不要になりますね。人すら不要の時代、よくて人が駒になる時代になります。まぁ、途方もない話になりますが、

AIは誰かが作ってくれて、いつか導入されて、便利な世の中になる。で、終わる話ではなく、それが重要視される要素から学べることに私たちは着目することが必要です。

AI化が重要視されるのは、もちろん人手不足問題の解決、業務効率化も有りますが、膨大な情報を集め、その解析がその判断の根拠データになります。
人間が臨機応変に対応するためには、多くの経験を積むかお互いの経験値の共有をする等して、それに対する対策の共有、それらイレギュラーケースによる情報の更新が必要不可欠になります。

私たちが普段からやらなくてはいけない、仕事そのものです。
それをそもそも忘れて怠っていては、AI文化の受け入れはできません。
経営者こそ、AIの視点を必要とします。そのために各部署を設けて上長、マネージャーが今は存在します(AIが主流になればマネージャー職は無くなるでしょうが)。
AIを導入する前に、その視点を持てているかをまずは経営者は自分たちに問わなくてはいけません。

人間がシステムに及ばないのは、情報解析能力になります。処理スピード。
どこまでを人がやるか、システムがやるかの切り分けは重要な問題にこれからの社会、今よりもなっていくことではありますが、
今を考えた時、私たちがやる必要があります。

共通の答えがないものを臨機応変といった曖昧な言い方で置き換えたりしますが、実は答えはあります。
正しい答えは見つからなくても、不正解でも答えを出して行動していくことになります。
自分たちで答えを出していくこと、それが複雑なこれからの社会に対応していく答えなのか、現状維持という答えなのか。

とりわけ、臨機応変に対応する、の結論で終わっていたことは現状維持、保留という逃げの答えだったと言わざるを得ません。
コロナ対策も含め、各国、各企業、個々人で答えを出すことになります。
保留と待ちの姿勢で変化できずに再度感染の爆発を招いた結果を受けて、個々に投げる臨機応変な様子見の対応を続けるのか、ここまでに出た結果、データを収集して次の対策を立てられるのか。

そもそもデータ収集は正しく行われているのか?という疑問も湧きます。たくさんの人が実感していると思いますが、コロナの情報で何が正しいのかよくわからなくなっています。

臨機応変に答えを出して、それに対しての行動がどうなったのかを分析して、膨大なデータから、私たちはこれからの答えを出していく必要があります。
人と人のつながりもまた問われる、情報の正しい共有がこれから求められることになるため、今の報道について、あり方を再度考えてほしいとも感じます。

人工知能が世の中に浸透していくことで、確かにさまざまな分野で私たちの生活を支えてくれるものになっていくのだと期待こそしますが、臨機応変な対応を求められた時、
その答えを出すのはAIなのか、それとも私たち個人なのか。

せめて自分で答えが出せるように、個人の意見とその根拠となるものを持てるように、私たちは社会や人とつながっていかなければいけないと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?